2020 . 1 . 22

3回目の口周りの手術。他院で富士山型にされました。修正が不足でした?。鼻翼も挙げて鼻翼下も更に短縮して治しましょう。追加修正後から。

今回の症例は私が口周りを二回目の手術をする人です。前回のブログもあります。追加修正手術と別の手術を同時に行います。なかなか難しい症例です。でも患者さんとは信頼関係が醸成されていますから、お互い含み済みです。どんな手術でもやりすぎると戻せませんから問題が残りますが、足りない部分は追加で治せるので、場合に依っては、要するにやってみないとわからない部分もある訳です。そしてこのように追加修正と別の手術を加えて効果を得ようと考えるのは正しい選択だと思います。今後の方針は白唇部(人中部を除く)短縮術追加と鼻翼挙上術を予定します。頤骨切りも検討します。口角挙上術の追加はその後評価してから。更に鼻を高く細くする希望もありました。

骨切りの医者は大阪では私の先輩に罹りたいそうで、連絡してみます。

こうして鼻翼下の追加切除と鼻翼挙上術の組み合わせという初めての試みがなされることになりました。ちなみに切除は鼻翼基部で4㎜。鼻翼挙上も4㎜ですが、相反する方向へ引き合うのでどちらの効果が勝つか?不明です。半々くらいで2㎜短縮し、2㎜挙上すれば上等でしょう。
まず各方向の画像を術前術直後で並べます。

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上左から術前、デザイン画、術直後の順です。デザインですが、鼻翼下を三日月型に4㎜切除するのと、鼻翼をU字型に切開して中の組織を寄せるデザインが繋がります。

鼻翼挙上術を加えたのに、術直後は何時ものように鼻翼が下に引っ張られてその効果は見られません。鼻翼は上に戻ります。必ずです。

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近接画像でも同様で何時もの様に鼻翼は横にも引っ張られています。これは口輪筋の筋力の回復が戻していくので長引かないでしょう。鼻翼は4㎜挙げたのに術前と比べると2㎜下がっています。

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下面像でも鼻翼は広がっています。

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斜位像や側面像では鼻翼が下に引かれています。

下に術翌日の画像。

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鼻翼を上に戻していくのは上唇鼻翼挙筋、内側に寄せるのは口輪筋です。手術後は腫脹等の侵襲で周囲の表情筋が効きません。前にも書きましたが、表情筋は覚醒時にはトーヌスが働いていて微弱な持続的な信号が流れているから、精気のある顔面表情なのです。ダメージを受けた表情筋は動いていませんから鼻翼の位置は引かれたままなのですが、回復と共に表情筋が戻していきます。

下には術後1週間での抜糸直後の画像。

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若干戻りつつあります。

下には術後2週間です。

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鼻翼の高さは徐々に戻りつつあります。幅は半分戻りました。富士山型ですが、口角挙上の追加が求められると思われます。

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斜位像、側面像でもまだまだです。

術後1か月でも画像を頂きました。

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こうして今回は、術後経過が長くなりそうなので、術後1ヶ月まで待ちました。今後の変化がどうなるのかはっきりいって推測に過ぎません。少なくとも術後3ヶ月までかかるでしょう。そこで一度まず提示して、今後コピペして違う版を作ります。

術後3ヶ月まで診ました。

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早速次の段階に進む相談をしました。口角からです。前回鼻翼基部までを挙げました。次には鼻翼の内側まで挙げて富士山型を解消します。でも「赤唇縁の創跡は目立たないですよね?」と訊いたら、「無くはないですよね。」と返されました。私も敢えて言いました。「○○さんの赤唇の土手,lidgeは高まりが無いので、内側まで創跡が有っても余り目立たないのではないかな?。」即座に患者さん「でも創跡が増える事には違いないでしょ?。」と嫌な表情。続けて「でも次の段階は口角を内側まで挙げたいです。」

その様な訳で、前回の手術から3か月診て、その形態の評価が為され、二次的に口角挙上術を追加することになりました。一度ここまでブログ公開します。今後の手術は先ず引き続き提示していきながら版を変えていきます。

そしていよいよ、口角挙上術の新しいデザインを試行(通常は施行しますが、今回は特別なデザインを使います)します。二つのポイントがあります。台形デザインと赤唇縁切開の延長です。富士山型の修正は難しいのですが、診て来たら、生来の口唇の特徴がありました。

本症例は赤唇の横幅が小さく、言ってみれば鼻翼の下から口角までが短いのです。前回の口角挙上術はでは、通常のデザイン=鼻翼基部から外側を三角形に切除してその頂点に口角を引き上げました。確かに口角は挙がりましたが、赤唇縁の端っこだけがキュンっと挙がりました。

私はこれまで何回か書いて来ましたが、赤唇縁にはridge,リッジ=畝、赤唇縁の帯状の膨らみがあり、赤唇のセクシー度、それは擬態と表現してきましたが、膨らみが相手を引きつけるのでしょう。だから赤唇縁のリッジを切開切除すると、寂しくなります。昔父が上口唇短縮術を赤唇縁の上の白唇を切除しました。私は何人かの患者さんを継いで診ていますが、何か貧弱な口元となっていて、他の部位は若く綺麗(父も私もいろいろ治して来て、よく出来ている。)なのに不釣り合いな印象を呈しています。残念ながら赤唇縁のリッジは取り戻せません。

本症例は赤唇縁のリッジが生来はっきりしていません。だから赤唇縁のかなり内側、具体的には鼻翼の壁の内側まで切開切除して、赤唇の外側をしっかり挙げようと考えました。手術において取り戻せない結果となり得る場合は、一回目は控えめにします。でも損益を測りに掛けて、形態を優先して作る為に、創跡が長くなりリッジが消失するのを容認してもらえるなら、拡大手術をしても良いと考えます。

更に二回目の追加手術に於いては、オーバーコレクション,over correctionに成り得ますが、本症例は口唇の横幅が小さいので富士山型が急な訳ですから、もう一度挙げ足し、また横に拡大してもバランスが取れる症例です。

そこでデザインですが、鼻翼下まで充分に挙げる為に、台形切除を流用しました。前にも書きましたがチリの医師が発表しているデザインです。ただしそれは、上赤唇縁だけ切除するので、口角の外に余計な創跡が出来ます。白人は皮膚が白いので白い跡が出来ても見えませんが、我々アジア人には適しません。でも、口角の上の白唇を切除して、下赤唇縁も切開して、口角の横には創跡を造らない私のデザインなら可能です。韓国の医師で使っている医師もいます。ただし台形切除だと赤唇縁がカクカクっと挙がる可能性はあり得ます。その点は画像で経過を診て行きましょう。

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そんな診察を繰り返して来て、いよいよ手術の前にデザインを書きます。今回は理解力の高い患者さんなので一度診てもらいました。

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そこで私、「台形のデザインは初めてですが、チリのvidalという医師が発表しています。」と言うと患者さんは「見た事あります。」との事「私いろいろ見ていますから。台形は韓国からも載っていました。」デザイン後こんなやり取りは初めてです。私「へえ〜よく知っていますねえー!。」と驚いた振りして、でも私の認識していない知識を披瀝されて悔しいから「でもチリからの論文では下口唇を切らないから挙がらないのですよ。私の手術は口角の上下の赤唇縁を横V字に切開するからよく挙がると評判です。」私心の中で、実は韓国の医師からデザインを教わったくせに偉そうに言ってみた。「韓国でも台形デザインを使っているんだ。へえ〜!。」そのまま知らなかった事には口を噤んで、「でもこれ良さそうでしょ?。」と念を押すと、「お願いします。」とお答えを頂き手術開始に到りました。

アッ、デザインの説明を忘れました。今回のデザインは口角から斜め45度方向に5㎜挙げる予定でした。ご覧の様に一度5㎜で書きましたが、それでは口角の方がまだ下にあるので6.5㎜まで増やしました。上赤唇縁に内側に向かってデザイン、鼻翼の内側まで書きます。上の切開線は鼻翼基部で3㎜にして台形に繋ぎました。下赤唇縁は鼻翼外側くらいまでとします。

続いていつもの様に局所麻酔を注射しますが、切除量が多いので通常の1.5倍は要しました。約2分間待って切開していくと、考えてみたらこんなに上の方には口輪筋がありません。赤唇縁に近づいてから筋層を確かめて切除層を決めました。口角から下への剥離は口輪筋を分けていきますが、二回目なので一部に瘢痕が硬くなっていて難儀しました。縫合はいつもの様に口角の位置を二層縫合で決定してから、筋層を合わせますが上の創は長いので水平マットレスを2本ずつ。やはり上の縫合線は長く、幅が多いので緊張があるから、縢り連続縫合にしました。術後の画像を見ましょう。その前に見てもらいました。

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見せた瞬間に「いいですねえ!。」と言ってくださいました。富士山型でないのは確かです。

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翌日もみせてもらいました。

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DSC01347DSC01345ご覧の様に内出血はなかったのですが、帰途で少々再出血したそうです。自発痛は無いですが、運動痛はあり、開口1横指以下で、フライドポテトぐらいしか口に入らなかったそうです。よく挙がって富士山型には見えない。赤唇縁のカーブは経過診るしかないと申し上げました。

次週抜糸時に画像を頂きます。その際は私の1回目の手術から経過を追って、ブログをコピペして、並べて見せます。お楽しみに!

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。今回追加修正で切除範囲も少ないので半額にしました。口角挙上術は25万円 +消費税。今回は施行なので10万円+税としました。鼻翼挙上術は28万円+消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。