2016 . 9 . 6

眼瞼下垂症切開手術と眼頭切開(拘縮解除術)で黒目整形の一種の3か月後。=キレイね!=

当院の売り!、黒目整形が大流行となっています。こうなれば切開法も黒目整形の一種だと主張し、さらに眼頭切開=蒙古襞の拘縮解除術=Z-形成法も黒目整形の一種だとしてしまおうと考え、提示症例とさせていただいています。症例提示が続いたら、来院症例もひっきりなしです。症例の経過を経時的に追っていくのが私の務めですから、まだまだ終わりません。通例3ヶ月までは提示していきます。お一方の完成をお見せします。

症例は31歳、女性。チェーン店系でこれまでに3回埋没法を受けたが戻ってしまう。保険で切開をすすめられたがチェーン店系では危ないので、形成外科を標榜している当院を探してきた。挙筋滑動距離は15mmと充分あり、先天性筋性眼瞼下垂ではないと考えられるが、眉を挙げていることから後天性眼瞼下垂ではあり、その本態は軽度腱膜性+一重まぶたによる皮膚性が主体と考えれらた。また、眼裂横径25mm、内眼角間距離36mmと横が小さく、蒙古襞が突っ張っているので眼瞼下垂の原因の一つになっていると考えられた。

いつものやつを提案し、保険での切開法眼瞼下垂手術に自費での眼頭切開を併施するのがふさわしい診断したら、患者さんは積極的に提示症例を承諾されました。

今までに埋没法で作ったことのある跡のうち一番上のライン=約6mmのラインを選択し、3mm切除し、LT法を加える。4mmのZ-形成法による蒙古襞の解除をつなげてデザインしました。

下に術前、術直後の画像を提示します。

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続けて術後1週間、2週間の画像です。

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術後1週間では、術直後より48時間後の方が腫脹が強くなりました。患者さんがそう言います。術後1週間では腫脹がピーク時の50%は残っていますから、術直後より腫れていることもあります。

そして、2週間目です。瞼縁はよく開いていますが、重瞼の下の腫脹が長引いています。そのため二重瞼が広いです。これからゆっくり引いて来て丁度良くなります。

そして6週間が経ました。下の画像です。メイクをしたまま撮影させてもらえました。

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腫脹はかなり軽減して、創跡も目立ちません。まあラインはちょっと、と云われましたが・・。

こうして、術後3か月目となりました。アイメイクは軽くして来院されました。これはこれで可愛い目元でしょ?。術前の画像と比べての印象は、前頭筋が収縮して眉毛を挙げているかどうかの違いが大きいでしょう。その点だけでも、印象は大きく違います。眉を挙げていると疲れて見えるし、年寄臭く見えます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこのように軽く眉毛を挙げているくらいが自然な感じです。それが優しい表情で、可愛い雰囲気を醸し出すのです。

ところで、目頭=内眼角の蒙古襞の突っ張りは解消しています。このところ続いている切開法の重瞼術にZ−形成による蒙古襞解消術についてはこの様な経過です。術後早期には腫脹もあり、創跡の拘縮も生じるために内側方面の開瞼が足りない事が多いのですが、やはりお約束通り改善しています。内側から外側に掛けて丸く挙がっています。近接像でお見せします。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA術前

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA6週間

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA3か月

本当に眼頭切開したのですか?って言うほど傷跡が目立たなくなりました。Z-形成法による蒙古襞の拘縮解除術をすると、効果は充分なのに、目立つ傷跡がなく、リスク―ベネフィットバランスが抜群です。これまで何例か、他院での眼頭切開=切除の術後修正を載せましたよね。これまでの眼頭切開は主に切除によって、被さった皮膚を除去するだけの手術法です。私も昔(約15年前まで)はしていました。1998年にZ-形成法による内眼角形成術の論文に出会ってから、今までほかの手術法をしたのは数例しかありません。

蒙古襞はかぶさりであると同時に、突っ張りなんです。眼頭部で皮膚が下に繋がっていて、皮膚が被さるとその皮膚が突っ張っているから開きにくいので吊り目になるので、形態と機能を障害しているというのが本態です。

これまでの蒙古襞の切除による手術法=Wー形成法や三日月型切除法では、縦方向の拘縮を解消できないため、開瞼の向上が得られません。しかも三日月型の陥凹した傷跡が目立ち、縦の傷跡の瘢痕拘縮を生じてより突っ張ってしまう症例を散見します。たいていの場合、私は三日月型に蒙古襞切除を受けた患者さんを診ると判別できます。もちろん聴いてみますと当然チェーン店で受けています。いまだに三日月型切除を行っているクリニックが多いよいうか、いわゆるチェーン店の美容整形屋は形成外科出身でないため、Z-形成の経験がなく、三日月型切除しかできないレベルなのです。見るたびに残念な思いをして、何とか治してあげたくなりますが、難しい症例が多いののが実情です。

10年前の日本美容外科学会JSAPSで池田先生と議論しました。眼頭切開は蒙古襞の拘縮を解除することが重要だとの見解で一致しました。私はその前からZ-形成法で眼頭切開を手術していましたし、池田先生も既にしていました。この美容形成外科医は判っているな!、できる奴だな!っと思いました。その後当院で一緒に診療するようになったきっかけの一つでもあります。今やこうして、その有用性を広めてみなさんに悦んでもらえています。こうして安心をお届けしています。

吊り目が解消して、瞼縁の内側が丸くなりましたから、これも可愛い目元の所以でしょう。自然で素敵な目元です。経過も他院での蒙古襞切除とは違い楽です。しかも効果があります。目頭切開は週に1例以上していますが、どの症例も良好な形態と機能を呈しています。特に最近症例が多く評判が良いので、自信を付けました。皆さんこんないい手術を受けない手は無いと思いますよ。形成外科医でなければZ−形成は出来ません。でも形成外科医は目頭切開の経験が足りませんし、むしろ嫌う医師も居ます。私達の様に形成外科と美容外科を診療しているクリニックは稀少なんです。

創跡は消えるに等しい。しかも効果は丁度いい。自然な形態と機能を作り上げられます。開瞼が適切で蒙古襞が適度にあるのが、自然に存在する日本人の二重まぶたです。この為には併施がよりよい選択であるのは皆さんご理解いただけるでしょう。

これまでも書きましたが、本症例では外側の皮膚の上りが不足といえば不足です。よく見ると左の外側の重瞼が弱い。一見すると内側が広く見えますが、これは好みです。そして外側を持ち上げてみると、引き込みが弱い。更に言えば、眼窩外側の骨が突出しているタイプ。厚みが感じられ、引き上がっていない。通常は瞼板の最外側に重瞼固定するのですが、それより外まで引き上げたいタイプでした。いろいろな症例があり手技の選択は難しいのですよ。敢えて2次的手術として、もう1カ所外側を掛ける事は出来ます。私の開発した手術ですが、初回手術では定型的には行いません。これまでに他医の後に5例、私の手術の後に追加として2例だけです。経過観察中に検討してみたいと思いましたが、今は時間が取れないそうです。

そうはいっても、かなり良い経過で、一言「キレイな目元!」にできました。その意味でも、もう少しフォローしていきたい症例です。