2017 . 9 . 25

男性こそ眼瞼下垂じゃあ、恰好つかないぜ!男を揚げよう!

男性をブログに提示する機会が少ないのは、男性の患者さんが多くはないからですが、実は最近増えています。ブログ提示症例を見て経過と結果が判るから、診療と手術に臨むスケデュールを立てられるからでしょう。なんと言っても眼瞼は重要です。目力は男の武器です。

症例は25歳、男性。一流企業の会社員。先天性一重瞼で治療歴無し。LF12mmと正常下限値。前頭筋収縮しない代わりにChin upする。眼裂横径(二重瞼者の平均値27㎜:一重瞼者の平均値25㎜)は24㎜と小さい。内眼角間距離(二重瞼者の平均値32㎜:一重瞼者の平均値35㎜)37㎜と離れている。角膜中心間距離は60㎜と平均値であるから、蒙古襞が被さっている形態が判る。したがって機能的にも当然に拘縮を伴っている。

いつものやつになりますが、一重瞼を二重瞼に改良して皮膚性眼瞼下垂を修正して、挙筋筋力の伝達を向上する為の腱膜修復術を行なうならば、蒙古襞の被さりと適度に解消し拘縮を解除するZ−形成法による目頭切開は併施すると自然な状態に改良できます。何度も言いますが、人間は二重瞼で眼瞼下垂症がなく蒙古襞は適度に被さるのが自然な形態で正常な機能を呈するのです。変異は修復するべきなのです。デザイン:切開は末広型で中間位の5.5mmラインを設定。切除は最低量の2㎜は要します。一重瞼と二重瞼の差異を無くす為の量は一辺4mmのZ−形成が適切です。

下の画像は術前と術直後の両眼瞼部。

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いつもの様に術直後は目を顰めて撮られます。本当はもっと開きます。ついで術後1週間での抜糸直後の画像を見ましょう。

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術直後の画像では、眼瞼挙筋に力を入れてくれたのはいいのですが、前頭筋が動ないから、にらんだような写真となりました。前頭筋が収縮しないのはミューラー筋が反応していないからと、前頭筋にも局所麻酔が廻っているからです。術後数時間で前頭筋は不随意に収縮を始めます。ご覧の様に、自然な眉の動きに戻ります。では眼瞼の開きはどうでしょう?。普通に開いています。皮膚は被さっていません。まだ目力が充分に入っているとは言い難いのですが、それは腫脹等の経過中だからです。出来上がりが見えてきました。

下の近接画像でも同様の経過です。

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術直後には挙筋を縫縮しているので、緊迫されるのです。だから、開瞼時に挙筋に随意的に力を入れない様にする患者さんが多いのです。自覚症状は消えていきます。形態的には予定の手術が出来ました。吊り目で目の窓が小さいくらい印象となります。目がパッチリしているとその人はキラキラ輝いて見えます。視野が広く見えるからでもあります。逆に瞼縁は挙がるのに一重瞼で皮膚が被さっていると防御的;Defensiveに見えます。溌剌と生きる力が見られません。

私は常々提唱してきました。眼瞼は、二重瞼で眼瞼下垂状態でなく、蒙古襞が突っ張った吊り目でないという形態と機能が、社会的に有用性が高いと考えられます。これは美容だけの観点ではありませんが、美容医療とは、社会との適応性の向上を第一の目的にすると考えます。

とはいっても、術直後の画像では疼痛と局所麻酔の影響で、Defensiveな顔貌を呈していました。術後1週間で和らいできましたが、まだ撮影時には硬い画像となりました。動的にはいい表情になりました。今後の経過を待ちましょう。