このところ、切らない眼瞼下垂手術がよく載りますね。当院のオリジナルの手術です。約15年前の発明当初には、その名の通り、切らない眼瞼下垂手術と称していました。その頃私は、吉祥寺クリニックで診療していたのですが、術後の患者さんが来ました。池田先生は学会発表をしていましたから、私もどの様な手技かを知っていましたが、あんまり開いていない、今イチ効果が看られていない症例でした。その後、私がどのように説明するか知る為に、スパイ患者を私の下に送ってきました。私は「多分此の様な手術は効く訳が無いよ!。上手くいく訳が無いぜ!。」とほざいた記憶があります。
その後、私はクリニックを畳んで、お里でもある銀座の当クリニックに却って来る事になりました。池田先生には歓迎されました。丁度学会発表時にも仲良く議論した後でした。私が「NILT法はミューラー筋に掛けるのか?、眼瞼挙筋筋膜にも掛けるのか?。」と問うと、池田先生はもにゃもにゃ言って答えられませんでしたが、早速私も切らない眼瞼下垂手術=NILT法をトライしました。手術時池田先生も観てくれていましたから、私は「眼瞼挙筋腱膜に掛けるぞ!。」と宣言し、その結果見事に開きました。池田先生は目をひん剝いて嬉しがっていました。逆に池田先生の手術を観た際に私は「アアッ〜、瞼板にも掛けるのね?。」と言うと池田先生は「そこんところが大事だし、難しいんですよ!。」と我が意を得たりの回答。私も視ていて判っていたのですが、言葉を交わして二人は目を見合わせて納得しました。
その後斯界の何人かの美容整形屋が真似て、切らない眼瞼下垂手術を始めました。ところが、術後当院に来院するどの患者さんも、目の開きが向上していないと訴えます。または一度は開いても直ぐ戻ってしまったと言います。私と池田先生は顔を見合わして「やはり瞼板に掛けていないから、挙がらないし直ぐ戻るのですね!。」と唱和したものです。瞼板に掛ける手技は手術時に観なければ知り様が無いし、経験を積まなければ技術的に難しいからです。注;何故なら瞼板に深く掛けると糸が露出して眼球に当たる。浅く掛ければズッコ抜ける。
私は8年前に動画を撮りました。切開眼瞼下垂手術時に眼瞼挙筋を瞼板を糸で繋いだ後に、糸を引いて、ちゃんと眼瞼挙筋が短縮されているのを撮り、LT法の効果を証明しました。後日学会で池田先生が発表しました。NILT法は池田先生が開発し、私が改良し、さらに学術的証明を加味していったのです。二人の共作です。
症例は増えましたが、今度は数%の効果不足症例が生じていました。見直してみたら、先天性後葉性眼瞼下垂症例は結果が得られていません。後天性後葉性眼瞼下垂に対しては、見事な結果を出していました。要するに診断が重要なのです。その頃、美容形成外科界で眼瞼下垂手術の理論的な大家であるM先生とも話しました。私は彼と20年以上前から懇意にしていましたから、学問的な意味がお互い理解できます。元教授のお説ですが、「後天性後葉性眼瞼下垂は腱膜が瞼板から外れているので、結膜側からでも腱膜と瞼板を糸で繋げれば効果が得られる。」「先天性では挙筋筋力が無いので、結膜を短縮する事で一度は開瞼が向上するが、結膜は癒着しないので後戻りする。」「挙筋筋力の計測とフェニレフリンテストが診断に寄与し、後天性なら先生方が行なっているLT法なら後戻りしない。」私が学会で、画像を提示して証明した手技が認められました。
診断は治療方法の選択の為にあります。料金を決める為ではありませんし、」逆に治療法が間違っていたら無駄で、患者さんに金銭的と時間的負担ばかり掛ける事になります。美容外科は医療ですから、治療前に診断が求められます。両方を合わせて診療行為といいます。美容外科も診療が大事です。ビジネスに専念してはいけません。
症例は28歳女性。一昨年8月に初来し、外鼻の診察をしながら注射療法をしています。その後お見限りでしたが、昨年末に再来し、診察をしました。私のこのブログを見たそうです。
やはりまず、外鼻の話から入りました。幾つかの方法論を提示して、ある程度方向性が出たところで、次に私が眼瞼を診て話を向けると、手術の既往歴の話に至りました。3年前Ky.美容外科(歌いたくなる)で、4点埋没法で重瞼術を受けた。本人は広いと思っている。開瞼は生来良好だったが、広い二重の勢でなんか求めた結果と違うと想っていた。いわゆるハム状態とも認識していた。話がどんどん進んで、「黒目整形で治せますか?。」と訊かれて「もちろん!。」と答えると、患者さん「だって先生のブログになっているの視ましたよ!。治っていて、よくできているよね!。」とのお答え。ならばと、直ちにフェニレフリンテスト。今回は画像を撮っていないですが、明らかに挙がり、一瞬にしてハム状態が解消した。そして、ラインは上にしても綺麗になることも反芻できた。中間線で可能。何しろ眼裂横軽が大きく目が大きく、小顔の美人径なので、眼瞼から改善することを希望されたら、喜んで応じました。
画像はまず、正面像を並べて観ましょう。
術前の遠近二葉。
術直後の開瞼二葉。
術後2週間での開閉
もう二葉術後2週間での開瞼時に力を抜いもらった一枚と普通に力を入れてもう一枚。
勝手に目が開くとお悦びで、14㎜が見えて目力があると云われた。重瞼は広げても開瞼が強化されたから、目力。よく診ると敢えて右中央の点が強めで、かけ直しの余地はある。1ヶ月目に。
術後1ヶ月で魅せてもらいました。遠近二葉ともパッチリと写って下さいました。
術後1ヶ月半で修正しました。上が術前。閉じても糸の跡はよく解りません。
上の様に右眼瞼(向かって左)の中央の糸を下げました。
近接画像を診ると、開瞼の向上と素敵な重瞼がよく見えます。
術前は目の開きが弱いという程では無いのですが、もっとあげて角膜(黒目)を見せたいのは理解できます。顔が小さいので目を大きくすると目元が引き立ちます。重瞼は広くしたのに、目の開きが追いついていないから弱々しい目元に見えるのです。なぜか画像が低露光なため暗い印象にさえ見えます。ホント〜!。
術直後は腫れてぼてっとして、重瞼も広くなります。でも開瞼は充分に得られて、患者さんはお悦びでした。
術後2週間も過ぎれば、キラキラして登場されました。魅入られます。美しさ倍加でした。
術後1ヶ月での近接画像です。
やはり右眼瞼の重瞼線が外挙がりです。付け替えを予定します。もちろんその後も画像を使わせてもらいたい考えています。お楽しみに。
上に近接画像は修正術前と術後、角膜(黒目)の外側の垂線上の重瞼線がカクっと角度がありました。重瞼線のカーブよりも0.5㎜ほど上に掛かっていたのでしょう。糸は実は仰臥位になれば透けて見えました。小さく(約1㎜)孔を開けてその糸の結び目を切って抜いて、下げて掛け直しました。上右の様に下がりました。
当初の手術後3ヶ月となりましたのでブログ提示は最後になりました。
なんともキラキラした明るい目元です。そうです。本症例の患者さんは明るい可愛いキャラクターですから、この容貌が似合います。話していてもこちらが楽しくなる女性です。
近接画像で観ても、対称性が取れています。よく開いて二重がくっきりしていて、「よく出来ました。」大部分は患者さんのポテンシャルです。
次の話題が持ち上がりました。更に詰めるかもしれません。その時も楽しみですが、「ブログ視てください。」とお願いしました。話題は鼻の手術にも至りましたが、ダウンタイムを要するので見合わせています。その後涙袋の追加を2回して可愛く保っています。
そして初回手術から1年経て涙袋の追加を求めて来院されました。私「久しぶりで〜す。」注入後「アッ、折角だから、眼瞼の画像もらって中期的経過を載せたいな。」とお願いすると、「よくしてくれたからOKです。」と快諾されました。
相変わらず可愛い。ぱっちりしています。
当院では厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守し、ブログを掲載しています。 医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。
症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。
施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用の説明も加えます。NILT法は消費税込みで22万円。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。