2016 . 3 . 22

鼻翼縮小は計測が生命−患者さんは戻りを楽しんでますが、定着に向かっています−

切らない鼻翼縮小術の経過を、とにかく数字でお示ししています。形態の評価は患者さんの主観に任せます。まずは画像と数字を!

DSC00555術前:鼻翼最大幅39mmDSC00560術前下面像DSC00561術前計測DSC00566術直後:34mmDSC00590術直後下面像DSC00565術直後計測DSC00021術後1週間:37mmDSC00201術後2週間:37.5mm

このような数字的変遷をたどっております。数字的なカーブから推測するには、そろそろ戻りが無くなりそうです。では患者さんはどのような感想を訴えるのでしょうか?。これがまたころころ変わります。

術前に計測して39mmなので、私がまずびっくりしてあげました。内眼角間距離が35mmなので、アンバランスであることも説明しました。同数を求めるなら術直後は30mm以下にしておく必要がありますが、シミュレーションするといくらなんでも見られたものではない。そこで34mm程度にしておくことにしました。術中にはまず35mmにしてみて見せました。するとさっき前は納得していたのに、「もっとしてみて!」との訴え。32mmにしてみて見せると、今度は「やりすぎちゃう?」と、迷う。結局34mmにしました。それが術直後の写真です。この手術の時間中は楽しそうに大騒ぎしていました。

翌日聴くと、「まあやっぱり、これでよかったんちゃう?」とか言いながら、「まだまだもどるん?」と私の意に反して戻りを期待している様子。つまりこの時点では、オーバーだと自覚しているらしく、マスクしていました。

さらに1週間目に来院するなり、「やっぱ、小さすぎたも。拡げたんよ!」とか言って、鼻に指を入れて広げたそうです。「エエッ!、痛くないんですか?」と思わず笑ってしまいました。確かに数字的には、急激に戻っています(上画像)。でも患者さんは「これでええんちゃう?」とか言ってニコニコ!。私としては1週間での後戻り量よりは多めだと思いますから、どんだけ戻るか、元の戻らないかが不安でありました。年のため「このサイズでいいでしょ?。もう拡げなくていいですよね!」と言い含めておきました。

今回2週案目で計測したら、さらに0.5mmとわずかに戻りました。でも正直なところホットしました。もう止まりそうです。患者さんも「これでいいんちゃう?。写メあるのよ、やっぱり最初はやりすぎだったのよ!」とか言って、行ったり来たりしたのなんか忘れて悦んでいました。まだまだ、変遷するかも知れないのにぃ~。と心の中で言っていると顔に出たのか。患者さんは察して「実はね。来週多くの人前にでるのよ。その時が大事!」とのこと。それなら確かにサイズも丁度いい。サイズを気にしなければ、ダウンタイムも無い手術だし、よかったよかったでした。

アッまだまだ中期経過での変化はあり得ます。3か月まで診て二回目をすれば、支える本数が増えるから戻りは少なく、変化量を2回に分けるから周囲の目が慣れるから、目立たないでできる。もちろん複数回ではコストダウンのサービスにも応じます。

まじめな話:1、鼻翼の最大幅は、アジア人の平均値は白人より大きい。だから鼻翼縮小術は全国民が適応します。もっともアジア人では顔の幅がある人が多いので、鼻だけ縮めるとバランスが崩れます。そこで基準としては、内眼角間距離と同じだといいバランスとされます。もっともアジア人では内眼角間距離が離れている(つまり眼の横が小さい)人が多い(特に一重まぶたの患者さん)ので、これも修正した方がいい場合には目標数値が変わります。まあとにかく、35mm以下にしておいた方がスマートですよね。

2、さらに加齢変形としても拡がる人が多いので、若返りの要素もあります。この部位の加齢変化量はかなり個体差がありますから、数字的評価は割愛します。

3、鼻翼縮小術には、外を切り取る方法と、中で寄せる方法の二種類に大分されます。適応があります。鼻翼の頬との境の溝が最大幅の人は、これを寄せたいので中に糸を入れて寄せる手術かそれに鼻の孔の底の皮膚も切除する手術が適応しま。鼻翼が丸く横に張り出していて、溝より外にある人だけが外切除、つまりその丸く余計な部分を三日月形に切り取る手術が適応します。

前者の適応するケースの方がすっと多いと思います。約70%くらいでしょう。でも糸で締めるだけだと必ず後戻りがあります。締めた量の半分が戻り、定着します。あくまでも平均値ですが、本症例では現時点でそうなっています。何といっても、糸の手術はダウンタイムが無いに等しい手術です。後戻りが多い際には、追加すれば2本になれば後戻りが少なくなります。通常2回目はサービスしています。ダウンタイムが無いので何回も受けられます。

後者の方法は、適応症例に行うと恰好よくなりますが(例えば私などの男性症例)、非適応症例に行うとどうなるか?、鼻翼が小さすぎるとと、ウサギと形容されるようなペチャッとした鼻になります。私たちが見るとなんか違うなと判ります。そして、傷痕は目立たないのですが私たちが見ると判りますから、診ていてピンと来たら傷跡を探してしまいます。とにかくこの手術が適していない症例にはしてはいけません。それに治す方法は移植しかないのですが、取って着けたようになります。その場合も我々が診ると直ぐに判ります。それにダウンタイムも糸が1週間ありますし、傷跡が目立たなくなるのに一般的に数週間かかります。

まれに前後者の併施が適する症例がいらっしゃいます。同時施行はこちらとしてもやり易いので、これまで数例で行いました。でも、何度も言いますが丸く張り出した鼻翼の人だけが適応です。

追加として内側に寄せる際に今は糸だけでしていますが、10年前までは鼻の中の余った粘膜を切り取っていました。すると後戻り量が減らせます。と言っていましたが、実は後戻りします。それに切除縫合すると、ダウンタイムが格段に長くなります。なのでこの10年間はしていません。

そしてこのように、経時的に数字的に計測していき供覧していくことにしました。そうして患者さんに後戻りの平均値と定着時期の平均値を提示していけば、ダウンタイムが無いので、誰でもが受けることができる簡便な手術であるといえます。複数回の症例も多いのです。まるでヒアルロン酸などの注入のような感じです。

何はともあれ、症例の経時的変遷を提示してくことが、私たちの務めです。次回をお楽しみに。