2023 . 11 . 5

こめかみの生え際からリフト。中顔面=Malarに効かせて、鼻唇溝もスッキリ。下顔面まで挙がるか楽しみに?!。

やはりこのブログの効果は高い様です。こめかみリフトが続いています。その心は、こめかみリフトは、中顔面を対象として引き上げますから、正面画像でも4方向画像でも、変化が見えるから、ブログを診るとよく解るからです。また私のブログでは、約束して定期的に経過を載せていますから、患者さんは標準的なダウンタイムを知ってから来院されるので、スケデュールを立て易い。私としても、沢山手術してきて手術が定式となり、手術時間もほぼ一定、さらにアシスタントに着くNs.も経験を重ねる度に上手になり早くなってきましたから、限りある手術枠を抑えやすくなったのでもあり、患者さんの希望に沿えるから増えています。

美容医療の患者さんは、評判=本当の意味での口コミをあまり伝えません。隠す人が多かったからです。近年、プチ整形から美容皮膚科的非侵襲治療が増えて、あまり目立たない治療では明かす人も居ます。また、コマーシャリズムが変化してきて、昔の昭和時代は意味の判らないTVCMと嘘を散りばめた女性誌の広告だけだったのが、ITやSNS上では画像を載せることができますから、患者さんに取っては結果が判り易いだけでなく、親近感も持てます。でも私はしていませんが、実は改ざんが横行していました。最近やっと厚労省が規制しました。すると今度はS.やT.などのビジネス系はTVCMで手を変え品を変え治療内容と価格競争に走りました。さらに一般人に膾炙しましたが、実はこれもトッピング治療の山だったのです。私はこの10年来、ブログで真面目な広告活動をしてきて、患者さんに信頼されて手術に邁進してきました。

本症例の患者さんは他の美容医療機関にも罹ってきたのですが、私に罹っていきなり「先生のコンセプトを信頼していますから、私を良くして下さい。」とすがってきました。実は私「お任せします。」という患者さんをそのまま治療したりはしません。その場合顔を上から下まで順に診療して、できることを提示します。部品の改良も、若返り手術も、時間を掛けて一つ一つ診察していきます。大抵全部はできませんが、本症例の患者さんは次々と予定を立てて毎回効果に満足されてきました。上から下までなら今回は中顔面の弛み取り、こめかみリフトは顔の中心ですから、効果が判り易いでしょう。画像提示が楽しみです。

症例は33歳女性。1年ほど前に、顔面のバランスを取る(感じをよくする)治療を希望されて来院されました。これまでに骨切り術を受けていて、鼻唇溝が深くなったのも気にされています。その意味では中顔面リフトも適応ではありましたが、基本的にJowl Liftを先行しました。ご覧の様に効果が診られています。続けて、こめかみリフトも希望されました。鼻唇溝にも効果を求めたいのでゴルゴ線までしっかり剥離しますと宣言しました。目元は目尻が若干上がっても良いとのことで、しかも他院で受けた目尻切開は後戻りしたので、後日再手術と垂れ目手術を予定したい考えがあり、ならば土台としてのこめかみリフトをした後の経過で形態を見る方が良いので先行しました。

今夏に再来されプランを確認します。この手術のプランは用手的シミュレーションで決められます。こめかみ部を引き上げるのですが、ゴルゴ線付近を手で持ち上げていく形態が造り出せます。色々方向と挙げる部位を変えて押し上げてみます。すると目尻が少々挙がっても良いこと。ゴルゴ線まで剥離して引き上げれば、鼻唇溝にも効果が及ぶことを確認しました。ゴルゴ線を45度方向に、眉尻の後側から、耳輪の前のもみあげの前の生え際を切開することにしました。

画像は各方向を経時的に観ましょう。正面像から。

上列に術前と術後。剥離腔は腫脹します。頬骨隆起部は側方に、ゴルゴ線の外側は前に膨らみます。でも鼻唇溝は浅くなっています。短くなっています。

手術翌日に診ると、上左図の如くさらに腫れています。内出血も露見し始めました。腫脹は48時間がピークです。内出血も48時間までに露見してきます。上右図は術後1週間ですが、腫れは引いてきましたが、内出血はさらに表面化しています。黄色くなったら、この後1週間で吸収されます。でも形態的に中顔面の重心は挙がっています。また、下顔面にも効果が及んでいます。

術後3週間で来院されました。下左図です。下右図は術後2ヶ月です。

腫れは引いてきています。ピーク時の40%程度残っています。内出血は吸収されました。さて剥離範囲の先端(前方にゴルゴ線付近)から癒着し始めています。従いましてその線が溝的に陥凹しています。この後後方に向かって癒着が進むと平坦化します。それにしても重心が上ったのは一目で判ります。

術後2ヶ月になっても血腫の痕に血色素が見られます。ただし拘縮後の瘢痕性の膨隆は縮小しています。長いのですが、内出血と血腫が多かったからです。来月には平坦化し、色も薄くなります。それにしてもダラんとした中顔面の重心が挙がりました。鼻唇溝も浅くなりました。

術後3ヶ月です。

斜位像と側面像と左側の手術時の画像と創の近接画像を並べます。

術前の斜位像。頬骨隆起が側方に角張っています。

術前の側面像。Malarがフラットです。

デザイン後の斜位像。ゴルゴ線をマーキングして、眼窩下縁からこめかみ、鼻唇溝の横から後ろへ筒状にコの字型に剥離空をmーキングします。

切開は約3㎝です。下眼瞼に範囲は層が変わるので剥離できません。

この後手術ですが、まず切開を皮膚と皮下脂肪一層(細かい粒の脂肪層)までして、同層で剥離します。剥離はデザインの点で囲まれた範囲です。ところどころ(主に頬骨隆起部の前)にRetaining ligament=支持靭帯の皮膚への柱が突っかかるので、切ります。そうするとよく動きます。

切開剥離、止血後引き挙げます。左の創部で観せます。

まず剥離腔内にルーラー(定規)を入れて引っ張ってみます。後ろの創縁がゼロ点(この画では目盛りで100)、前の創縁が85なので最大15㎜引っ張れます。右図で前の創縁の上にルーラーを置いて15㎜にマーキングします。

前方の剥離皮膚に15㎜の切開をして、糸を架けたところです。上右図は結紮(結ぶこと)して前の皮膚が後ろに引かれました。

創の中央だけ縫合してあり上下には後の創縁に合わせてマーキングします。上右図はその線で皮膚を切除しました。

切り取った皮膚が上図。左右とも最大幅15㎜切除しました。

その後真皮縫合+皮膚連続縫合しました。

上列が手術直後の斜位像。下列が側面像。どちらも皮膚がピーンと張っています。

鼻唇溝(ほうれい線は人相学用語です)が浅くなっています。

手術翌日の上が斜位像、下が側面像。腫れは48時間まで亢進します。

内出血も増えてきました。

手術後1週間で抜糸しました。最近では一番内出血が濃いですが、触診上血腫ではないので来週には吸収されるでしょう。

内出血が黄色くなるのは血液中のヘモグロビン(酸素を運ぶ血色素)が壊れてビリルビンになった色です。肝疾患の黄疸もビリルビンの色です。

1週間で抜糸した傷跡(抜糸して癒合していれば創ではない)は、私が抜糸の際に引っ掻いたので発赤が起きてしまいます。早晩白い線となります。

術後3週間の上が斜位像、下が側面像。

重心が上がるとは、頬骨隆起部の外側の皮下組織が上に移動した結果とその下のバットレス部の組織が上方移動したのを観て言えることです。ただし中顔面の重心が上がり面長感が改善すると、口の部分は上がっていないから長い白唇が目立つ様になりました。

傷痕はまだ赤いですが、白くなってきてピンクです。

下には術後2ヶ月です。

術後2ヶ月の斜位像と側面像です。重心が挙がって、面長感が軽快しています。

術後2ヶ月では傷痕はまだ赤くても目立たなくなっています。

傷跡もほとんど見えません。

当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守し、ホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えます。こめかみリフトは40万円+消費税です。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、こめかみリフト手術後は、顔面全体を載せますが目隠しします。出演料として20%オフとなります。