4ヶ月前に大きなほくろを切除し、皮弁形成術で再建した患者さんが終了診察に来院してもらえましたので、提示します。
上左図の如く、長径12㎜で口の横なので、縫縮すると変形を来す可能性がるため、広報の余裕がある部位からの皮弁形成術で被覆し、変形を回避しました。上右図がデザインです。
上左図が1週間後の抜糸時です。一部抜糸時に出血しています。上右図がその1週間後です。まだ糸の跡が見られます。画像では解りませんが、縫合創跡は硬く触れます。真皮縫合の影響です。
今回4ヶ月で写真を撮らせて頂きました。
ご覧の通り、縫合創跡は赤く見えます。聴くと「時によります。」と優しく患者さんは言ってくださいました。私も合わせて「日によるでしょう。時にもよるのでしょう。血行の影響で
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カテゴリー別アーカイブ: 真皮縫合
ほくろ=母斑を取るのでも、形成外科・美容外科の技術は特殊です。―真皮縫合と皮弁形成術Ⅱ―
前回は、真皮縫合についてゴチャゴチャ説明しました。判りにくかったかも知れませんが、大事なことです。私達形成外科医が切除縫合手術をすれば、創跡が見えなくなる手術法のキーポイントです。
この分野に於いては、他の科目の医師とは格段に差があります。 逆に言えばほくろを取るのでも、私達形成外科医が手術するなら、恐くもないし、目立つ跡にはなりませんから、ちゃんと選んで頂きたいものです。
基準はプロフィールで形成外科の経験が6年以上=前回書いたのですが、私は(平均的に)6年目にやっと真皮縫合が出来る様になると思っているからですし、形成外科の卒後研修カリキュラムでは、6年目までに一通りの手術法を学ぶ様になっていて、7年目に専門医を申請する様になっているからでもあります。
ところで、「ほくろ
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ほくろ=母斑を取るのでも、形成外科・美容外科の技術は特殊です。―真皮縫合と皮弁形成術Ⅰ―
3週間前に先天性母斑(生まれつきの黒あざ、ほくろの一種)を切除し、皮弁形成術で被覆し、しっかり真皮縫合をした症例患者さんの経過写真を撮らせてもらいました。
まずは患者さんの約束もあって、創の経過と真皮縫合による創跡の経過を説明します。
創とは、皮膚が離断または欠損した状態です。身体は外から、表皮、真皮、皮下組織、筋膜、筋の順に層を成しています。
表皮層は細胞が積み重なり、厚さは0,2〜0,4㎜。創になると細胞は分裂重層や遊走(分裂した細胞が横方向に押し出される)して表面を閉じます。通常縫合した創の隙間を数日で跨ぎ、塞ぎます。表皮層には血行はありませんが、滲み出た液で栄養されます。表皮細胞は表層にいくと、脱核して細胞で無くなり、包み紙であるケラチン蛋白の塊になります。
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