2013 . 8 . 13

まぶたの機能と美容医療Ⅴ 眼瞼下垂その3 -分類-

今回は眼瞼の不具合。機能と形態の調和。どのタイプにどういう治療が適するかを述べます。もっとも私一人には、地球人60億人に対するあらゆる治療法を述べる能力も無いですし、ここにはそんなスペースもありませんので、私なりに類型化した見解つまり分類を述べたいと思います。

成書を見ると、分類法が種々記載されています。科学的書籍の記述法の定式です。おおむね次のように分類されています。先ず先天性と後天性に分類。この中で一次性と二次性に分ける。先天性とはもちろん産まれつきの異常をいいます。二次性は外傷や、違う部分の病気のため、医療の結果で起きることをいいます。

これらを細かく分類し、羅列すると、先天性一次性としては、単純性、眼裂狭小症候群、二次性としてMarcus Gunn現象、神経麻痺。後天性一次性として老人性、筋性、神経性、二次性としては、重症筋無力省、コンタクトレンズ性、外傷性、医原性(術後性)、疾病性などが記載されています。そして次に、発生割合が載っているものです。これによると、先天性のうち9割以上は単純性で、後天性は老人性とコンタクトレンズ性と術後性が半分を占めています。これまでの私や当院や知り合いの経験を総合すると、統計は取っていませんが、後天性のうち8割以上は上記が占めているように思いますが、これは大学病院と、一般医院の差でしょう。

あえて言いますと、先天性単純性でも、瞳孔が隠れているような重症例では、生後早期に手術しないと視力が発達しません。外から見えない眼は見えるようにならないのです。この分類のケースは全身麻酔が必要なので、大学などの大病院での治療に任せられます。眼裂狭小症も同様です。二次性は治療が難しく、また先ず原病の治療が求められます。後天性のうち、神経性や筋性は治療が難しく、内科的治療になります。外傷性や術後性は本来初療医が対処するべきですが、経験の無い医師はてをこまねいてしまいます。そのうち私達を訪れる人もいます。

後天性では、ほとんどが老人性かコンタクトレンズを永年使用している人が来院します。ハードコンタクトでは数年でも起きます。ソフトコンタクトでも出し入れの仕方次第で起きます。実はコンタクトレンズ性のうち加齢性とされたりして放置されているケースが多い様です。コンタクトレンズは眼科医で検査して処方しますよね。視力は変遷することが多く、定期的に合わせたり、定期健診も受けますよね。普通、毎回見ていて眼瞼下垂状態になったら気付くはずです。でも、コンタクトレンズを処方する際に、眼瞼下垂を生じる可能性を説明する眼科医はいないわけで、コンタクトレンズ性の眼瞼下垂を眼科医が診断するのは、気まずいわけです。そういうわけで、私たちを受診するコンタクトレズ性の眼瞼下垂症の患者さんも、こちらが指摘して初めて知る方が多いのです。

ところでコンタクトレンズ性の眼瞼下垂症と、加齢性の眼瞼下垂症の相違は?。

コンタクトレンズ性はほとんど全例、腱膜性を含みます。ハードでは数年からでも、ソフトでも10年前後から起きる人がいます。なので、腱膜性眼瞼下垂症で若年者では、コンタクトレズ性が疑われます。逆にいうと、若年者でコンタクトレズ装用者や、アトピーでよく瞼をこする癖のある人など慢性物理的刺激のある眼瞼下垂症患者さんは腱膜性が主体です。ここで、無治療のまたは治療したが、再発した先天性との鑑別が必要になります。その点は次回とします。

加齢性とは、だれでも皮膚は伸びてくるわけで、皮膚性眼瞼下垂は自然に必ず起きてきます。前に、「一重まぶたと二重まぶた」の際に記しましたが、一重まぶたの人はもともと皮膚が落ちているので、二重瞼の方より早く症状が出ます。私の経験では10~15年の差があります。また先天性筋性の眼瞼下垂の方は、一重まぶたの人が多いのです。加齢性の中に永年の慢性的物理的刺激があり、腱膜性眼瞼下垂症を伴う方も数多くいます。

さらにあえて言えば、これまでにも何度も記してきましたが、一重瞼とは皮膚性眼瞼下垂ではあります。正面視でまぶたの縁が(睫毛の根元が)見えない状態ならば、挙筋がどうであっても、つまり瞼縁が正常に開いていたとしても、眼裂は小さいわけで、眼瞼下垂です。ましてや、眉を挙げて前を向いたり代償が働いているなら、症状がある眼瞼下垂症ではあります。

お解りいただけましたでしょうか?。私達開業医に来院するのは、老人性、コンタクトレンズ性それに先天性の重症以外が ほとんどです。そして皮膚性眼瞼下垂として、先天性一重瞼の方も多くいらっしゃいます。但し、これらの組合せの方も多いので、診断に苦慮します。

美しい目の解剖

洋語の説明のついた図では意味がないので、次回ご説明します。

それは、治療法の説明には解剖的構造が重要だからです。次回治療法の紹介をいたします。

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