2017 . 10 . 26

美容医療の神髄-歴史秘話第105話-”口頭伝承”:美容整形屋と美容形成外科医”その80”「地方都市23:美容外科医は辛いよ!」

更にシナリオに従っていきます。

結局私が借りた額はKnさんに又貸ししたので、返済はKnさんがします。債務者は私のままですから、Knさんが消えたら返済者は私になります。今回そこから。もう一度説明しますとA美容外科グループはKn氏がコンサルタント会社を持ち、Kb氏に出資してもらって、Kb氏がフロアーを借りて、設備はKn氏が選び、Kn氏が医師を募り各院に院長として配し、また各院を行き来させて診療することで稼ぐ方式です。先ず売り上げはKn氏が集めます。医師は定給か売り上げの一部にインセンティブを付けるかで、A美容外科コンサルタントのKn理事長?から支給されます。つまり雇われ院長です。Kb氏には決まったロイヤリティーを払い返済します。

ところで私が大分院の院長となった時から、策謀は始まっていました。既にロイヤリティーは滞っていたのは知っていました。だってそれなりに高額の定額で、売り上げは波があるので溜まっていきますよ。仕方ないので私の名義で(総院長とかの肩書きで)Kb氏の兄から運転資金として2400万円借りて、でも全額をKn氏に又貸しして、滞納しているロイヤリティーを払う事にしました。本来売り上げから払うものを借金して払うので、普通に返すのと変わらないのですが、利息分は貸し手の収入が増えます。それに返す額の分の収入は返す人に税金が掛かりますから、返してもらう方のKb氏はロイヤリティー分も返済だから無税で、返済額にも元金分は無税で利息分だけに所得税が掛かります。つまり、貸し手は金を増やしても微々たる税金で済み、売り上げを上げる返済者に税金が請求されます。しかも元手は組から借りていますから、組としては一種のマネーロンダリングで彼等はお互いに増やしています。

ここでその返済をKn氏がするなら、Kn氏が損してKb氏をみすみす稼がせるだけですが、2か月もしない内に、Kn氏は他にも借財が多くて返済が難しいらしいとの説が出始めます。本当の所は解りませんが、Kn氏は金の使い方が荒いのは確かでした。そこでKb氏が仕掛けてきました。いきなりKn氏に辞めてもらおうと言い出すのです。彼は困った顔をして、「Kn氏に経営を任せていてはやっていけないので辞めてもらうから、これからは各院を独立採算にしよう。」と良い案を出すのでした。私達医師群も各院のスタッフと相談して、今まで通りの売り上げを保っていけば、余計な人が一人減って助かるとの考えに到りました。

次の瞬間Kb氏は「森川先生は返済があるので、ロイヤリティーを減らします。」って上手いこと言って、つまりKn氏は返済能力を失うので私が返すことになります。後で思い返すと、そこまで仕組まれていたのです。まあ、これまで通りの経営を各院独立でしていく事になるだけだから、頑張ろう!、いや頑張り甲斐が高まると思ってしまいました。

しかし、一つ困ったことがありました。広告です。A美容外科グループは中都市に出店していますから、全国展開の紙媒体や電波(TVCM)の広告は出していませんが、当時は既にインターネット集客がシェアーを揚げていましたから、A美容外科グループとしてホームページを立ち上げようとしていたところでした。元々Kn氏は広告が上手いから、経営能力を持っていたので、ホームページもKn氏が医師から案を出させながら、作っていました。その辺りのセンスは結構使えたのに、いきなり頓挫しました。もっとも中都市に出店しているから、広告も地方都市なりの料金で出せるから、そちらを充実すればやっていけるのではないかと、油断してしまいました。こうしてこの後、じわじわじりじりと落ちていくことになるのでした。

とにかく独立採算で大分院の専従院長をすることになります。1年目が半分進みました。その後しばらくはやっていけました。次回そこから飛んでも無い事件まで話しを進めます。その時税務にも経営責任にも問題が起き始めます。