カテゴリー別アーカイブ: 日本美容外科学会(JSAS)専門医

2014 . 10 . 24

小顔とは?Ⅳ-ボトックスについてⅢー

ボツリヌス菌毒は、今世紀になってやっと、医学的に実用化が為されました。イギリス製のダイスポートと、アメリカ製のボトックスです。どちらも普及していますが、アメリカで歌手や俳優を使って宣伝されましたから、世界的にも、”ボトックス”といえば通じるので、こう称します。 医学的使用は、美容医療上の使用が喧伝されていますが、もともと広い分野で求められていました。局所の神経が筋に接続する部分=神経筋接合部を遮断する作用は、様々な疾病に有用なのです。もう一つ大事なことがあります。ボトックスは切れる。必ず戻る=可逆性があるのはなぜかというと、末梢神経は枝分かれによって再接合というか再挿入されるからです。標的となる神経筋接合部の間に挟まったボトックスの分子は、電気信号を遮断します。挟まったものは永久に取れ
▼続きを読む
2014 . 10 . 17

小顔とは?Ⅲ -ボトックスについてⅡー

ボトックス(BTXと略します。)とは、多くの方がご存知だと思われますが、ボツリヌス菌という生物が出す化学物質で、神経が筋肉に差し込まれる部分に挟まって、神経を流れてきた電気信号が筋肉に伝わらなくするという物質です。タンパクですから、生物しか作れません。しかし、数少ない生物しかこれを作れません。ボツリヌス菌はそこら辺の土壌の中にいくらでもいる生物ですが、こいつに生産させた神経伝達遮断物質を純粋な成分として取り出すのが難しかったのと、保存が難しかったので、薬剤としての製造を試行錯誤されていました。実は、生物兵器としての研究が先行していたのは、御多聞にもれません。歴史上兵器開発が科学の進歩に最大の貢献してきたのは誰もが知っている事と思います。しかし、上記の理由で兵器としての有用性はありませんでした
▼続きを読む
2014 . 10 . 14

小顔とは?Ⅲ -症例経過提示とボトックスについてⅠー

お約束通り、小顔の症例の2か月後と、ボトックスの説明をいたします まずはもう一度、咬筋のボトックスと、脂肪溶解注射の経過の写真をお見せします。 術前術後1ヶ月 いかがでしょう。顔面下1/3の幅が明らかに細くなっています。 前回小顔とは?Ⅰで説明しましたが、顔面の大きさは横幅です。そして、上、中、下の3点で評価します。つまりこめかみ、頬骨、エラのそれぞれの幅を、絶対値、相対値で評価するとどこを修正していくべきかが診断されます。前にも言いましたが、骨、筋、脂肪の3要素を使い分けます。 今症例では、下顎角部の幅が100㎜を超えていて、頬骨最大幅も135㎜を超えているのですが、頬骨部は骨の幅ですから、修正が難しい部位です。それに髪で隠せます。それに比して、下顎角部は骨の
▼続きを読む
2014 . 10 . 10

切らない鼻翼(小鼻)幅縮小術は、簡単に受けられます。その4=約1年後

1年前行った切らない鼻翼縮小術の症例はです。実は2回目の手術です。だから逆に、症例提示として皆さんに役立つ経過をお示しできると思います。 この症例は、一昨年3月に1回鼻翼縮小術を行いました。左下図が術前下方から、右下図が術前正面像です。ご覧になるとお判りかと思いますが、鼻翼切除術も併用しています。 そして、1年後の結果を提示できます。なんと言ってもサイズの問題ですから、皆さんが参考にして下されば幸いです。 先ず、前回の手術前。 左下図が術直後下方から、右下図が正面像です。 術前の鼻翼最大幅40㎜を術直後34㎜に狭めました。鼻翼基部で2.5㎜の組織除去も併用しています。 これが術後1週間では下の二図の様に37㎜まで戻っています。実はこ
▼続きを読む
2014 . 10 . 10

片側の眼瞼下垂手術でも難しくないんです:黒目整形のメンテナンスⅡ

1週間前に、提示した症例の経過画像を提示します。 もう一度説明しますと、今回の症例は、5年前に切らない眼瞼下垂手術を受けた患者さんです。よく見ると、右側が下垂傾向が再発しています。第一眼位での見かけの二重幅も徐々に狭くなってきました。くぼみ目も治っていたのに、再発してきました。前回の写真は提示できません。 術前術直後 単純に閉瞼時で1mmラインを挙げて、右だけ切らない眼瞼下垂手術を足しました。 右内側は眼瞼挙筋が弱いと考えられ、上がり切っていません。また外側は直後は強くなりがちで、内外の開瞼バランスがイマイチです。でもこれは必ず揃います。 1週間 さて1週間後です。綺麗に出来上がりました。くぼみ目も治っています。患者さんは大変お喜びです。 この様に丁
▼続きを読む