この2ヶ月間私が施行した全手術のうちで、口周りの手術が半分くらいを占めます。多くはブログに載せています。マスクを強制されているからと、就労自粛に応じて周囲の人にバレない時期だからです。口周りの手術とは人中部の白唇短縮術と口角挙上術、さらに鼻尖と鼻唇角など鼻の下方が隠せるから、待ってましたとばかりに手術が続いています。
この患者さんには、白唇短縮術がすごく効果的であることが明らかな症例です。それは画像が証明します。でも術後経過中は判りにくいでしょう。この数ヶ月口周りの手術が多く、読者の皆さんも食傷気味でしょうから、術後2週間でダウンタイムが落ち着いてから載せました。
診察所見を記載します。症例は29歳女性。これまでに鼻中隔延長術。鼻背にプロテーシス。さらにGummy smile に対して上口唇小体短縮症を切開したら、上口唇がストンっと垂直に落ちた。
人中部の白唇の長さは20㎜と長い。E-ラインは直線上に鼻尖ー口唇ー頤が並んでいる。上顔面(生え際〜眉下)59㎜:中顔面(眉下〜鼻下)62㎜:下顔面(鼻下〜頤尖)66㎜と下顔面が長い。下顔面の中で上口唇(白+赤)25㎜:下口唇(赤〜頤尖)41㎜でほぼ黄金比率の5:8になっていて上を切って短縮したら下を短縮したくなるが、実は韓国で骨切り術を受ける予定だったが、渡航制限で終息後になるがいつか受ける予定とのことで、上口唇4㎜切除が適応で可能と考えた。人中は明瞭で弓も急だが、口唇結節(上赤唇中央の膨らみが少ない。両側の鼻柱基部を縫合する際に1㎜ずつずらして白唇を寄せて口唇結節を形成する。
内眼角間33㎜:鼻翼幅34㎜:口唇幅48㎜で、黄金分割比を適用すると、口唇幅は2㎜×2拡大が求められる。従って三角関数で計算して、口角挙上術は30度方向に5㎜挙げる。
画像を見れば適応が高いと判ります。術前から。
正面像では面長ですが、下顔面の比率が長い。なかでも口唇の交連(上下の赤唇が合わさる線)の上下で両方長い。特に上白唇は長い。口角は下がっていないが交連は”へ”の字
斜位像でも長さが見えます。側面像ではE-ラインよりも口唇が後ろにありますが上赤唇が薄い。
術直後の画像
他に違わずいつものように腫脹が強い。出血も付着しています。さて長さの評価ですが、腫れていると難しいかも知れません。でも意味が大きいと見られます。
斜位像では下顔面の長さが減って見えます。上赤唇が厚くなるのも関与しています。赤唇が綺麗に見えます。側面像では白唇が腫脹で前傾します。
翌日診察したらさらに腫脹が強かったです。どんな侵襲に対しても反応は48時間がピークです。
私が3日後に診ると、もう面長が見えない。
術後1週間で鼻翼横以外を抜糸しました。
術後1週間では腫脹が残っています。上白唇がすっきりして、でも人中が深くなって、赤唇が露出して、弓のカーブが綺麗で、口唇結節が前突すると、口元の表情が引き立ちます。その結果下顔面の長さも気にならなくなります。
鼻翼の横の糸は残しますが透明なので見えないでしょう。
斜位像では、口元の表情が優しい。その結果下顔面がすっきりします。側面像で外反C-カールが得られて口元が可愛くなります。
術後2週間で、鼻翼の横の抜糸します。
形態は良好で創も綺麗に治りました。お褒めに預かりました。
まだまだ機能は回復します。次回術後1ヶ月を楽しみに!
手術後1ヶ月の画像撮影時は、私がまだ自粛シフトで休みとしていましたから、診察をできませんでした。
形態と機能はほぼ落ち着いて出来上がっています。傷跡は術後1ヶ月ではまだ赤い線ですが、日に日に白くなります。幅はありません。それにしても中顔面とした顔面の比率が整い、バランスが取れました。そして下顔面の上下のバランスも整って、面長に見えません。
斜位像でも下顔面が短縮して見えます。上白口唇にC-カールが造られ、赤唇がわずかに厚くなり、口唇結節(上赤唇中央の膨らみが前を向いて可愛い。赤唇縁の弓型は口角挙上術の効果も相まって、それこそアーチェリー型になりました。側面像で見られる様に、E-ラインが綺麗だから口元がです。
この画像を見た際に、印象が変わり、私は当初誰だか判りませんでした。若しかして、他の部位を変えたのかと思いました。上白唇短縮と口角挙上術の併施がこんなに印象を変えるのかと、もう何百例も手術してきた中で画像上一番ビックリしました。
そこで本ブログはパーツ提示ですが、術前術後の目隠し画像で全顔輪郭を比較してみます。髪型と画角、撮影距離が違いますが、生え際と頤の距離、鼻のサイズと頬の幅を合わせて縮尺を合わせました。
上白唇を短縮すると、頤を変えなくても比率的に短く見えます。 口角を挙げると、下顎縁のラインに平行になりますからU字が二つ並んだ様に見えて頤が短く見えます。本症例に於いては効果が抜群でした。ただ単に上白唇を短縮しただけの効果が顔面全体の印象をこんなに変えるわかりやすい症例でした。次回診察時に患者さんから感想を訊いてみたいと思います。
術後3ヶ月で魅せてくれました。
傷跡が綺麗と喜んでくれました。
今回も全顔で比較しました。やはり顔のバランスが取れているのが診て取れます。本症例の患者さんのキャラクターは明るく可愛い。笑顔が似合う。手術の結果もさることながら内面と外面がマッチして、これぞ美容医療の真髄だと感じました。
当院では、厚生労働省により施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。