2016 . 8 . 3

やっと綺麗に揃った症例。

下の写真から入るとなんだこれ?、って思われますよね。症例は39歳、女性。

経過を説明しないと判りようがありませんよね。まずは眉下切開をしました。皮膚の余剰が主体だからです。その際に両側とも眼瞼下垂状態があったのですが、コンタクトレンズが使用できないと困るので見合わせたのです。

3週間を経て、日程を立てようということになり、来院した際に診ると、明らかに右眼瞼が落ちていて、くぼみ目もあるため、右NILT法、左はそれに重瞼を合わせるためにMT法を予定しました。その際左はNILT法をしませんでした。何故かと思い返すと、右が明らかに眼瞼下垂で、早急に治したいからです。

すると、下の画像の様な結果となりました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこりゃいかん!。でもよく見ると、眉毛が挙がっている。二重の幅が違うのはこのためでもあるし、もちろん開瞼を向上いていないからでもあります。こんなに差が付くのは、簡単にいえば右が楽に挙がったから左がサボったからでもあります。これをHerring現象といいます

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近接画像を見ると黒目の出方がこんなに違います。角膜の中心から瞼縁の垂直距離は、MRD;Margin Reflex Distanceといいます。計ると、右2.5mm:左1mmの差となっています。

もちろん困ります。急いで左の黒目整形を加えることにしました。

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術直後には、まだ揃わない。通常は術直後には、オーヴァーになるのですが、本症例ではアンダーでした。撮影時には、腫れて痛いから開いてくれないのでした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこうして一週間後に来院してもらいました。

揃った!

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近接画像でMRDを比べると左右とも2.5㎜となっています。正常範囲です。

今回の症例は判り易い経過を経ました。皮膚性の眼瞼下垂は適量切除すれば形態的にも機能的にも結果が得られます。本症例では、眉下切開で希望されました。瞼での切除ではダウンタイムが長く、重瞼があるのにわざわざする必要がないからです。それに、アートメイクしているので眉下切開の創跡が隠せるからです。最上部の画像で見ても、創跡が目立たないですよね。

ところが、皮膚性の眼瞼下垂を除去すると、挙筋の緩みによる開瞼の低下(つまり真の腱膜性眼瞼下垂症)や左右差、重瞼の左右差や緩みが露呈して来て目立つ。しかも、左右差に対して、駄目な方だけ治すと軽い側がさぼる様になるから、逆の左右差が大きくなります。

予想はしていましたが、費用と時間の関係から右側の黒目整形=切らない眼瞼下垂手術=NILT法だけをしたら、Herrig現象で落ちました。当然重権の幅も差がつきました。患者さんはむしろ重瞼差を気にされました。「それは開瞼の差のためです。」と説明し、早めに、差額で、そしてブログ掲載を承諾して頂き、更にコストダウンさせてもらい、直ちに左眼瞼の黒目整形を施行しました。

結果はご覧の通りですが、眉下切開の時は提示症例では無かったので、眼瞼下垂の改善の程度が不明です。でも、結果として、いい形態と機能が得られました。患者さんも満足されています。