今回の患者さんとも話題になりましたが、口角部は後に隠れていて、赤唇縁の畝,うね=土手状の膨らみ,Mucocutaneus rigdeが見えませんから、赤唇縁を切開切除しても良いのです。でも口角より内側へ向かうとリッジがあります。ただしその範囲は個体差があります。昔に父が、赤唇縁全長を切除して口唇短縮術をした患者さんが何人か居ます。確かに効果はありますが、赤唇がベタっとして貧弱になります。今でも診ている患者さんも居ますが、その内のある患者さんは、アートメイクして誤魔化しています。
私は未だに口角挙上術を、下図の様なデザインで行なっています。ただし最近色々な手術法が考案されています。多くは、赤唇縁を切開しない方法で、口角分の口唇の裏側を操作しています。それでは少なくとも、口角の上の白唇を切除しないので、口角の位置を変えられません。それこそジョーカーの様に、または本症例の患者さんが例えた”マジシャン”の様な口角だけがキュッと曲がった形は造れています。もう既に、何人もの患者さんがやり直しを希望して、私に罹りました。
とは言っても、私の行う口角挙上術では、口角の上を赤唇縁から白唇を三角形に切除して、そこに赤唇を持ち上げていくので、切除の形が赤唇のカーブを造ります。ですが上に書いた様に、赤唇縁の土手、リッジを損ねても良い範囲は個人差があります。通常加齢で、リッジはダルくなります。リッジはセクシー度、赤唇は擬態ですから、解っている人には重要な形態です。ですから、私は通常1回目は、上赤唇縁は口角から1.5㎝内側までしか切りません。
今回初回は1㎝までに止めた患者さんが、「もう少し内側まで!、挙げたい。」希望をいただきました。診ると、リッジがダルイので、切り足せると見て取れました。実は、これまで二例載せたことがあるので、ブログを覧たそうです。患者さんは解っている人で、複数回手術となっても結果が得られれば、喜んでくれます。私もまた甘えて、他の部位も含め、何回も手術をさせてもらいました。信頼関係が醸成されています。
症例は60歳女性。これまで幾つかの手術を受けてきた患者さんです。何をしても結果に満足されていて、更なる高みを求める楽しい患者さんです。私の「美容外科医療は楽しいんです!。」との宣言を理解して「楽しんでいます!。」と乗ってくださる明るい女性です。今回口周りの4回目の手術です。私の得意分野だと知っています。上白唇短縮術を2回と口角挙上術を1回施行しました。口角挙上術は3ヶ月前です。口唇横径52㎜で、口角を垂直から30度斜め横に5㎜挙げた点に移動させました。
そして、前回の口角挙上術の経過観察中に「口角だけでなくその内側も、この鼻翼の下あたりも挙げたらどうですか?。」と尋ねられました。「ブログにその様な症例ありますよね?。」と良く覧てくれているのも安心です。
画像は3ヶ月前の前回の口角挙上術の経過から載せさせてもらえます。
3ヶ月前の口角挙上術のデザイン。上左図は、術後の口角の位置を点で示しました。口角から60度上に5㎝の点です。上右図はそこに向かって三角形の切除と赤唇縁の切開線を描きましたが、三角形の一辺は約1㎝でした。
斜めから見ると、位置が判ります。
上左図は3ヶ月前の手術直後です。口角だけキュンと挙がっています。これでお悦び頂いていましたが、上右図は術後3ヶ月ですが、若干後戻りしています。
斜めから見たら判り易いと思ったのですが、撮影角度が違っていました。ただし、口角の内側がカクっと曲がって”マジシャン”と表現されました。
側面像では、今回の術前には口角が上がって見えないと捉えられます。
今回の2回目の手術に至った要望は上に述べましたが、とにかく手術します。
上左図にご覧の様なデザインです。口角の位置は45度方向に3㎜動かします。内側に架けて丸みのある三角形を切除します。上下赤唇縁は切開しません。上右図ではこれを切除しました。
切除標本は上左図。上右図はいきなり縫合後です。これでマジシャンではないか?、ピエロではないか?は、何とも言えませんが、キュンっと上がりました。
斜位像では腫脹が見られて、急峻な上がりに見えます。
側面像では赤唇が腫脹で前に出過ぎです。上右図のごとく、創は口のサイドにあり、目立たなくなるでしょう。
手術翌日です。腫脹(腫れ)が軽いです。マジシャン顔から赤唇が厚くなり口元がはっきりしたと、お喜びでした。
4方向でも赤唇縁のカーブが綺麗な弓を描いています。
近接画像でも翌日とは思えない傷です。
術後1週間で抜糸しました。引っ掻いたので赤い線になります。
腫脹が軽度でも内出血は少しだけ起きました。
術後2週間では傷跡が目立たなくなりました。早い!。
4方向でも赤唇縁のカーブが綺麗になっただけです。
当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用の提示です。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円+税。今回は追加手術なので3分の2の料金としています。更にブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。