2017 . 12 . 27

鼻も口周りです。鼻の下は白唇部です。口角は口の横です。

これまでに口周りの手術は最終兵器だと書いてきましたが、実は最終でない例が多いのです。というか、他院での治療に不足や不備を感じて、再手術というか追加手術を受けようと悩む患者さんが少なからずいらっしゃいます。本症例が何を治したいのか画像を見ながら説明していき、まずは術前と術直後を診ていきましょう。

症例は31歳、女性。本年5月に初診。鼻の下が長いと訴え、当方を受診。既に他院で、鼻翼を内側で切除して3mm縮小されている。口角は下がっていない。その際は診療だけとし、その後日程を立てることとした。本年9月に再来し再診察して手術プランを立てました。やはり白唇は5mm切除、口角は45度7×7mm。鼻翼は更に小さくしたい。創跡が連続出来るから同時手術は容易です。内眼角間に合わせて37mmを32mmにするため、内側を幅2mm切除して鼻孔底を糸を通し引き寄せる事とした。先ずは症例紹介から。

画像を診ましょう。正面と左斜位と左側面像と下面像の、術前と術直後を供覧します。

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口周りの手術の手術直後はすごい画像となります。上口唇(鼻の下は白唇部)短縮術と口角挙上術が最近のトレンドですが、今回は口の上の鼻翼縮小術も併施したので更に腫脹が増強します。しかも本症例では、いくつかのポイントを強調しました。

1、鼻翼は下面像で見られる様に、張り出しは無くなっているが幅が広いので、内側で引き寄せる適応です。〔*注:何回も書いて来ましたが、外側を切る適応でない症例を切らないで下さい。〕その際鼻翼のどの辺りが幅があるかを良く見極めなければなりません。本症例はよくある胡坐鼻(下方の幅が大きい。)ではなく四角い鼻翼で、この場合鼻翼の下方をより小さくしたい形です。内側切除のデザインを台形ではなく楔型にする必要があります。正面像で比べればよく判ります。四角い鼻翼が丸くなりました。ただし腫れています。

2、本症例では上口唇短縮の目的はありますが、口唇として寂しい。正面像や側面像で3次元的に見ると、E-lineがマイナスなのはいいですが白唇部の後ろの歯槽も下がり過ぎて傾斜が無く、歯も傾斜が無いからその結果赤唇も下がっていて貧弱過ぎます。つまり口唇の外反がむしろ主目的です。そうなれば切除深を浅くするのですが、今回は鼻翼縮小と併施するので口唇も寄せられるから、膨隆の程度が増強するのでやり過ぎ感が見られます。しかしこれは腫脹で加算されているからです。今後の経過が待たれます。

3、寂しい口唇の多くは、人中も平板です。赤唇の弓もなだらかです。また、赤唇縁の両外側も薄く寂しいです。薄い唇をキュッと締めて、口角を自力で挙げると冷たく見えます。当然に口角挙上術が求められますが、口角は動的な形態が目立つ部位です。静的に挙がると動的な動きも無理な力が入らなくなって綺麗になるのです。

3’、人中と弓ですが、これは手術中の調整になります。数ヶ月来この記事を載せてきました。患者さんに中には面倒がらないで読んでくれる人も多く、「人中や弓は欲しいかも?!」と仰る人もいます。また私が強調したい人には薦めます。本症例では軽度強調がいいかなと考え手術直前に示唆し、縫合時に両側1㎜寄せてみて、一回診てもらいました。そこは術中に調整出来るので「この程度がいいね!」と言って納得していただきました。この部位も腫脹でオーバーコレクションになって映っています。

本症例は最近の定番である上口唇短縮術と口角挙上術の併施に、鼻翼縮小術の内側切除法を同時施行しましたので、術直後は腫脹が増強しています。今回は症例の紹介ですが今後経過を視ていくと素晴らしい形態をお見せ出来ると思います。乞うご期待を!