2018 . 2 . 9

男子も口周りは気になります。間延びした口元から締まりのある口元へ!。

これまで男子の口周り手術を載せたのは数名。全症例を数え上げても十名は居ません。何故かと言えば、第一に創跡を隠すのが難しいからです。第二にやり過ぎるとジェンダーを変えてしまうからで、女性が好きな私がその気になるとまずいからです。本当は私が女好きだからで、口周りの手術=主に上口唇(白唇部)短縮術+口角挙上術の組み合わせを希望する。または適応となる症例患者さんは、内面的&外面的に美人の要素を持つ人が多く、私が楽しいからです。これまで毎回書いて来ましたが、口周りの手術は美容外科治療の最終兵器となる場合が多く、だから他の部位が先天的に美的程度が高いか、他の部位をそれぞれ治療により向上している症例が多いからです。ご存知の様に、私は生まれながらに父親に仕込まれた生涯一美容外科医ですから、美容外科治療の結果としての美人を愛します。そんじょそこらの安っぽい若造美容屋とは違うんです。

別に男性患者さんを拒否している訳ではありません。男性のジェンダーの有用性を高める為に、美容医療を利用してもらいたいと願っています。実は特に、口周りの印象は男性にとって大きな意味を持ちます。いわゆるスケベ顔は社会的に忌避されがちです。だから男性というジェンダーにとっても、口周りの手術の有用性が高い症例があるのです。では男性症例を掲載します。

症例は23歳、男性。口元が間延びしてるのを気にして、本ブログを見い出すに到り来院。白唇長20㎜で長いものは長い。いきなり最大限の5mm切除を求められました。全顔画像は載せられないですが、普通のおとなしい顔付きなのに上口唇が間延びしている。顔面縦比は上顔面50mm:中顔面58mm:下顔面65mmで上口唇28mm:下口唇39mmで5:8より上が4㎜長い。エステティックラインもゼロに等しく口が出ているのではなく、上白唇は内反していない。その結果、男性なので外反は不要と考え、皮下脂肪全層で口輪筋上までの切除を予定しました。

顔面部品横比は内眼角間34mm:鼻翼幅36mm:口唇幅49mmで54mを目標にしても良いが、男性は大き過ぎるとうるさい感じになるので45度でなく頬骨隆起方向に約35度とした。術直前に良く見ると鼻翼が曲がっているが、切除量に左右差を付けると口唇が曲がってしまうので、特に小細工はしないでそのままスライドすることとしました。

画像を提示します。下に正面像の術前、術直後、手術翌日です。

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手術直後はすごいことになっているのはいつものことです。創に血液が付いているのは滲んでいるからですが、だらだら出ているのではありませんから、マスクで隠せます。そして手術翌日には創についた血液が凝固していますから、消毒で溶かして出来るだけ拭います。するとまた少し出血します。帰ったら一度洗ってもらうように申し伝えます。

鼻翼は必ず術後には一回引き下がり、拡がります。術直前に見つけた曲がりが強調されました。でも必ず元の位置に復すのはブログで症例の経過を診てきた患者さんはご存知です。

そしてまだ術後24時間以内の経過ですが微妙に変遷しています。それは多方向から見るとさらに認識できます。

下に両側面と両斜位の4画像を3列。術前、術直後、手術翌日の順にみて見ますと・・。

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今回術直後と翌日の画像を並べてみましたが、術後経過は24時間でも明らかに軽快傾向が見られます。白唇部短縮術の侵襲が強いので、腫脹は白唇部に強いのは当然ですが、赤唇部も腫れるのです。しかし翌日には白唇部の傾斜が落ち始めています。これは赤唇部が押し出していたのでしょう。いつも解説してきましたが、術後48時間までは腫脹や内出血は増量します。人間(専門外ですが、哺乳類全般もだそうです。)の身体はそのように出来ています。

ですが、本症例の翌日の画像を診ると、術直後より軽快しています。たぶん局所麻酔の影響でしょう。但しよく言う様に局所麻酔剤の注入量が膨らましているのではないと考えます。局所麻酔は疼痛を伝達しない為に痛覚の神経を止めますが、交感神経にも廻ります。局所の毛細血管は交感神経によりコントロールされています。交感神経が流れなくなると毛細血管が拡張して体液が漏れ出し、細胞外に貯留しますから腫れます。そうです。腫脹とは毛細血管の拡張が引き起こしますが、その原因は創傷治癒反応における体内科学物質のカスケード(次々に起こる流れ)が起こしています。だから時間経過がほぼ一定なのです。ところが局所麻酔はいきなり毛細血管拡張を引き起こすので術直後の方が腫れました。口周りの手術は麻酔量が安易に比して多くなるのでその影響が強いのでしょう。

ところがもう一つ、内出血は予定通りに顕在化しました。左口角の紫色は術直後にはなかったのに、術翌日に色が変わって患者さんにも驚かれました。内出血を起こしたのは患者さんの身体ですが、電気メスでの止血が不足であったのは私です。「ごめんなさい!。2週間以内には消えます。口元ははそれより早い傾向にあるし、若年者、アッそれも男性は早いのです。」と、しどろもどろで説明しました。「これまでの症例供覧を見れば間違いないです。」と言いました。

今回術翌日の短期経過を説明しました。でも、術後1週間ではさらに軽快します。画像上も形態と機能の改善がよく判る事でしょう。次回をお楽しみに。