2018 . 11 . 8

美容医療の神髄-歴史秘話第110話-”口頭伝承”:美容整形屋と美容形成外科医”その85”「地方都市28:美容外科医は辛いよ!」

半年振りになります。なんか、大分での話しを書いていたら、怖い気持ちを思い出しました。まだまだ面白いいや怖い話しが続くのですが、疲れたので銀座に戻って父との美容外科斯界の話しをします。

標題にある様に父は非形成外科医の美容整形屋出身の美容外科医。私は形成外科出身の美容形成外科医まだ16年次です。ところで形成外科医出身の美容外科医と非形成外科医の美容整形屋の質はどれだけ違うのでしょうか?。今回またぞろそこから説明します。

先ず前提があります。一般国民の皆さん覚えていて下さい。医師は国家試験に受かり医師になったばかりでは専門的知識はほとんど備えていません。医学部では一通りの医学知識を教えますが、患者さんを診るための知識では無く、国家試験に受かり医師になる為の知識です。解剖実習は自分で解体しながら細かく観察しますが、残念ながら内臓や運動器には時間をかけても、顔面のしかも体表に近い部分、つまり美容的な形態を呈する層の解剖を細かく勉強出来ません。やはり美容的な形態的な医療は蔑まれていたからです。少なくとも私が医学生であった今から30年前はそうでした。今でもそんな時間は取れないそうです。

だから、大学の形成外科の医局に入って症例を経験しながら一つ一つ勉強して行きます。私は入局して直ぐ洋書の成書(専門的な教科書)を2冊買いました。それも形成外科全般を載せた1000ページ近くある2冊で、当時の形成外科の医療水準を網羅しています。その後各分野の日本語の専門書を年に5冊程ずつ買い足していき、7年目位からは高価な洋書を年に2冊くらいは買い足します。暇さえあれば読み下していきます。そこです。臨床家としての医学は、症例経験を積んでいくしかありませんが、座学で医学的知識は何倍も取り入れられます。その際に、専門用語を要します。そして、学問ごとに、さらに科目ごとに専門の用語があります。例えば皮弁形成術は形成外科の基本手術ですが、整形外科医は言葉の意味も知りません。実際に今目の前にいる整形外科出身の女子に訊きましたが、ぽかんと口を開いていました。回転植皮とか呼んでいました。私は3年次に整形外科の研修を受けたので、その言葉を聞いたのですが、「だから、皮弁でしょう?」と何度言っても理解できませんでした。言葉には意味があります。皮弁と植皮は全くメカニズムが違うから、それぞれに用語が付いているのです。

美容整形屋(主にチェーン店系の非形成外科医)と美容形成外科医が話していても同様なことが起こります。例えば重瞼術に眼瞼下垂手術を併用する際に形成外科医は当たり前にしますが、チェーン店系は投げ出します。また、私は切開法の重瞼術を施行する際に、重瞼固定を自動的に施行しますが、非形成外科医はこれを切開法に埋没法を併用したと言っては別料金を取ります。泥棒みたいな連中です。

因みに今から15年前に非形成外科系の日本美容外科学会,JSASを父が主催した際に眼瞼下垂手術の講演をしましたが、その後真似て眼瞼下垂手術もどきをする様になってしまいました。実は開いていないのに高額の費用を取られた患者さんが続出してしまい、私は責任を感じています。

基、専門用語は医師になって専門科目に入局してから、成書や医学論文を読んで行って覚えます。もちろん邦語も英語もです。新たに発表された論文や、刊行された成書はそれまでに専門科(形成外科または美容外科)の文を読んでいないと意味が解らない単語があります。一般人に対しては専門用語を一般用語に翻訳して説明するべきですが、元の言葉の意味が解らなくては説明の仕様がありません。

実は形成外科出身の美容外科医でも日頃勉強をして来なかった医師には説明しても判らない事さえもあります。もう20年くらい前ですが、当時から日本で有数のフェイスリフターであるDr.Utと診療していて、細心の単語を間違ってい捉えていた私は、彼に罵倒されました。その後二年間で過去50年以上のフェイスリフトの論文を読みあさり、ある時学会の帰りに新幹線の中で議論した際には噛み合い、最後に誉められました。「良く勉強したな!、僕と議論出来るとは大したものだ!。僕の次に知っているな?!。」何を言っているんだ。私はその間に眼瞼の研究もして医学博士も得たくらいだから、眼瞼の論文も100編以上訓み下したのです。その分野で議論したら、教授出来るよ。実際3年後に彼と重瞼固定の話題になった際に、ちんぷんかんぷんな説を述べていました。私の専門分野は美容外科・形成外科全域です。

要するに長年の経験は必要ですが、長年の研鑽=座学はもっと重要です。勉強してこ無いと専門分野でのその時の最新の知見をも得られません。しかも、新しい説が正しいかどうかは歴史を知っていないと間違いを知り得ません。例えば注入材や埋入物で問題を起こすのは歴史を知らないからです。今の若い医師は、シリコン注入の時代から繰り返して来た危険行為を知らないのです。

歴史は繰り返すので、勉強が必要なのです。稼ぐ為の勉強は反知性主義です。歴史を知り理論的に理解していなければ知性とは言いません。歴史を学んでいないと国を司る際にも間違えるのは今や進行している事ですね。バブルさえも忘れている連中が横行しています。私は今から30年前のバブルの被害者です。

またまた書き始めたら、話しが違う方向に行きました。でも歴史の話しですよね。たまに書きます