2025 . 6 . 5

このところブログ掲載をサボっていた訳ではないのですが、減っていました。ですが最近、また鼻口周りが増えました。=これまでの結果を観た患者さんが感動して、今回は耳介軟骨移植に依る鼻尖増高術=

題名にある様にブログ掲載が少なくなっていました。何故でしょう?。いわゆるモニターですが、毎回最下段に書いている様に、正規料金から20%安くしています。ところで正規料金とは当院で決めた額です。美容を唯一の目的とする治療は自由診療(保険適応ではない自費診療)ですから、料金設定は自由でばらばらです。経費や人件費から損益を計算して、設定します。もう一つチェーン店では、経費の内訳の中でも、広告費が売り上げの半分を占める料金設定が横行しています。そこでブログ掲載が減った理由を考えると、昨今物価が上昇して経費が上昇しているから、料金設定を変える対処法も考えられます。結果的に、医療者側がモニター割引を躊躇する傾向もあったかも知れません。いや但したまたま、受けてくださる患者さんが減っただけかも知れません。

本来モニター法は、いわゆる個人情報保護制度においては灰色なだけでなく、ステマ的な問題点もあります。実際に厚労省は問題ありとしています。但し私が書く、ここにある様なブログ掲載は、症例の患者さんと、よく視るにとっては有用です。画像を視て経過も解るだけでなく、私は詳しい説明を載せますから、理解が深まります。来院した患者さんは「これこれ!、こんな風にして欲しいわ!。」とスマフォで画像を開けながら頼んできます。さらに私が診療内容を説明しようとすると、「そう、書いてあったわ。その通りなんですね。」と逆に患者さんに説明されます。この様に、面白い診察場面になることがあります。患者さんにとっては診療内容に理解が高まり、結果が見えるから希望が湧いてウキウキするのです。その結果のメリットもあります。美容医療は、怖がらないで落ち着いて、楽しむ程の方が結果が良好になります。楽しみにして落ち着いた気持ちが、自律神経系へ良い影響があるから治りが良いのです。人の身体は精神と連携して、その様に反応します。アッそうだ!。だから私の症例の多くは良好な結果が得られるのですね。

ところが最近、数ヶ月や数年前のブログを覧て下さって来院される患者さんが多くいらっしゃいます。先週も先々週も、その様におっしゃる患者さんの手術を行ないました。ある患者さんは「これこれ、すごい綺麗!。感動したわ!。」と褒めてくれました。考えてみれば鼻周りは余り動かないから静止画像でも形態を認識出来るし、一応何方向からも載せているから立体的形態も理解出来るからうってつけなんでしょう。口周りも表情を作って撮った画像は、素敵に見えるそうです。ただし、美容外科は医学的な診療行為です。人間の形態は、連続的(ミリ単位以下の差異という意味)にバリエーションがあります。つまり生来の形態は、たとえ美容医療を受けていても違います。ですから、診察が重要です。私は理想的な形態をイメージして、診察時のやり取り中に希望も汲んで、次第に修正の余地のある部位を指摘して、治療(主に手術)法を提示しながら決定していきます。

私は卒後に医師となって北里大学形成外科・美容外科に入局するなり、上級医に最初に教えられました。「手術の出来栄えには、デザインが40%、手術中の判断と技術が50%、術後経過が10%を左右すると覚えておきなさい。」その後永らく、美容形成外科の臨床家として、”診療”行為=デザインに繋がる”診”察と手術を含む治”療”を正しく遂行してきましたが、新人時代の教えを忘れずに医療として、医学的見地の下に診療しています。広告に頼らず、患者さん一人一人に寄り添い医療行為をしてきました。ブログ上にもその様な姿勢が伝わり、知性的な、内面的に美しい患者さんが、ひっきりなしに来院されます。嬉しい限りです。

症例は36歳女性。数ヶ月前に初診され、やはりブログも覧ていて、顔面の幾つかの部位について改善を求められました。3ヶ月前に、まずは鼻唇溝プロテーシスから挿入しました。前回のブログをリンクしています。https://medicalkiss.com/morikawa_blog/2025/04/

当初から、鼻は高い美人だと思っていましたが、鈎鼻でその下が低く、鼻尖の幅は大きくないのですが、ペチャンとして鼻柱に掛けて足りないから、余計に鈎鼻が目立つと認識されていました。今回鼻尖増高を主に下半分を下向き45度に高くするプランを立てました。デザインはお得意の軟骨3枚を『親亀の上に子亀を乗せて、そのまた上に孫亀乗せて。」造る細かい技を使います。

画像は各方向をまとめて術前、術後と載せていきます。後段に術中近接画像を載せます。

術前から。

正面像と鼻尖の近接像。前から診て、鼻尖の下半分がペチャンと足りないと言えます。

斜位像と側面像で観て判ります。

右の斜位像で鼻尖を診れば、鈎鼻=鼻骨下端の凸からその下の上外軟骨部の凹、その下の鼻尖は凸でも下半分がツルッと落ちています。

側面像では鼻尖の下から鼻柱に架けて平坦なのが診られ、しかも鼻唇角が鈍角です。鼻尖の下から鼻柱部を下げたい症例です。

今回はいきなり術直後の画像を観て比べてみましょう。

まず正面像です。明らかに鼻尖から鼻柱が下方移動しました。下面の近接画像でも、鼻尖の丸みが見られます。鼻尖の大きさは縮小していますが、この時点では腫脹により増大しています。

斜位像では鼻尖が美しく高くなりました。本当の意味でのアップノーズです。鼻筋の延長線上よりも鼻尖が前にあるのが本当の意味でのアップノーズです。鼻尖が上方にあるいわゆる上向いた鼻尖をアップノーズと称する美容家がいますが、正しくはそれをショートノーズと言います。

側面像では鼻尖から鼻柱が下方移動していますが、本当のアップノーズも見てとれます。

直後には、固定と圧迫の為にテープを貼りました。

すると移植軟骨によって増大,Augmentした鼻尖が浮き出します。下方から見ても、鼻尖の周りにU字に貼ったテープの中に軟骨があるのが判ります。

斜位像でも綺麗に浮き立つ鼻尖が観られます。鼻尖は丸く、周囲に折れ返りの影が見られるから浮いて見えます。島に例えれば解り易いでしょう。

側面像では浮いている鼻尖が美しく存在を誇っています。それに鼻柱まで下がっています。

下は術後6日で抜糸してもらいました。

若干発赤が残っています。正面像で鼻尖がハッキリしてきました。近接画像では影が見えます。

斜位像では鼻尖が美しく、本当のアップノーズです。

側面像でも鼻筋の延長線よりも鼻尖が前の美しい本当のアップノーズです。患者さんは社会的に一流人です。この場合本当のアップノーズがスマートで似合います。

ここから手術時の画像です。

通常サイズを決めて(鼻尖のサイズを測って決めます)軟骨採取から始めます。今回は12×10㎜としました。上左図は左耳介後面で折れ返り線を切開して耳甲下介から、軟骨だけ採ります。耳甲介とは、外耳孔(耳の穴の入り口)の後のお椀の様な窪みですが、これがまた、それぞれの個体内で鼻尖の湾曲にピッタリマッチするのです。なお上右図では採取後ですが、耳甲介の前方に綿球を入れて、それをボルスター(前後を糸で繋いでいる)で圧迫しています。軟骨が無くなって前後の皮膚皮下組織で挟まれた空洞を放置すると、血腫を作って、カリフラワー耳=お相撲さんや柔道耳、ラグビーフォワード耳みたいになり兼ねないから大事な手技です。ここまで約1時間掛かります。

いよいよ鼻尖のデザインです。実は軟骨採取の前に予めマーキングしています。鼻尖の位置をダイヤモンド型に4点で囲みました。鼻柱の横切開はW字型とし、一本線の線状拘縮を防ぎます。両側の鼻孔縁切開のデザインは見えませんが、上右図では見えますよね。いきなり上右図は切開→皮下=鼻翼軟骨前を剥離後に、鼻尖の皮膚上の耳介軟骨を乗せた図です。

上左図は軟骨を乗せた側面図です。上右図は耳介軟骨を挿入固定してから、創を縫合しました。

上左図は術直後の近接画像です。創閉鎖は現在(約2年前から)真皮縫合を加えています。軟骨移植による鼻尖増高術の際には、軟骨を中央に置く為に、私はオープンライプラスティー,Open Rhinoplastyが必須と考えます。でも鼻柱を横断する創はW切開でも線状陥凹が起き得ます。経験があります。ですから大変に難しいのですが、2針だけ真皮縫合して、ピッタリ合わせれば防げます。この方法は私独自の手技でしょう。上右図は、術後直ちにテープで圧迫固定しました。近接してみるとテープで環状に囲んだ内部に軟骨が入っていて高くなっているのが判ります。

術後6日で抜糸しました。創癒合は良好です。テープを外して写しました移植軟骨による鼻尖の形態が強調されて、美しいアップノーズです。なお耳介後面も抜糸して、ボルスターも除去しました。後面の傷跡が痂皮化していますが、ここは見えない部位なので困りません。

当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログに加筆しています。もちろん画像操作はありません。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えなければなりません。鼻尖軟骨移植3枚で40万円+消費税です。鼻尖縮小術は本来25万円ですが、軟骨移植の際の土台造りの為には15万円+税となります。ブログ提示の契約を頂いたら出演料として20%オフとなります。