ボトックス=ボツリヌス菌毒を局所での神経筋接合部遮断のために薬剤として用いる場合このように言うことにします。
これまでⅠ:ボトックスの咬筋への使用の症例の提示から、Ⅱ:ボツリヌス菌の生物性に話が飛んで、Ⅲ:人体への薬剤としての応用。と話がやっと進んできました。Ⅳ:実際編を展開していったところ原則論に終始してしまいました。
今回こそ、長年使ってきた私達の使用法=適正量を、部位別=筋肉別に、どのようなしわに対して使うかを、細かく説明していきます。そこで顔の上方から順を追っていきます。
額の横しわ:ボトックスは、これまでの何回か説明しましたが、筋肉の動きでできるしわを筋肉の動きを弱めることでできにくくする薬です。まず額の横じわは前頭筋という筋肉が寄せます。この筋は眉毛の上から、生
▼続きを読む
カテゴリー別アーカイブ: 日本美容外科学会(JSAPS)専門医
切らない鼻翼(小鼻)幅縮小術は、簡単に受けられます。今回の症例提示は2年越し-
切らない鼻翼縮小術は、簡単に受けられると強調したいので、またまた、2度目の追加手術をした症例を提示します。2度目を受けられるということは簡単に受けられることの証明でもあるからです。さらにいうなら、2度受けると後戻りの程度が格段に少なくなることもこれから提示できると思います。
まず1回目の経過の画像を提示します。症例:24歳女性。2年前の手術です。
上図は左が正面、右が下方視。鼻翼最大幅は37㎜
上図が術後。
私は術中にも計ります。30㎜にしました。
しかし、2週間で後戻りが起きてきて、36㎜。どうもよく笑うとのこと。「後戻りの原因はこれですね。」というと、「それはそうかも知れませんが、前は笑ったときにやたら
▼続きを読む
▼続きを読む
小顔とは?から派生してⅤ-ボトックスについてⅣー
ボトックス=ボツリヌス菌毒を局所での神経筋接合部遮断のために薬剤として用いる場合このように言うことにします。(ところで他に使うとすると兵器ですが、実用化しませんでした。それにこれも全身的ですが、神経筋接合部遮断作用を求めての開発でした。)
Ⅰ:ボトックスの咬筋への使用の症例の提示から、Ⅱ:ボツリヌス菌の生物性に話が飛んで、Ⅲ:人体への薬剤としての応用。と話がやっと進んできました。
今回は、症例提示ではないのですが、長年使ってきた私達の使用法=適正量を部位別に細かく説明していきます。
量=濃度=作用分子数ですが、分子数がいくつかは直接測れないので、作用量として国際単位が世界的基準として設定されています。International Unit といい、IUと略され、医療者間では通
▼続きを読む
▼続きを読む
数少ない目尻切開症例
目頭切開はこれまでも多く症例提示してきましたが、目尻切開の症例提示は初めてです。それだけ適応症例は少ないのですが、その理由と適応の説明もします。 まずは症例提示です。
実は画像的には、これだけです。今回は右のみの手術です。実は2回目の手術です。「って言うことは1回目がヘタこいたんじゃあないか?。」と、いわれても、言い返せません。そこんとこは後で言い訳します。二つのポイントがあります。今回はよく注意して手を加えたし、結果が得られていると思います。
症例は、34歳女性。さらに実は以前に他院で目頭切開を受けているため、眼裂横径30mm、内眼角間距離は31mmと日本人には珍しい値になっています。ただしよく見ると、外斜視です。正しくは斜位といいます。ちょっと説明が必要ですね。斜視は両眼視
▼続きを読む
▼続きを読む
小顔とは?Ⅳ-ボトックスについてⅢー
ボツリヌス菌毒は、今世紀になってやっと、医学的に実用化が為されました。イギリス製のダイスポートと、アメリカ製のボトックスです。どちらも普及していますが、アメリカで歌手や俳優を使って宣伝されましたから、世界的にも、”ボトックス”といえば通じるので、こう称します。
医学的使用は、美容医療上の使用が喧伝されていますが、もともと広い分野で求められていました。局所の神経が筋に接続する部分=神経筋接合部を遮断する作用は、様々な疾病に有用なのです。もう一つ大事なことがあります。ボトックスは切れる。必ず戻る=可逆性があるのはなぜかというと、末梢神経は枝分かれによって再接合というか再挿入されるからです。標的となる神経筋接合部の間に挟まったボトックスの分子は、電気信号を遮断します。挟まったものは永久に取れ
▼続きを読む
▼続きを読む