2019 . 8 . 3

美容医療の神髄-歴史秘話第111話-”口頭伝承”:美容整形屋と美容形成外科医”その86”「地方都市29:美容外科医は辛いよ!」

歴史を書いて来たのですが、まだまだ、15年以上前です。前回半年振りに歴史編を再開しました。でも疲れたので、現代に話題を戻しています。

前回書きましたが、歴史を知り現在の知性を膨らませないと、また間違いを犯します。勉強もその一つで、幼少時の勉強が足りないと、その後知性を高めようにも、本も読めません。例えば小学生の理科の実験で、光線エネルギーが熱エネルギーに変換されるのを今でもLASERの説明に使います。因みにLASERを英語でフルタームで言えばその意味は判ります。中学生で習う単語です。下段に説明します。中学生で習うユークリッド幾何学の三角関数は、形成外科の基本手技であるZ−形成術のデザインに欠かせません。

かくいう私も、大学医学部で医学を習う際にもっと勉強しておけば、理解が深く出来たのにと思う事がままありました。要するに学問は、記憶して覚える事でなく、読んで理解して思考して、人々の役に立てる為にあります。その際に過去の間違い(これを本当の過誤という。)を知っていれば二度と同じ轍(わだち)を踏まない様に注意します。

これが知性の利用法です。仕事を覚えるのは知性と方向性が違う努力です。勉強して稼ぐのは知性派の役目ではありません。その意味で感情に支配されている今の政治は、反知性主義の権化です。

昨今アベノミクスで、バブルが膨らんでいます。バブルとは泡ですから、膨らみこそすれ縮みません。収縮しません。バブルは絶対弾けます。ただし反対の行動となりますが、私達はバブルに踊らされています。

平成13年来景気が揚がった様に見えて(あくまでも見えて)います。アベノミクスは金融政策と成長戦略を組み合わせている振りだけですが、実はお札を刷っているだけです。世の中に廻る金が増えれば、余った金を投資する人も居ますが、ほとんどはインフラ整備に廻っていてます。ITや、道路。建物ばかり作っています。インフラ整備の一つに個人的に自分をメンテナンスする人がふえました。つまり美容形成外科を始めとした医療への投資です。

こうして書いてきたら、昨今の美容外科・形成外科、または美容皮膚科と称する美容医療もどきも景気に左右されているのが解りました。いや、正確に言えばアベノミクスでお金をたくさん出回らして、インフレを目論んでGDPを上昇させようとしたら、円安だけが進んでいるからです。結果的にインバウンドが増え続けました。特に中国人が大挙して来院し、一部を除いて通訳が拙いのでベルトコンベアー状態の診療が続きます。

中華人民共和国は現在、市場原理で経済浮揚を図っています。だから実は貧富の差は広がるばかりで、金を持っている人が沢山います。一時は政府が外貨持ち出し制限を打ち出しましたが、医療ツーリングは例外で、予め振り込んだら100万円単位も持ち出し可能という抜け道があります。美容医療も医療ですから、出来ます。

先月調べたところ、全売り上げの40%近くが中国人を始めとしたインバウンドが占めます。韓国もですが、さすがに北からは来ないです。でも在日人は中朝とも増えました。考えてみたら、それがなければアベノミクス前と同じかそれ以下です。

でもこの数年、当院でも美容外科手術は増えました。なんとかミクスで、投資能力特にコマーシャリズムに基づくIT対策が進歩してきました。要するにSNSもコマーシャル化してきたので、投資効果が得られるのです。これにより、美容医療特に手術前後の画像などがどんどん見られるようになり、患者さんの理解が深まるし、画像で医師を選べるし、標準的経過も分るから、患者さん側が手術の計画を立てやすくなったのです。

実は昨年厚労省が省令を打ち出し、インターネットの内容を広告と見做すことになりました。改竄や修正画像が横行しているのを止めるためです。それらのクリニックはホームページやブログやTwitterの画像を下ろします。ところが彼らは開き直って「みんながSNS効果を落とすなことになるけれど、うちはその分金を懸けてTVCMを増やせるから勝ちだぜ!」とかほざいていたそうです。

さらに一部のビジネスクリニックも売り上げ上昇の勢いを買ってTVCMを増やしました。最近増えたと思いませんか?。今でも全国ネットのゴールデンタイムは15秒100万円ですよ!。毎月10億円単位を投資していることになります。売り上げの約半額を広告宣伝費に費やしていると推計されます。ちなみにTVCMも景品表示法に掛かります。”二重手術2万円”とかTVCMで打ち出していますが、下にごちゃちゃ小さい字で”個人差があります”等と書いてあります。15秒のスポットCMですから、読めるはずがありません。私は家のホームBDで確認しました。相変わらずのやり口ですよね!。

当院では特に私は真面目にブログを書き続けています。口周りと目頭形成を始めとした目周りの症例は約40%の症例がブログ掲載されています。もちろん修正はしていませんが、それどころか術前術後の画像を必ず、定期的に、経過を追って載せています。だからダウンタイムを理解しやすく、それこそ個人差によるバリエーションがあるのも知り得ます。また個人差の原因や手術のデザインに至る診察内容と計測値も記載していますから、診察に来院された際の手順も知ってこられるので、安心感が得られるのです。

基、歴史のブログにこのような話題を書いたのは前回のバブルを想起しているからです。次回その話から昔に戻ります。