2016 . 8 . 3

ハム状態は治したい。難しいんですが、でーきたかな?!

こうしてしまうと修正が難しい。それでも少しでも良くしたい。運よく当院に辿り着いたので、私は「これは困りますよね。どうにかしましょう。」と、問いかけました。

症例は26歳、女性。5年前某美容皮膚科的クリニックで重瞼術埋没法を受けたのち、眼をもっと大きくしたいとの希望で再診したら、何故か切開法でやたら広い二重にされた。

8mmで切開されていて、LF11mm。眠そうでハム状態と見える。早速症例を提示します。左が術前、右が術直後です。患者さんはいつも、一生懸命力を入れて目を開いてハム状態を隠そうとしている。

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今回3ヶ月目に完成状態を見せてもらいました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAよく出来ましたというところです。力を入れないでも目が開く様になったので、優しい目元です。

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接写画像でもきれいです。

実は、切開手術の術後修正は、一般的には切開法の適応です。もちろんそのように提案しましたが、取り急ぎ少しでも良くなるように切らない眼瞼下垂手術=黒目整形=NILT法を試行しました。

ハム状態とは、ボンレスハムみたいに、糸で縛ったように重瞼の食い込んでいる状態を言うそうです。ソーセージの節の縛りみたいじゃ話にならないので、ボンレスハムをたとえて言うのだそうです。

ハムとは?。1、重瞼線の下の皮膚が余って膨らんでいる。2、喰い込みが強い。3、軽度の医原性眼瞼下垂である。これについては、前医の術後生じたかは不明ですが、下垂ではあります。

そこで修正法ですが、切開すれば3点を治せます。1、重瞼線の下の余った皮膚を切除する。膨らんだ眼輪筋を削る。2、固定を一度剥がして距離を持って止め直す。3、眼瞼下垂を治す:剥がれているなら挙筋腱膜を修復する。瘢痕性に弱いなら、短縮を加える。

そして、埋没法といっても切らない眼瞼下垂手術=NILT法なら3、の下垂だけは治せます。現にシミュレーションしてみると、ハムを半分隠せました。眼を閉じたらおんなじですが、眼を開いたら目立たなくできました。そして、上に載せたようにできました。術直後は喰い込みはむしろ強いのですが、必ず緩んで丁度よくなります。

実際術後経過と共に、綺麗に治りました。3ヶ月目に来院して頂いた際には、一瞬違う人かと思うくらいに綺麗でした。メイクして頂いているからでもありますが、目がパッチリ開いて、二重も広過ぎない。近接画像で見られる様に、瞼縁にアイラインを書いて二重線の下の皮膚を狭く見せていますが、実際それでカバー出来るくらいの広さに出来たと言う事です。

自然状態で広い二重の人は居ます。私も最高位の二重です。そんな人がノーメイクですと、時に眠そうな目に見えます。そうです。開瞼の程度と二重の下の露出幅は相関します。二重が広くても、開瞼が良好なら、狭く見え眠そうに見えません。二重が広くても開瞼が伴わないと眠そうに見えます。つまり二重が広いなら、それに見合う開瞼力が無ければ眠そうだったり、ハム状態が見えたりしてしまうのです。逆に言えばメイクすれば、狭く見せて開瞼が良好に見せられる場合もあります。

その意味で本症例では、切らない眼瞼下垂手術=黒目整形=NILT法で開瞼を強化して、広い二重を隠してハム状態が解消出来ました。更にメイクで補助しています。

なお本症例も当初は、いつかは切開して根本的に治したいかもと言っていましたが、3ヶ月目には「いらないね!」って私も言いました

 

今回は経過の説明だけにしようかと思いましたが、大事な事なのでもう一度説明します(コピペですが・・)ハムとは?何がそうさせたのか?、もうお判りでしょう。若い経験不足の美容整形屋=非形成外科=たいていチェーン店出身の医師がやってしまうんです。ひとことで言って下手!。医学的に説明すれば、3つの要素が重なった結果です。

まずデザイン:瞼板の高さは日本人では最高でも8mmです。瞼板の上縁にある挙筋腱膜から前に枝分かれするコラーゲン繊維が二重の引き込みを作るのですが、つまり瞼縁から8mmの高さまでの皮膚を引き上げる構造が二重まぶたです。コラーゲン繊維の代わりに糸で代用するのが埋没法で、瘢痕のコラーゲンを作って構造を作るのが切開法です。ところが、皮膚側を8mm以上にデザインするとどうなるか?。重瞼縁の下の皮膚が余ります。これがたるむというか膨らむのがハム状態の一態です。 膨らむのはもともと眼輪筋が厚いのも原因となります。厚みと喰い込みの段差が目立つからです。

次に固定が強すぎるためというか、近すぎるからです。皮膚表面から挙筋腱膜までは深さというか距離があります。ばらつきはありますが、約5mm前後です。ですから繋げるのに、長さを持って結びその面に瘢痕性のコラーゲン繊維ができてくるようにするべきです。ところがそれでは瘢痕がうまくできないときもあります。私も経験があります。要は匙加減です。私も美容外科医師歴28年間試行錯誤してきました。若い医師は緩すぎて外れると怖いのできつくする輩がいます。特にチェーン店上狩りの奴は切開の経験が少ないので、切開法の初心者の頃にやりがちです。昔は取れないように、あえて挙筋や瞼板と皮膚を調節縫い付ける方法を行う医師が多かったのです。父の時代はそうでした。昔の芸能人にハム状態の二重が多いのはそのためです。私は父が存命の頃「いまどきそんな手術したら笑われるよ!」って口を酸っぱくしていました。アッ脱線した。歴史のテーマではなかった。とにかく、距離を持って止めないで癒着させると、眼を閉じても二重になります。これがハムの本態です。自然の二重瞼では、眼を閉じたとき折れ返り線はあるにしても喰い込んでいません。

もう一つ手技上の問題があります。挙筋腱膜を痛めるまたは瘢痕化させて筋力低下を来たす。これは医原性眼瞼下垂といいます。切開法の際に挙筋腱膜を露出しなければ固定できないのですが、その際に挙筋腱膜を瞼板から剥がしてしまった痕をたまに見ます。もちろん手技上の拙さですが、チェーン店では時間のためです。コマーシャリズムのために他の倍の手術量をこなすので、半分の時間で手術するから、ゴリゴリ削ってしまい挙筋腱膜を剥がしてしまうのでしょう。とにかくチェーン店での後の修正例に多いのは確かです。もう一つは、がっちり止めた結果として挙筋腱膜表面に瘢痕面ができたため、スライドしなくなるために眼瞼下垂を呈することがあります。修正時に開けてみるとがちがちに固まっていることがあります。これも医原性眼瞼下垂の一形態です。ところでその結果に起きることは軽度の眼瞼下垂状態です。そのため重瞼線の下のふくらみがより目立つのです。ハム状態を余計に目立たせるのです。

そういう観点から本症例を診れば、「その通り!」と見えますよね。