2016 . 7 . 22

眼の開きが強いのがお好き?、二重が広いのがお好き?、1週間で見てアレッ?・・

最近切開法の掲載症例が頻繁でしたが、今回の症例はこれまでにも切開術の症例提示をさせて頂き、その後微調整を繰り返して来た患者さんです。

皆さんにはこんなに頻回に繰り返してもいいのかと、疑問を呈されるかも知れません。問題ありません。

過日他院で埋没法が行われた後に物足りなくて、当院で切開法を敢行しました。開瞼の向上という結果は出ましたが、左右の微妙な開瞼の差と瞼縁のカーブという形態と機能の問題。前頭筋収縮の非対称、影響して重瞼の非対称が無いとは言いません。

その意味で見える問題を、形態と機能の両面からの修正点を患者さんから指摘されて否定はできません。素直に認めて、でもサービスを込めて修正してきました。今回も見える修正点を埋没法で左右1本ずつ、黒目整形を加えてみました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

上の画像が術前術直後です。両眼共に画像上で開瞼が向上しています。もしかして患者さんが力を入れてくれたのかも知れません。

でもよく見ると左が弱い?。下の近接像で比較してみましょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

上の画像2枚は術前の左右近接像。どちらも開瞼が足りないと訴えられました。じゃあ中央だけでも切らない眼瞼下垂手術=黒目整形=NILT法をしましょうという事になりました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

そして術後1週間の近接像。一目見て、右側は中央付近が充分に挙がっていますが、左は足りない。正直に認めます。結果的に形態的には非対称性が生じました。もっとも機能的には向上はしています。でも機能的な差が形態的な差として見えます。

先日、形成外科の世界での眼瞼下垂症手術の元締めみたいな、元信大教授の松尾先生のホームページを覗いてみたら、機能と形態の相関の説が強調されていました。私も我が意を得たり!。彼とは15年来の仲間で毎年の学会では必ず議論し、またメル友でもありました。お互い難しい症例等の情報交換をしていました。彼の言った言葉で肝に銘じていることがあります。「一重まぶたは眼瞼下垂を伴うから、重瞼術はいつかは疾病として保険診療になるべきだと思います。」それ以来私もその観点で診療してきました。軽度の眼瞼下垂症でも治療の対象になると考えてきました。まだ全面解禁ではありませんが、かなり認められる様になりました。日本美容外科学会JSAPSでコンセンサスが得られてきています。あくまでもJSAPS=形成外科医で美容外科医の集まりでの医学的議論ですが、厚労省=国家の医療管理部もそれに基づき医学水準を作り上げていく訳ですから、徐々に浸透していくでしょう。ついでに判った事ですが、私の医学博士論文:一重瞼と二重瞼の構造の違いは2001年発表ですが、丁度その頃から彼も眼瞼下垂の研究に勢を出していました。その点でも戦友だったのです。

機能的に向上しても形態的に満足がいかない時は、自費で埋没を加えていくしか無いです。もちろんサービスはします。今回は診察室に入ってこられた瞬間に決めました。したがってその経過写真も提示する予定です。