ボツリヌス菌毒は、今世紀になってやっと、医学的に実用化が為されました。イギリス製のダイスポートと、アメリカ製のボトックスです。どちらも普及していますが、アメリカで歌手や俳優を使って宣伝されましたから、世界的にも、”ボトックス”といえば通じるので、こう称します。
医学的使用は、美容医療上の使用が喧伝されていますが、もともと広い分野で求められていました。局所の神経が筋に接続する部分=神経筋接合部を遮断する作用は、様々な疾病に有用なのです。もう一つ大事なことがあります。ボトックスは切れる。必ず戻る=可逆性があるのはなぜかというと、末梢神経は枝分かれによって再接合というか再挿入されるからです。標的となる神経筋接合部の間に挟まったボトックスの分子は、電気信号を遮断します。挟まったものは永久に取れ
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小顔とは?Ⅲ -ボトックスについてⅡー
ボトックス(BTXと略します。)とは、多くの方がご存知だと思われますが、ボツリヌス菌という生物が出す化学物質で、神経が筋肉に差し込まれる部分に挟まって、神経を流れてきた電気信号が筋肉に伝わらなくするという物質です。タンパクですから、生物しか作れません。しかし、数少ない生物しかこれを作れません。ボツリヌス菌はそこら辺の土壌の中にいくらでもいる生物ですが、こいつに生産させた神経伝達遮断物質を純粋な成分として取り出すのが難しかったのと、保存が難しかったので、薬剤としての製造を試行錯誤されていました。実は、生物兵器としての研究が先行していたのは、御多聞にもれません。歴史上兵器開発が科学の進歩に最大の貢献してきたのは誰もが知っている事と思います。しかし、上記の理由で兵器としての有用性はありませんでした
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小顔とは?Ⅲ -症例経過提示とボトックスについてⅠー
お約束通り、小顔の症例の2か月後と、ボトックスの説明をいたします
まずはもう一度、咬筋のボトックスと、脂肪溶解注射の経過の写真をお見せします。
術前術後1ヶ月
いかがでしょう。顔面下1/3の幅が明らかに細くなっています。
前回小顔とは?Ⅰで説明しましたが、顔面の大きさは横幅です。そして、上、中、下の3点で評価します。つまりこめかみ、頬骨、エラのそれぞれの幅を、絶対値、相対値で評価するとどこを修正していくべきかが診断されます。前にも言いましたが、骨、筋、脂肪の3要素を使い分けます。
今症例では、下顎角部の幅が100㎜を超えていて、頬骨最大幅も135㎜を超えているのですが、頬骨部は骨の幅ですから、修正が難しい部位です。それに髪で隠せます。それに比して、下顎角部は骨の
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小顔とは?Ⅱ -症例提示ー
小顔の画像提示が遅れてしまいました。
今回は、咬筋のボトックスと、脂肪溶解注射の経過の写真をお見せします。
術前術後1ヶ月
いかがでしょう。顔面下1/3の幅が明らかに細くなっています。
前回小顔とは?Ⅰで説明しましたが、顔面の大きさは横幅です。そして、上、中、下の3点で評価します。つまりこめかみ、頬骨、エラのそれぞれの幅を、絶対値、相対値で評価するとどこを修正していくべきかが診断されます。前にも言いましたが、骨、筋、脂肪の3要素を使い分けます。
今回の症例は、エラです。アッまた人間には鰓は無いのに、エラと言ってしまいました。すみません。下顎角部と言い直します。
今症例では、下顎角部の幅が100㎜を超えていて、頬骨最大幅も135㎜を超えているのですが、頬骨部
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小顔とは?Ⅰ -考察からー
長らく、ブログは夏休みとなってしまいました。実はたまたま症例が揃わなかっただけです。来院される読者の方はよく症例をご覧いただいているようで、この2週間「まだなの?」と催促されることもありました。症例は来週からとして、前知識から提示していきます。
またまた、人種論から入ります。日本人をはじめとしたアジア人の遺伝子には、身長が低い要素が生じています。というか、白人には身長と体格を大きくする遺伝子が存在していて、平均的な身長の差は歴然です。いくつかの資料を見ると、国別の平均身長で、トップからヨーロッパの国々(コーカソイド)が上位を占めています。USAは多民族国家なので上位ではありません。下位に行くと約10㎝の差をもってアジアの国々(モンゴロイド)が並んでいます。ベルクマンの法則によるといわれ
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