口周りの手術が多くて楽しいです。ブログに載せる症例が多いからです。術直後の経過はすごいのですが、症例を重ねる度にダウンタイムは短くなってきています。術後経過を沢山診てきているから説明が適切にできて、その結果患者さんが安心して落ち着いて術後をやり過ごせるから経過が早いのです。患者さんもブログを見て予習してきて下さるので、手術内容と術後経過を理解されているからです。最近術中から言い含めますが、精神的な安心感は体調を安定させて、術中の出血や術後の腫脹を軽減させます。実際最近の症例では出血も少なく、術後1週間で抜糸する際には形の良さが見えています。さらに術後2週間には本症例の患者さんは美しく登場されました。元が美しいからですが、内面的な美人度は100点だと感じられるタレントで、外面的な美人度は75点だったのが、75+5×4=95点というところです。
口周りとは、口の上と下ですが、口の上は言うまでもなく白唇部で、毎日の様に白唇部切除術を行なっています。口角は付随して同時に挙上する事がほとんどです。更に白唇部は鼻の下ですから、鼻翼と鼻尖の位置関係も口周りの印象に影響します。それに切開線が一部併用出来る部位でもありますから、併施するメリットがあります。口周りの形態改善の集大成として、今回唇鼻の同時手術を行なうことになりました。唇を治したら鼻が気になる症例は今までもありましたが、同時手術は初めてです。疲れたけれど楽しかった。
症例は35歳、女性。契約上口周りしか画像提示出来ませんが、目元が美しく、顔立ちは美人です。内面的にも美人の要素を持った人です。所作が色っぽい女性です。診察所見上、白唇長=鼻柱基部〜弓の底:18㎜、白唇から赤唇への湾曲は綺麗ですが、長いものは長いから、傾斜がなくもたっとしている。上に書いた様に内眼角間が29㎜と目は離れていなくて美しい。鼻翼幅を計ると37㎜あり、やはり治したい。比して口唇幅が40㎜と寂しい。 いくつかの問題点を一気に治しましょうということになりました。
上右図の如くのデザイン。鼻下は白唇部です。両側の鼻翼基部の間を幅5mm切除します。外反を求めないので、皮下脂肪全層=口輪筋のすぐ上まで同幅で切除します。口輪筋は縫縮して、5mmの半分の2.5mmを寄せます。真皮縫合でぴったり合わせて、皮膚まで合わせて3層縫合します。 術前の画像で見られる様に口角の高さに差があります。したがって口角挙上のデザインは左右差をつけて、右は40度6mm、左は45度5mmとしました。デザインの図でわずかに差が見えますよね。下面から見ると、鼻翼の幅があり、付け根の幅と張り出しの幅が同じくらいですが付け根を寄せたら張出しが目立つので、予め鼻翼の外側を三日月形に3mm切除します。鼻翼基部から上に切り込んで幅2.5mm切除し、両側鼻翼の間の鼻腔底は骨から剥離してトンネルを作ります。持ち上げた両側の鼻翼そのものに糸を掛けてトンネル内に皮弁を入れて35mmに引き寄せます。
術直後はご覧の様に、いつもより更にすごいことになりました。でも形態は予定通りに出来ました。上右図は翌々日です。「48時間がヤマです。」と宣するとおり腫脹が軽減し始めて、創から滲む出血が治まりました。既に口元がすっきりと見えてきました。
下に術後1週間の抜糸直後の画像を並べます。鼻翼のサイズは34㎜に留まっています。
下に術後2週間の画像を並べます。要望に応じてか?、メイクをして来院されました。
右斜位像では明らかに白唇部が短くなって外反していないのに、傾斜が可愛くなって、赤唇部の中央がちょんっと出てセクシーです。術後2週間では腫脹が取れてきて、口唇の厚みが見られませんが、私が診察した際の動く口周りは相も変わらずきれいでした。左側面像では、赤唇部の外反は軽くても傾斜が丁度いいです。腫脹で白唇部がモコっとするのはいつもです。もちろん運動は低下しています。術後2週間で運動はほぼ正常機能でした。何といっても間延びした感が無くなり品性を感じさせます。もちろんエステティックラインゼロ以下が品性を醸し出しますが、マイナスだとセクシー感に欠けます。ゼロが色っぽいのです。
本症例患者さんは精気にあふれる素敵な人です。だから動的形態の回復も早いのでしょう。組み合わせ手術のダウンタイムは腫脹と内出血が大きく、疼痛も加わりトーヌスが落ちている間は動的形態も静的形態も出来上がりではありません。4つの手術をすれば普通に考えれば長くなりそうですが、本症例患者さんは美人なので、意外と早く治ってきました。もう一度術前と術後2週間の画像を並べてみます。
上段に術前と術後2週間の正面像です。笑みを湛えているかのようです。艶っぽいです。
下の列が術前です。
下の列が術後2週間です。お願いに応じて”紅”を引いてきて下さいました。
どの方向から見ても美しい!。口唇がすっきりして、赤唇がちょっと外反して乙女チック!?。外鼻は下面像で見られる様に小さくなっただけでなく、相対的に高くなりました。他方向からでも判ります。傷痕は近接して見れば判りますが、社会復帰は可能だそうです。
実は遠方から来院されますから、私は毎回「遠くからいらっしゃってもらってお疲れ様です。」と労います。素敵な人には礼を尽くします。でも、患者さんは「いいええ!。見せに来るのが楽しみなんです。」と優しく返してきます。私は「見せてもらうのは予定通りですから申し訳ないのですが、写真を頂きます。」と型通りにお願いしながら、「こんなに素晴らしい手術をして、こんなに素敵な経過を見られるなんて、楽しくて仕方ないですよ!。美容外科冥利に尽きます。」と惚れています。(尚、診療結果にです。艶っぽいので惚れそうですが抑えます。)
どうも、口周りの手術の患者さんはセクシーな女性が多い。やはり”ものをいう”のは口元なのです。白唇が長いとスケベ―顔と表現されますが、短くなり赤唇に掛けて傾斜が付くと、一歩進んで色気を湛えるのです。それに今回は鼻翼縮小も加えましたから、赤唇の中央がキュンっと出て、私がいつも言う「キスしたくなる唇が理想でしょ?」になるのです。
鼻翼のサイズは、希望に沿って無理しませんでした。でも形が綺麗。鼻翼の中心より下が最大幅なのがあぐら鼻ですが、本症例は軽いあぐら鼻です。術後は最大幅がの点が上に移動して、円弧のカーブが緩い鼻翼に出来ました。患者さんは、「きれーいですよね!」って色っぽく悦んでいます。「それだけの手術をさせてもらいました。」と私、「いやあーお疲れ様でした。」と患者さん。さらに私は「○○さんも。局所麻酔での4時間近くの手術は、患者さんは仰臥位でベッド上に寝ているだけで動けないし、疲れますよね。お疲れ様でした。」と診療の評価は二の次で術後2週間の診察を終えました。
色っぽくセクシーですが、実は知性理性にあふれる女性で、社会的にも知的作業の仕事です。そのような女性を彩色兼備というのでしょう。誉めてばかりでは診療にならないので、次回はちゃんと学術的な評価を致します。今後経過中に、さらに機能的改善が見られるはずです。でもタレント性の評価は美容医療の診療内容です。