2017 . 12 . 27

口周りの手術は加齢顔貌の解消にも効果的

症例は50歳、女性。2年前に来院。その際は20年前に受けた眼瞼形成術の経過としての(医原性)眼瞼下垂症の診療を受けました。また鼻翼は既に手術を受けている。本年初めに再来し、もう一度診察した際に、口唇についての主訴が加わったのです。その際は手術の機会が取れなかった。暮れに予定を立てる。まずは口周りの手術から予定しました。

白唇長=鼻柱基部〜Cupid’s bowの底が20mmと長い。加齢に因る。歯槽突で白唇がもこっとしていて、しかも加齢で赤唇が薄いので、切除深を皮下脂肪層を残して外反したい。口角は画像の様に下がっていないが、相対的に下がるので併施する。内眼角間30㎜:鼻翼幅35㎜:口唇幅44㎜と口が小さいので頬骨隆起方向へ挙げて口唇を大きくしたい。デザイン:白唇部は鼻翼〜鼻柱〜鼻翼のNostril sillを温存して5mm切除。皮下脂肪層を僅かに残して軽度外反させる。口角は画像で見る如く左右差あるため左6mm、右5mmの挙上量とした。術前、術直後の画像を提示します。

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正面像ではいい形に変わりました。赤唇が外反して若返ります。ベタッとした白唇部がすっきりして、鼻の下が長くなっていたのが解消しました。口角は相対的に変わりませんが、口唇横幅が増加してゴージャスになりました。

両斜位と側面像の四画像を比べましょう。

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術前の画像で見られる様にEsthetic line はマイナスです。Elineは骨格が決定するのですが、加齢に因り歯牙は減り低くなるし後退するのでマイナスが増えます。それに赤唇は組織が減量しますから余計に下がります。その辺りの雰囲気が寂しくなるのです。この手術の組み合わせではこれらの加齢に因る変化を元に取り戻せます。ただし手術直後は、動的形態がまだ整わないので評価が難しいと思います。

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今回術直後と手術翌日の画像を並べます。術直後は局所麻酔が残っていて表情が作れません。翌日には動きが戻っていますが、腫脹は亢進して全体に前に出ています。口唇は意外とは早く治りますが、1週間は腫脹が目立つし、他部位より大きく腫れます。

通常術後1週間の抜糸時には、ダウンタイムは半分過ぎてきます。腫脹は48時間がピークです。内出血は48時間までは顕在化しますし、吸収には2週間かかります。創跡の線は赤いのですが、術後1週間で抜糸したら翌日にはメイクして、創跡や内出血は隠せます。

ですから、次回の手術後1週間の画像が見物です。