定番となりました口周りの手術ですが、症例ごとに工夫が加わります。そもそも患者さんは個体差があるから手術を受ける訳だし、好みもあるし、社会的な適合性も加味しなければなりません。口周りの手術に限らず毎回言い尽くして来た様に、細かい形態を造る事は患者さんの悦びを倍加させます。
本症例は個体差として、いくつかの美容医療を受けて来たからの差異があり、術前と術直後に影響が見られました。顔の個体差としては正面輪郭と側面輪郭が綺麗な人ですし、顔面の部品も綺麗でバランスが取れていますから、そうなると口周りの手術の高い効果が得られる症例です。
社会的に一般的な女性ですが、これまで美しさを追求して来たので、周囲にも認識されている筈で、今回も追求して良いのでこちらとしてもやりがいがあります。でも水商売ではないので品性は保たなくてはなりません。キリッとした知性的な顔立ちの中に愛らしさも備えてみたい症例です。
症例は30歳女性。当院にヒアルロン酸等の美容医療のために何回かに来院していた。その間口周りの手術のこのブログもご覧になって、私に罹りました。ところがまず、唇にもヒアルが入っていますので、赤唇は可愛いのに、白唇の長さと口角の下りが気になったのです。
1月に診察と計測をしました。人中部白唇長15㎜。主に赤唇縁と結節にヒアルが入っている。4㎜切除です。口唇結節(上口唇中央の膨らみ)は前方に欲しいが溶かしてから出ないと派手過ぎる。弓は明瞭化したい。人中窩もはっきりさせたい。この三点を作り上げると可愛くなります。
内眼角間30㎜:鼻翼幅34㎜:口唇幅49㎜で黄金分割比率で計算すると2×2=4㎜横に拡大したい。三角関数で計算して口角挙上術は30度方向に4㎜を計画した。
3月に予定を立てました。まず一度ヒアルロン酸を溶かすこととしました。2週間後に診るとヒアルロン酸の硬結は消失していました。すると口唇結節が寂しい。赤唇が薄く赤唇縁の畝がない。やはり人中部で1㎜ずつ寄せるデザインが適応と考えた。折りたたんでC−カールも作りたい。
手術当日診ると、さらに口唇結節が減って赤唇縁の土手状の膨らみ畝(リッジ)も消失傾向だった。人中は深いが幅があり、弓は明瞭だがやはり幅がありカーブが緩い。口唇結節はやはり寂しい。人中部で1㎜ずつ寄せるデザインを確認した。これで可愛く出来そうです。
画像を見れば判ります。各方向別に術前と術直後を見ましょう。
術前像で、そもそも矢印鼻で知性的なのに、白唇が長いのは目立ちますし、品性に欠けてしまいます。術直後は腫脹がありますが、形態は判るでしょう。
近接画像はデザインも。
術前像にデザインするとあたかも術直後の画像に見えます。その通りに挙がっています。Cupidの弓が急になったのは判ります。赤唇縁の弓の両側頂点が特に挙がるのでC-カールが見られます。
下には左から順に、術前の右斜位像、術直後の右斜位像、術前の左側面像、術直後の左側面像。
斜位像や側面像では、赤唇の露出と口唇結節の突が得られました。白唇の前方への傾斜が可愛らしさの象徴です。鼻は引っ張られて動きますが元に戻ります。
術後翌日診ると(画像はありません。)創の経過は順調で、ヒアルロン酸を溶かしたので腫脹も余計でない。更にヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸を溶かす薬剤)は腫脹を引かせる作用があるからです。
下の列は術後1週間の抜糸直後の画像群。
抜糸直後は創の線が赤いです。表情を造らないでも笑顔に見えます。腫れが取れて来たらもっと口唇の形が可愛くなります。白唇はやはりどう見てもこの長さが品が良いです。
白唇部の腫脹が軽減して来るとC−カールが見られます。口唇結節も前向きで可愛いでしょう?。知性的な人が口元を可愛く演出すると全体のバランスが取れる好例です。
今回は口周りの画像を並べて魅せました。鼻が知性的で、頤があり、口が相対的にが前に出ていないから、口唇を傾斜させると女性的なジェンダーが強調されます。見事なバランスではないでしょうか?。
口はE-ラインより後ろにあるのが人間の特徴ですが、口は人間だけが擬態ですからキスしたくなる口元が好かれます。その意味でもこの手術の高い結果が得られる症例です。まだまだダウンタイムに変遷します。より美しくなる次回をお楽しみに!
下に術後1ヶ月の画像。
創傷治癒機転=傷が治っていく過程。表皮は数日で閉じるが深部組織の真皮層や皮下組織層は強固に癒合するのに数週間罹る。真皮層が3〜4週間でⅢ型コラーゲン(傷を着ける幼若なコラーゲン)で埋まる時期です。その際に栄養と材料を供給するために毛細血管が増生するから傷の線が赤くなります。鼻の下の線の周囲が抜糸時(術後1週間)より赤いのはそのためです。そして、口角部の傷跡はのうちで下赤唇縁の線は、口の開閉時や表情時にどうしても縦に伸び縮みされますから、その度に深部のコラーゲンが引き裂かれます。タイプⅢコラーゲンは幼若で弱いので、切れては再生してはを繰り返します。そのうち身体が過剰に反応して、コラーゲンを余計に作流様になります。容積が増えてしかも硬くなります。これが私がいつも言うケロイドもどきで、本名は肥厚生瘢痕です。タイプⅢコラーゲンが成熟したタイプⅠコラーゲンに置き換わる術後3ヶ月頃には、肥厚生瘢痕は平らになり、幅も減ります。
でも側面像と斜位像では、口周りの形態が綺麗です。特に赤唇の厚さと前突、上口唇中央の口唇結節という膨らみが下口唇と前突度がピッタリ揃っています。
知的な美人が口周りで可愛らしさを加えてそのバランスが最適でしょう?!。この部分は見立てがあっていたと思いますし、術前に患者さんと念入りに検討した結果が得られていると思います。私はその点を重視しています。そして術式の微妙な進化が大当たり〜!です。
ならば術後3ヶ月の完成がさらにもっと楽しみな症例です!
当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。