2020 . 11 . 20

これまで鼻翼を治してきて、ついに鼻尖に参ります。

男性は、美容形成外科の来院患者さんの多くても2割、平均1割程度でした。昨今のなんとかミクスに因る経済効果の恩恵は上下格差を増大していますが、女性では水商売系に恩恵が廻っていますから増加率が高い様です。男性は経済効果も受けていますが、何より美意識が向上した人が増えたのでしょう。元来私には2割以上の男性患者さんが来ましたが、増えています。ただし口周りは男性では傷跡が隠せないので減っていました。その意味で経済力よりも私の手術結果を視て「これだ!。」と思ってくれる患者さんが増えました。これはブログで改ざんなく画像を載せて、真面目に説明してきたのを視てくれる人がいるからで、有難いことですし、私はさらに書き連ねていく意欲に燃えるのです。

題名にある様に、鼻翼縮小術に腐心してきました。画像で視られる様に外鼻の皮下組織が分厚く、附随して組織が脆いために鼻翼縮小術は後戻りを繰り返しました。同時に鼻尖もぼてっとして大きく、バランス的に鼻翼も大きいだけでなく、鼻尖も大きいのです。ここで一度鼻翼の形成を横に置いて次の時期とし、今回鼻尖を縮小しようとなりました。

症例は33歳の男性。今年に入って、鼻翼は一度止めて、当初からの懸案の鼻尖の手術に移ることになりました。カルテ所見を転記します:大きい。36:20鼻稜は低くない。鼻尖が鼻稜線の延長線の1㎜後ろ。鼻尖と鼻翼の境界がない。皮下脂肪が厚い。糸が入っているとの申告。鼻柱が喰い込み、その結果鼻翼の胡座型が余計に強調されている。

プランを立てます:軟骨2枚重ねで小さくして高く見せます。鼻尖と鼻翼の境界を作ります。鼻唇角プロテーシスを併施する予定も立てました。鼻柱は鼻中隔軟骨から5㎜離れているため、プラス2㎜で最低7㎜の厚さを用意することとしました。

手術当日確認すると、糸は他院で鼻尖に溶ける糸を入れた由。耳介軟骨を10×15㎜採取して、二つに分けて積み重ねるデザインを示唆。鼻翼軟骨へ縫合固定する際には鼻翼軟骨を縫い寄せて土台をしっかりさせるのですが、実は縮小効果もあるが定式なので費用なしとしました。

画像はまず各方向の術前と術後を並べてみます。

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上左図は術前。上右図はデザイン。大きく平坦な鼻尖に軟骨を入れて高く、小さくします。上右図はそのためのデザイン。軟骨の入る位置を皮膚上にマーキング。鼻柱には切開線がマーキング。

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上左図は術直後。腫れてぼてっとしています。上右図は直ちにテープ固定した直後。腫れが引くと皮膚上からテープで囲んだ盾型の鼻尖になります。

IMG_6665IMG_6667図は移植軟骨です。7×9㎜のダイヤモンド型の一枚目の上に4×7㎜の長楕円形のの軟骨をやや鼻柱側に積み重ねて2枚を糸で通して合わせました。

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上の左側面像は術前と術直後。鼻尖は腫れて高すぎています。またこの時点では鼻唇書くプロテーシスの腫れも影響しています。下にプロテーシスの画。

IMG_6665IMG_6668鼻唇角プロテーシスは最近流行りです。デザインは鼻中隔先端から鼻柱皮膚までの厚みが7㎜です。長さは鼻柱に入る分で、あまり長ふといものを鼻柱に入れると鼻柱が太くなってしまいます。男性は鼻柱が太いのでこのくらいん物が可能です。

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斜位像で見ると鼻唇角が鈍角になり鼻線が押し出されて高くなっています。

 

 

下面像ではツンっとしたのが一目瞭然です。

下に術後1週間で抜糸した直後の画像を並べます。

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まだ腫れていてテープを取ると一瞬でぼてっとしてきます。数週間でテープの形になります。

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斜位像でも側面像でも鼻尖の腫れが取れてきたのがわかります。下面像で傷を見ると、癒合が不良でした。でも瘢痕治癒します。線状陥凹が目立たなければいいのですが場合に依っては修正手術もできます。

まだ腫れていますから、テープでの圧迫固定が有効です。腫れた形のまま瘢痕形成して皮膚が厚くなるとつまらないからです。時勢からしてマスクしていられるので次回まで適時貼ってくれるそうです。貼り方も覚えてくれました。Ω:オメガ型です。次回術後1ヶ月にツンとした鼻尖を診られることでしょう。お楽しみに!

術後1週間で画像をいただきました。

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正面像での鼻尖の形態は格好良いです。下面像でもで、ツンっとしました。鼻柱の傷は瘢痕性に皮膚が形成しましたが、線状に陥凹しました。でも時間とともに浅くなります。3ヶ月経ても目立つなら切除縫合します。

IMG_7365IMG_7362IMG_7368斜位像や側面像では、鼻尖が鼻稜線の延長線上よりわずかに前で本当のアップノーズです。鼻唇角の下がりは鼻翼の胡座型を目立たなくしています。耳介後部の皮膚は色素沈着しましたが、傷跡は見えなくなります。変形もありません。

本症例は慎重な男性でテープで圧迫固定を続けてくれています。実は外鼻の皮膚が特に柔らかいタイプなのです。触れるとまだブヨブヨしています。逆に言えばまだ圧迫固定の意味があります。ですから私も助かります。マスクをするご時勢性なので続けられるそうです。私「こうしてテープの囲む形になりますよね?。」患者さん「軟骨の周りを癒着させていくと軟骨が浮き出てくるんですよね。だんだん形がよくなっていくのが嬉しいです。」ですって。私さらに「U字でなくΩ型に貼り始めたのですが、これがいいでしょう?。そうやって貼っていますか?。」と自慢すると患者さん「解っていますしそうやっているからいい形です。」確かにこの1ヶ月の、画像を見ていくと見事に出来上がっていってます。患者さんと私のコラボレーションが功を奏しています。

だから次回術後2ヶ月も診せてもらえそうでしたが、忘れました。術後3ヶ月です。IMG_4858IMG_4860-e1608273783521-150x150

鼻尖は格好よく、鼻柱基部の食い込みもなく保たれています。

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側面でも斜位でも鼻尖が格好よくなりました。

当院は、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログに加筆しています。もちろん画像操作はありません。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えなければなりません。今回の手術は鼻尖軟骨移植3枚で35万円+消費税です。ブログ提示の契約を頂いたら出演料として20%オフとなります。