2017 . 2 . 8

黒目整形で暗い目元を知的な目元に!こっちの方が自然です。

黒目整形切開法の効用はこんなにいいんです。

症例は21歳、女性。先天性一重瞼。アイプチでは挙がらない。かといってPuffy eyeではない。眼裂横径23.5mmと小さく、角膜中心間距離が56mmと眼球は離れていないのに、内眼角間34mmと一重瞼としては正常範囲だが逆に蒙古襞が被さっている数字。蒙古襞は縦に突っ張る所謂吊り目を呈している。眼瞼挙筋筋力;Levator function は14mmと正常範囲で筋原性の先天性眼瞼下垂ではないが皮膚眼瞼下垂に為に上方視は不能。

今回はSOAPで説明しますと、まずSubject;主訴は眼瞼下垂の改善です。Object;他覚所見は診察して、上記の様な理学所見を得ます。患者さんから既往歴や社会歴や家族歴を聴取して上方を補完します。Assesment;評価はどのような状態可を総合的に評価して把握します。Plan;計画は手術法の検討後決定します。SOは上記にあります。Aはいつもやつです。最近の患者さんはホームページやブログを見てある程度自己評価しているため、私の評価とすぐ一致します。でも微調整は必要で、派手目か地味目か中くらいかを聴いてみて、シミュレーションで見せて出来る範囲を選択してもらいます。この蒙古襞では一辺4㎜のZ−形成術による目頭切開=蒙古襞の拘縮解除術では、通常の二重瞼幅だと末広型になる事。眼瞼下垂はLT法で改善可能な事。重瞼線は末広型の最高線である6㎜がシミュレーションでは好まれた。21年の長年間、当然前頭筋が開瞼時に収縮して来た為眼瞼の皮膚は伸展弛緩が見られるため、2mmの若干の切除が好ましいと伝えました。Planはこうして立てます。手術はPlanに従うだけです。手術の結果は術前Planが60%を占め、手術中の手技に依る差は30%、術後の経過も10%程度を占めます。では画像を提示します。

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上の画像は術前と術直後です。デザインですが、重瞼線を6mmに設定し、皮膚切除幅は2mmとし、蒙古襞の稜線に縦線を置き、一辺4mmの60度のZ−形成を連続させています。手術は皮膚、眼輪筋を同幅切除します。目頭切開は三角皮弁を剥離しておき、内眼角靭帯;MPT(正しくは内側眼瞼腱)の上下の眼輪筋の拘縮を切離しておきます。眼窩脂肪をよけながら、瞼板上縁の挙筋腱膜を露出させます。その後眼瞼結膜側から結膜粘膜とミューラー筋と腱膜を糸で寄せます。その糸を表に出して重瞼固定を眼輪筋最浅層に掛けます。一度座位で形態と機能を確認した後、皮膚連続縫合します。この縫合法の方が創がきれいです。

今回また近接像を比較します。

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上が右眼瞼、下が左眼瞼の術前と術直後です。

まあ比較するまでもなく、MRD;角膜中心ー瞼縁間距離は1.5㎜前後向上しています。重瞼線は腫脹で設定の1.5倍程度になっています。瞼縁や重瞼のカクカク感は治ります。カーブはあくまでも末広ですが、自然に良く有る二重の形態で、瞼縁もアーモンド型に近づいています。術後の形態と機能は左右差が少ないと見られます。

もちろん術前は可哀想な形態と機能です。キツい感じ、くらい感じ、寄り目みたいで、目が隠れている。典型的な東アジア人の眼瞼です。日本人では半数以上に非東アジア人遺伝子が入っているので今や東アジア人型眼瞼はマイノリティーとなりつつ有ります。つまり東アジアでも(韓国はもちろん本邦でも)人間として自然な、二重瞼で蒙古襞が邪魔しない非眼瞼下垂の形態が増えて来ました。この方が自然だからです。

特に頭脳労働者は機能的に開瞼が良好な方が優位であるのは否めません。視情報が多く入るからです。実は座学でもこうしてパソコン操作していても、視界が広く一度に字が多く見えると、文脈の把握がし易い為、情報がより正確に脳に入ります。視機能は脳機能に直結するのです。

更に目の窓を大きく開ける人は、開閉の差が大きい分表情が豊かでコミニュケーションに優位です。視機能だけでなく、開瞼機能は人間性を広げるのです。父が昔よくいいました。「美容形成外科治療は社会に適応させる内面的な改善も図れるんだ。」眼瞼手術はその代表的施術です。父も重瞼術切開法が得意で(昭和40〜50年代の芸能人の大部分が症例)切開法の森川と呼ばれていました。私も今や切開法の森川に近付きつつあります。

私は手術をする肉体労働者です。細かい手術は体幹の安定の為に筋力を使います。もちろん手術中は視機能からインプットして脳が決定し、手がアウトプットします。でも術前のSOAPの段階までほとんどは頭脳労働です。患者さんの為に考えます。見て判断します。視情報を使いまくります。私はたいてい次第に目を見開いていてギョロッとしています。時に患者さんに「目大きいですね。そんなに開いたらいいな!」とモデルにされます。時には逆に「そこまで開いたら怖いかも?!」と言われます。どっちなんだよお!。本症例の患者さんは大学生で頭脳労働者の卵です。今後の人生で視機能を便利に使えるでしょう。特にコミニュケーション;communication を使う分野らしいので尚更優位に働くでしょう。

形態的にはだいたい2週間は罹ります。3ヶ月は診ないと完成は宣言出来ません。今後の経過観察時の画像も楽しみですし、評価もお聞きしていきたいと思います。