2017 . 10 . 4

鼻翼縮小術の内側切除法を再開した久し振りの症例ですが、後戻りが起こりました。本来外側切除法が適応です。

今回は鼻翼縮小術を依頼された患者さんを御紹介します。実は3ヶ月前に口唇(白唇部)短縮術を施行した患者さんです。ブログにも載せました。大変満足されて、鼻翼縮小術を希望されました。

鼻翼最大幅は37㎜と大きく、内眼角間は28㎜と近く、バランスが悪いのです。ここは重要です。画像をご覧になると判ると思いますが、鼻翼が胡坐をかいています。下方が大きいのです。加齢現象で増大したのは、患者さん本人も認識されています。また口唇短縮術が影響している訳ではないのは、前回の画像を見れば判るはずです。

画像を見ると、鼻翼の張り出しも有り、鼻翼の付け根よりも丸く出ています。何度も言いますが、外側切除は適応が限られます。この様に丸く張り出している症例だけが適応します。丸く張り出していないのに外側切除を受けないで下さい。ただし、外側切除は当然に、創が出来ます。抜糸まではメイクで隠せません。ですから、にわかには受けられません。日程を立てなければ出来ません。

患者さんは鼻翼を治したいと考えました。ただし出掛ける機会があるそうです。外側は切開出来ないので、幅のサイズの減少を優先したいとの事。でも患者さんは勉強していて、戻りが有るのではつまらない。若年者では半分戻るのに対して、年齢と共に戻りが増える傾向が有ると、私は正直に言いました。症例は50歳代です。内側を切る案が出ました。一般的に内側切除+糸での縮小法のメリットを説明出来る医師は少ないです。内側切除は創が見えません。糸のかかった所も目立ちません。そこで先ずは切らない鼻翼縮小術+内側切除での後戻り防止術を施行する事になりました。

画像を提示します。先ずは術前の正面像と下面像。

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術直後の正面像と下面像。とりあえずいい形です。

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ルーラーを当ててサイズを確認します。最大幅32m

そして1週間を経て抜糸に来院されました。

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サイズは34㎜となり後戻りは最小限です。形態も胡坐鼻が丸くなって格好良いと思います。

ところが2週間後から後戻りしました。また今回別の面に影響が波及しました。本症例患者さんは3ヶ月前に私が、口唇(白唇部)短縮術を施行して良好な結果に満足されていました。笑顔の時に歯牙が垣間見えて品が良いと悦ばれ、しかも切開手術の割に術後経過が早く治り信頼されました。ところが鼻翼縮小の手術後には鼻孔底が縮小した分、口唇も横方向に寄せられて、余剰が出来て膨らみます。その結果口唇を挙上するのを邪魔します。笑った時に歯が出なくなったとの事です。それはこれまでの鼻翼縮小の症例でも起こりました。でも通常鼻翼縮小手術単独症例では、鼻が小さくなったことに目が行き、口唇に意識が回りません。

更に鼻翼縮小の手術は糸がかかっているために運動痛をしばらく伴います。鼻を動かす筋と口唇を動かす筋は走行が近く、不随意に同時に動きます。痛いから鼻も口唇も動かし難いのです。笑う表情もぎこちなくなります。通常は運動痛も糸が喰い込むまでの数週間で徐々に軽減しますが、個体差はあります。

敢えて外側切除を優先した方が良かったのか?、それとも内外U字切除をすれば良かったのか?。創が露出しているダウンタイムはクリアーできなかったのですよね。でも内側切除と糸による縮小;Medializationでは、機能的に動的形態的な影響が波及した結果ダウンタイムが生じたのです。

近傍で複数の手術をすると相互的影響がどの程度起こるかは、ある程度予想がついても想定外の場合があります。今回はダウンタイムが想定外に生じたので、お直しをしましょうと言うことになりました。今回時間が取れた様で懸案事項となった外側切除を追加することを承諾頂けました。

今回の画像を提示します。

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上の三葉は術前。

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上の二葉はデザイン。最大3㎜を下方の鼻翼基部の上を主体に取ります。前々回の白唇部短縮術の創跡は露光の関係で見難いですが、その一部を使います。

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上の二葉は術直後。局麻と腫脹で大きく写っています。

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上の二葉は創を魅せるUP画像です。今回の創は前々回の創跡に一致しています。

現時点では評価出来ません。とにかく取りました。張り出しがなくすっきりはしました。下方を取ったのであぐら鼻が解消して丸い鼻翼になりました。

次回経過をお楽しみに!