2018 . 2 . 22

男子も口周りは気になります。平均的な厚みで品のある口元へ!。

これまで男子の口周り手術を数例載せました。載せていない症例を数え上げても十名は居ません。何故かと言えば創跡を隠すのが難しいからです。これまで毎回書いて来ましたが、口周りの手術は美容外科治療の最終兵器となる場合が多く、女性にとって至上の武器ですが、男性に於いては如何でしょう?。考えてみたら、手術の適応性は高いのかも知れません。

だから男性患者さんを拒否している訳ではありません。男性のジェンダーの有用性を高める為に、美容医療を利用してもらいたいと願っています。実は特に、口周りの印象は男性にとって大きな意味を持ちます。鼻の下が長いと社会的に忌避されがちです。だから男性というジェンダーにとっても、口周りの手術の有用性が高い症例が多いのです。久し振りの男性症例を掲載します。

症例は23歳、男性。口元が間延びしてるのを気にして、本ブログを見い出すに到り来院。白唇長20㎜で長い。いきなり最大限の5mm切除を求められました。全顔画像は載せられないですが、普通のおとなしい顔付きなのに上口唇が間延びしている。顔面縦比は上顔面50mm:中顔面58mm:下顔面65mm。上口唇28mm:下口唇39mmで5:8より上が4㎜長い。エステティックラインもゼロに等しく口が出ているのではなく、上白唇は内反していない。その結果、男性なので外反は不要と考え、皮下脂肪全層で口輪筋上までの切除を予定しました。

顔面部品横比は内眼角間34mm:鼻翼幅36mm:口唇幅49mmで54mを目標にしても良いが、男性は大き過ぎるとうるさい感じになるので45度でなく頬骨隆起方向に約35度とした。術直前に良く見ると鼻翼が曲がっているが、切除量に左右差を付けると口唇が曲がってしまうので、特に小細工はしないでそのままスライドすることとしました。

画像を提示します。順に正面像の術前、術直後、術後1週間、術後2週間です。

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手術直後はすごいことになっているのはいつものことです。創に血液が滲んで着いていますが、だらだら出ているのではありませんから、マスクで隠せます。そして手術翌日には創についた血液が凝固していますから、消毒で溶かして出来るだけ拭います。するとまた少し出血します。帰ったら一度洗ってもらうように申し伝えます。

鼻翼は必ず術後には一回引き下がり、拡がります。術直前に見つけた曲がりが強調されました。でも必ず元の位置に復すのはブログで症例の経過を診てきた患者さんはご存知です。

術後1週間経ると、術後24時間の経過から微妙に変遷しています。出血はありませんが、内出血は顕在化しました。鼻の位置はもとに戻りつつあり、左右差も減っています。何より口唇=白唇+赤唇の腫脹が軽減してきます。そのため赤唇縁のカーブが変わります。術翌日には、赤唇がぶくっとしていたのが、術後1週間では赤唇縁が自然なカーブに戻りながら、薄かった赤唇の厚みが出ました。それは多方向から見るとさらに認識できます。

下に右側面と左斜位の画像を2列。術前、術直後、術後1週間、術後2週間の順に載せます。

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術直後と翌日の画像を並べてみましたが、術後経過は24時間でも明らかに軽快傾向が見られます。白唇部短縮術の侵襲が強いので、腫脹は白唇部に強いのは当然ですが、赤唇部も腫れるのです。しかし翌日には白唇部の傾斜が落ち始めています。これは赤唇部が押し出していたのでしょう。いつも解説してきましたが、術後48時間までは腫脹や内出血は増量します。人間の身体はそのように出来ています。

翌日の画像を診ると、術直後より軽快しています。この場合局所麻酔の影響が診られます。一般に腫脹とは毛細血管の拡張が引き起こしますが、時間経過がほぼ一定なのです。ところが局所麻酔はいきなり毛細血管拡張を引き起こすので術直後の方が腫れました。口周りの手術は麻酔量が多くなるので、その影響が強いのでしょう。だから手術翌日に早くも腫脹の軽減が見られ、術後1週間では形態が見える程までに腫脹が軽快してきました。術前と術後1週間を比べると、側面像でも、斜位像でも意図した形態変化が認識できるでしょう!。

内出血は顕在化しました。左口角の紫色は術直後にはなかったのに、術翌日に色が変わって患者さんにも驚かれました。内出血を起こしたのは患者さんの身体ですが、電気メスでの止血が不足であったのは私です。まず「ごめんなさい!。」と、まず謝り、「ブログでこれまでの症例を見れば2週間で吸収されるのは間違いないです。」と言いました。さらに術後1週間の来院時には内出血が両側口角下に顕在化しました。いつも書いて来たように、術後経過は48時間がピークです。ですから、術翌日よりも術翌々日の方が内出血は拡がります。一度起きた内出血は2週間で黄色くなって消失しますが、術後1週間ではまだ赤紫です。

今回術後の短期経過を説明しました。手術から2週間が見ものです。女性では術後1週間で抜糸した後はメイクで隠していて術後2週間では「綺麗でしょ?。」っていう顔貌で登場し、私も「素敵ですね!」って載せるのですが、男性ではどのようなコメントが良いのか思案中です。患者さんに聴いて相談しよう。いずれにしても術後2週間には、画像上でも機能は回復し、形態はよく判ります。次回術後1か月で「完成!」と宣言したいところです。