本症例は初診時には楽しく診療しました。結構フランクですが、やりたいことの主張が強く、巷間いわれているように私もそうなので、二人で丁々発止の診察でした。こうして密な診療の結果、適応が高いと考えられ、手術に至りました。術前の計画は看護師に任せて静脈麻酔の希望も汲み、麻酔医が立ち会えるようにスケジュールを立てました。
ここでいつもの私のモットーです。美容外科治療は人格を豊かにする為にあります。美容医療を何らかの目的を持って受けても、目的を達成出来るとは限りません。例えば可愛くなると稼げるかと言っても、私は銀行員ではありませんから出来ない相談ですし、可愛くなってもてたいと言っても相手を充てがう事は出来ません。ただし内面的人格が高くても、外面的人格つまり美貌が足りないと感じている人は沢山居ます。
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カテゴリー別アーカイブ: 腋臭症
腋臭症(ワキガ)と多汗症(汗の臭い)Ⅲ
今回は長くなったので、二回に分けました。
やっと手術法の説明となりました。多く分けて四法あります。でも私は脇臭症の診断の下には、剪除法しかしません。一応術式を説明します。
①切除法:20年前までは行われていました。皮膚ごと切除するものですが、酷い跡、多くは運動制限を伴います。もちろん取る範囲を小さくすれば、脇臭症は治りもしません。今はこの手術をする医者はいないでしょう。
②超音波法、吸引法:小さな穴から吸引管を入れ削り取る、さらに超音波で砕いてから吸い出す方法。頑張ってまんべんなく取ろうとするのですが、何ぶん見ないで取るので、残る。部屋を掃除するのに、一カ所に突っ立ってする様なものです。特に穴から遠いところはまばらになります。また超音波を長く当てると、やけど状態になり皮膚が
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腋臭症(ワキガ)と多汗症(汗の臭い)Ⅰ
汗:人間は恒温動物ですから、汗によって体温調節しなければなりません。ですから、汗は人間らしさの特徴であります。体内で産生したエネルギーのうち余分を排出する。外界から熱エネルギーを受けても、体温を上昇させないようにする。その時熱い汗を出し、蒸発させて気化熱を奪うことで熱エネルギーを排出する。これができないと高体温となってしまいます。近年、毎年夏になると話題になる熱中症。昔は熱射病と言いました。高い温度にさらされ続けて、汗での体温調節ができないか、汗を出し続けて脱水になる状態。体温が上昇すると、脳は簡単に壊れはじめます。悪化すると死に至ります。
つまり発汗は人間にとって大事な生命維持機能なのです。しかし、臭いを伴います。水だけでなく、有機物を含むからですが、その割合は体内の組成により個体差
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