カテゴリー別アーカイブ: 縫合

2014 . 1 . 13

切る手術と切らない手術 切る、打つ、埋めるは基本 -切らない手術について-

前前回突然停めてしまいましたが、前回も面白かったでしょう。 では、続きです。 切らない手術は軟部組織通しをつなぐか、軟部組織を硬組織に吊り上げることで、「挙げる。」「寄せる。」ことを狙う手術です。その仕組みは単純ですよね。但し切る手術と違って、小さな瘢痕はしかできませんから、面で引き揚げることは難しく、糸にすべての荷重や負荷がかかることになります。さらに実は、糸がかかっている軟部組織は本来軟らかいのですから、糸で引き揚げた組織の負荷は糸にかかるのではなく、糸がかかった軟部組織の点や線にかかるのです。 つまり、糸での切らないの手術が戻るのは、糸のせいだけではなく、糸がかかった軟部組織が裂けていって、ずれていくからです。 私は、大学の形成外科で解剖や生理を学んだので、ダウ
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2014 . 1 . 9

切る手術と切らない手術 切る、打つ、埋めるは基本

昨今、患者さんから切るか切らないかの手術法の違いの質問をよく受けます。これまで歴史上説明してきましたが、美容医療の萌芽の時代から、切る手術と切らない手術は併存してきたのですが、切らない手術を好しとする傾向から、紹介する機会も多くなったのです。池田先生のブログで、101人の名医のインタビューでも、語られています。、切らない手術がいいのではなくて、切らない手術でいい結果と持続性をもたらせなければならないという事です。今回その理由を説明します。 美容医療で求められる形態改良の方向として、足すか引くかと、挙げるか寄せるかがあります。部位別に例えれば鼻なら、もともと足りない鼻を足すとか、大きい鼻を寄せるとかが必要な形態のケースが多いです。瞼なら、挙げて目を大きくしたい、横を寄せて大きくしたい、弛
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2013 . 11 . 15

フェイスリフト;FL の合併症→治しました。術後1か月以内に結果が出ます。

前回提示した症例です。本日悦ばしく、最終結果をお見せします。その前にこの様なフェイスリフトの合併症を起こす原因を考察しましたので、掲載します。 よく行われるフェイスリフトでは、①耳の前後ろで皮膚が切開されます。②そして、通常皮膚を剥離します。引き上げやすくするためです。③その後、筋膜等を引き上げます。④すると弛んでいた皮膚に余剰を生じますからこれを切除し、⑤縫合します。 基本的にこの手順です。ここでそれぞれの手技に対応する合併症とその原因をあげます。 ①切開位置が不適切だと耳は変形するし、傷跡が目立ちます。いまどきこんな手術する人はフェイッスリフター失格です。②皮膚剥離は皮膚を引き上げ、真皮縫合をかけやすくするためには必要です。剥離した皮膚が引き上げた位置で面で癒着しますか
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2013 . 11 . 8

切らない手術と普通の手術

このところ、切らない眼瞼下垂手術や、切らない小鼻縮小術を紹介しました。 その際、持続性については、あいまいにしているのはお気づきでしょう。そうなんです。 切らない手術=糸で形を作る手術は、必ずある程度の後戻りをしますが、その程度と時期は個体差があり、予想が難しいのです。 切る手術=普通の手術は、余分を取ったり、癒合をさせたりするので、効果の程度は取る分量により決まります。持続は初期の後戻りはないとは言えないのですが、その後は効果は定着します。 まずは切らない手術の代表4法について説明していきます。二重を作る埋没法MT法や、切らない眼瞼下垂手術LT法は眼瞼の皮膚と挙筋を糸でつないだり、挙筋を糸で畳んでまぶたの機能を助けます。糸は永久に残ります。もちろん害はありません。なぜなら、糸は身体との反応
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2013 . 11 . 1

フェイスリフト;FL の既往が判る変化→治しました。いいでしょ?。

私の父は、それこそ大胆に引き上げるフェイスリフトを常々行っていました。このため、耳がエラまで伸びてしまうケースが多く、ちょくちょく私が治させられました。もっとも困った症例は、銀座美容外科の看護婦長のケースで、父がいろいろの方法を実験してましたから、(スタッフはモニターで、いろいろの手術を受けていました。)私が耳を治したら、数か月後にまた、フェイスリフトを追加して、伸ばす。しょうがないから、また私が治したのに1年後にはまた引っ張る。いたちごっこでした。但し、私はそのたびに、手術法のディテールを工夫して、回数を重ねると、より効果的な方法を身に着けました。この様な経験は誰もしていないでしょう。逆の意味で、父に感謝しています。 今回、この症例を治す機会ができたのは、看護師さんが見つけ、私も指摘
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