2016 . 5 . 18

ハムだかソーセージだか知らないが、これは治したい。こんな感じでいい?。

こうしてしまうと修正が難しい。それでも少しでも良くしたい。当然症例患者さんは求めて迷い歩きます。運よく当院に辿り着いたので、私は「これは困りますよね。どうにかしましょう。」と、問いかけました。

症例は26歳、女性。5年前新興の(若い=経験不足)美容皮膚科的クリニックで重瞼術埋没法を受けたのち、眼をもっと大きくしたいとの希望で再診したら、何故か切開法でやたら広い二重にされた。

もちろん根本的には、切開法での修正術の適応ですが、患者さんの希望も有り、ダウンタイムの養成でもあり、敢えて今回はハム状態の解消法として、切らない眼瞼下垂手術=黒目整形=NILT法を利用します。

8mmで切開されていて、LF11mm。眠そうでハム状態と見える。早速症例を提示します。左が術前、右が術直後です。

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今回は症例の紹介だけにしようと思いましたが、簡単に説明します。 ハム状態とは、ボンレスハムみたいに、糸で縛ったように重瞼の食い込んでいる状態を言うそうです。ボンレスハムにたとえてハム状態というのです。

そして、術後一週間が経ちました。左の術前と比べてなんか違ういい感じです。

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もちろんまだ、糸の入った点が喰い込んではいます。でも左の術前画像では、無理に上向きに撮影させているのに対して、右の術後1週間の画像では、楽に前を向いて撮影されています。見方によっては涼しげな目元に近づいています。アッそうです。ハム状態では上目使いにすればハム状態が隠せるから、キツい目付きになりがちなのですね。すずしげな目元とは、力を入れないでも楽に開く、開くから、重瞼が広く見えない。その結果ハム状態が目立たなくなっています。

どうでしょうか?、切らない手術でそれなりの結果が魅せられたのではないでしょうか?。この手術の新しい有用性をお示し出来た事と思います。黒目整形と称していても黒目が涼しげに見えると言う結果です。

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そして、2週間目が来ました。2枚の写真を提示します。表情の自然な画像が撮れました。なんか和らいでいます。幅を比べても余り変わらない様に見えますが、そこは眼瞼は動期が豊富な部位です。動的=Dinamicな形態が見られる部位です。つまり運動機能が形態=美容に関与する部位なのです。そこで、もう二枚画像を。

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顔位によって眼位が違います。

左の画像は術前ですが、顔を下に向けているためカメラを見る為に眼球を上に向けています。上目使いという状態です。たぶん患者さんは幅を狭く魅せてハムを隠そうとする癖があるのでしょう。または目元に自信がなく、精神的に顔を上げない癖がついてしまっているのかも知れません。結果として術前はこのように写りました。

比べて、右の画像では顔位を上げています。顔を正面に向けています。そして、何となく(不随意に)楽に目を開いている様子が伺えます。挙筋を強化したので力を入れないでも開く様になったからでしょう。実際患者さんも「楽に開く様になった。」とおっしゃっていました。私も図に乗って「楽に生きられますよ。」と言いました。でもそうなんです。要するにハム状態は眼瞼下垂状態が本態の一つです。少なくとも本症例では、形態的&機能的に50%以上の影響を及ぼしていたと考えられます。さらに眼瞼下垂状態では交感神経過剰を伴うため、キツい顔貌になります。結果として、精神的&社会的も不適合状態を影響していた可能性が大きいと考えられます。

よく父が言っていました。「美容外科は社会的適合を求める医療だ!。」その通りだと思います。本症例患者はルックスを重視する仕事なのに、引け目を感じていたのでしょう。つまり社会的に不適合な状態を生きて来た事になります。可哀相です。術後の状態が涼しい顔つきに見られるのは社会的に良好化した証拠であるといえるでしょう。

ところで父が登場したので思い出しましたが、昔の美容整形時代の重瞼術では(父は)、今思い出すとハム状態を多発させていました。50〜25年前の重瞼術は技術的(術式)に、頻発していたようです。何故かと言うと、父は「切開法の重瞼術は絶対取れない様にがっちり止めるべきだ。」とほざいていた様に、本当にがっちり癒着させています。その結果ハム状態が頻発するのです。私は目の前に反面教師がいるから、美容外科医として25年間、ハム回避法やハム状態脱出法を研鑽してきました。事実、父がハム状態にしたのを私が治した患者は10名は下らないです。他院からの修正もよく来ます。だって有名なT先生(父を崇敬していました。)なんか、手に負えなくなると紹介してくるのですよ。他にも見続けている患者さんで気になる人はいます。なお、本症例の前医は古い美容整形屋ではないようですが、頭が古いのでしょうか?、勉強不足なのでしょうか?。いずれにしても、こんなレベルの美容外科美容皮膚科医が跋扈しているのが現状です。皆さんも引っかからない様に注意しましょう。一度こうなると、そんじょそこらの美容屋では手を出してくれません。

更なる改善はメイク時の状態を見て検討したいと思います。メイクでハムはごまかせるからです。更に、切開すればより自然な形態機能に出来ます。私はこの分野で長年研鑽していきましたから、方法論を持っています。

次回をお楽しみに。