さて前回のお題で三つの提議をしましたが、回答を書き連ねます。
第一題として、 「重瞼術の切開法は永久的か?」と聴かれれば、「そうあるべきです。」と答えます。重瞼術とは、挙筋と皮膚または眼輪筋最浅層を連絡し、開瞼力を眼瞼浅葉に伝達する構造を作ることです。私の2000年の博士論文に記載して、USAのAesthetic Plastic Surgery略してAPS,訳すと美容形成外科に投稿した世界で認められている説ですから、間違いありませんよ。英語ではTransmissionと表現しました。そう自動車のエンジンの力を車輪に伝える装置ですよね。同様に挙筋の開瞼力を皮膚に伝える装置=生物ですから構造と言っておきます。これがあるかないかが、二重瞼と一重瞼の間の変異だと論文で述べました。
タイム
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カテゴリー別アーカイブ: 日本形成外科学会認定専門医
重瞼術切開法は永久的か?。眼瞼下垂手術を併施すべきか?。目頭切開の必要性は?。そのⅠ
私にかかる患者さんに、何故眼瞼下垂症例が多いのか。一重瞼は眼瞼下垂症を伴なっている事が多いと、提唱しているからなのか?。私がここで症例提示する際に詳細に経過を追っているから、結果を見て、読者が理解納得されるから、受診されるのか?。さらに目頭切開眼瞼下垂の原因となる蒙古襞を治すZ-形成法による目頭切開術が効を奏しているために、希望される方が多いのか?。そうだ、前に目頭切開の仕組みを図で詳しく説明したのが、解りやすかったのかな?。
いずれにしても、提示する症例に眼瞼下垂を伴う一重まぶたで、蒙古襞の拘縮をZ-形成法による目頭切開で治すと同時に、どうせ切開するので、重瞼術を切開法で、挙筋前転法を加える患者さんが、多くなっています。
但し、あくまでも、患者さんの希望に応じて行うし、私は詳し
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美容医療の神髄Ⅸ-歴史的経緯第8話- ”口頭伝承話”その8
「新幹線整形」に対して父と私は何度も細かく検討し、一つの方法論を見出して行ったものです。
自分史として、この時(昭和53年前後)の会話は、もう36年以上前ですが重要点は覚えています。前回の記述は、60%会話の記憶で、残りはその後の動勢に対する認識が反映した内容です。
とにかく父が言った今も言葉が明瞭に鳴るほど覚えているのは「早くお前も美容整形を出来る様になって二人で二院で新幹線整形しようぜ。」です。当時私は高校卒業時で、医学部にも入る前、その後医学部に入ってからも何回も言われました。
医師になる前の昭和60年代にもよく言われました。でもー、形成外科で勉強したいな。いきなり父と二人で診療できるのー?。「新幹線整形」の夢は潰えて行ったのでありました。その間にはさらなる新しいモデ
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上口唇短縮術とは?。-症例2-
何度も書きますが、口唇とは赤い唇だけでなく、医学的には鼻の下の皮膚も口唇とです。赤い唇を赤唇、肌色の唇を白唇と言い分けます。ですから、上口唇短縮術はどこかを切除縫合することになります。
最近学会でも報告されているのですが、鼻翼基部から鼻柱基部の外鼻孔底の堤状の高まりの下に傷を持って来れば、折れかえり線なので傷跡が見えにくくなると考えられ、そこで切除するようになりました。但し、形成外科認定医が、形成外科的縫合で丁寧に縫い合わせないと、何しろ動くところですから傷跡の幅が出てきてしまい、見え見えの傷跡になってしまいます。そういう意味では、非形成外科医の多いチェーン店では手術を受けない方がいいと思います。
上口唇短縮術については、今回もう一例提示できるので、その経過をお見せしようと思いま
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上口唇短縮術とは?。-症例1-
口唇とは赤い唇だけでなく、医学的には鼻の下の皮膚も口唇とです。赤い唇を赤唇、肌色の唇を白唇と言い分けます。ですから、上口唇短縮術はどこかを切除縫合することになります。昔20年ほど前までは、父は赤唇縁とその上の皮膚を切除する手術をしていました。私が引き継いだ患者さんのうち何人かも受けています。口紅をしていればよく判らないのですが、よく見ると赤唇縁の微妙なカーブが消失しているため何か不自然です。
そこで、最近学会でも報告されているのですが、鼻翼基部から鼻柱基部の外鼻孔底の堤状の高まりの下に傷を持って来れば、折れかえり線なので傷跡が見えにくくなると考えられ、そこで切除するようになりました。但し、形成外科認定医が、形成外科的縫合で丁寧に縫い合わせないと、何しろ動くところですから傷跡の幅が出てき
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