2014 . 6 . 20

電磁波って何?!. LASER:レーザーは光です。光は電磁波です。Ⅱ

LASERとは、何気なく大文字で表現している様に、略語です。

Light Amplication  by Stimulated Emission of Radiationの頭文字です。

日本語に訳すと放射線(電磁波)の刺激=誘導=励起と放出による光の増幅と訳せます。文献によって文言にはいくつかありますが、なんだか意味が見えない日本語ですよね。

所詮光の一種なのですが、人工的に光エネルギーを操作して作り出した、特徴のある光なのではあります。

その特性は主に三つあります。1、ごく短い時間にエネルギーを集中出来る。2、大きなエネルギーを同一方向に向けられる。3、単一波長(つまり色)で発射できる。

これでも意味が解らないでしょう。その意味を説明します。1、光エネルギーを物体に貯めて=励起と言います。一気に発散して光エネルギーを発射するから、10億分の一秒単位で、白熱電球を1時間付け続けた量のエネルギーを出せるのです。短い時間に硬エネルギーが当てられると、当たったところでだけ光エネルギーが熱および力学的エネルギーに変換されます。その結果熱が周りに広がらないので、焼きたいものだけを焼くことが出来るのです。この仕組みで例えば、シミの色素だけが焼ける。ほくろを必要なだけ焼いて、周囲の皮膚は傷めないでいられます。つまり、ピンポイントで取りたいものだけを焼き飛ばすことが出来るのです。2、光は電磁波の一種で、波なのは前回記しました。つまり池に石を落した時の波紋の様に四方八方に広がります。レンズで集光しても、その先では分散します。LASER光線は一点から出て、どこまでも1本の光として進みます。月まで届くとか、レーザーショウとかで見たことがあるでしょう。そのため照準を合わせたら、1点にエネルギーが集中するのです。やはり余計なところが焼けないのです。3、LASER光線は、ある物質にエネルギーを加えると、その物質特有の波長の光を放出することで得られます。例えば太陽光線はあらゆる波長の電磁波(光も含む)を含んでいます。ほら、虹は七色でしょ。通常の光源が白っぽいのは、やはり多くの波長を含んでいるからです。信号機などは、それぞれの色のフィルターで色を変えているのですが、単一ではありません。LEDは単一波長です。物は色によって、それぞれの波長の波長の吸光度が違うから色があるので、ものによって波長の吸光度、つまり光エネルギーを熱エネルギーに変える割合が違います。例えば生体では、メラニン色素に吸光される波長と、血管(中の血球)に吸光される波長があり、それぞれを使い分けることでターゲットになる組織だけを焼けて、周りの他の組織が焼けないという芸当ができる訳です。

この様に人工的に光を操作して便利な光を作り出したのです。その結果いろいろな用途が生じました。

元々、LASERは、兵器として開発された経緯があります。しかし殺傷能力を得られるほどの高出力の機器はコストパフォーマンスが低く、巨大なものとなるため、実用化には到っていません。但し兵器としてのLASER照準器は正確で有用性が高く、頻用されています。

工業用機器として、カッティングに使う際はその精度、出力が有用で、精密機械製作に役立っています。電化製品として、レーザーディスクは、レーザーの直進性を利用したもので、正確にデータを読み取れます。CCDからDVD,BDへと進化しています。日用品として、レーザーポインターは、私達が学会での説明にとても便利に使用しています。

生体に対しては、ポイントで短時間で、焼きたいものだけ焼けるという特徴を使って、よく使われています。私達も頻用しています。それぞれの波長と照射時間、エネルギーで使い分けています。主に外科系の分野で頻用されますが、私達の美容医療の分野での実用編は次回のお楽しみとします。

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