今回の症例の患者さんは、遠方からいらっしゃって下さった大学生の方です。症例提示を承諾いただいた上に、ちゃんと1週間後には、写真を転送して下さり、2週間後には、写真と撮りにいらっしゃって下さったいい人です。
結果に満足されていて、しかもムードさえも変えて似合う眼鏡を選んで来院される程、気に入って下さった様で、我々としても、うれしい限りの症例です。
症例は、20歳男性。一重瞼で皮膚性眼瞼下垂が重篤。前頭筋が開瞼時に常時収縮している。挙筋滑動距離は12mmと正常範囲。眼裂横径が25mm、内眼角間距離35mm、角膜中心間距離57mmと、蒙古襞が被さり気味で、拘縮も強い。
このような症例は、埋没法では持続性に難があるとは言えますが、治療期間から考えて現在切開法をできる状況にはないとの
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カテゴリー別アーカイブ: まぶたの美容と機能
目頭切開=内眼角拘縮解除術は、眼瞼下垂症手術の一部と考えます。2週間後の経過
当院の得意とする手術:独自のZ−形成法による目頭切開=蒙古襞による拘縮解除術と切らない眼瞼下垂手術=黒目整形=埋没方式による挙筋修復&重瞼術=NILT法 の2週間後の経過の提示を致します。
長ったらしい手術法の紹介をしてしまいました。最近、いくつかの名称をキャッチフレーズの様に使い分けてきたので、患者さんが混乱してしまうから、合体させました。
まず正面像で比較します。右が術前、左が術後2週間です。
何と美しい結果でしょうか?!。器用なんですね!、上手なんですね!、手術が丁寧だからですね?。よくいわれますが?。それだけではありません。症例患者さんがいい素材なんです。美しい、可愛い人は、よりきれいになることが容易なんです。しかもこの症例では、微妙な左右差があるので、左右
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目頭切開=内眼角拘縮解除術は、眼瞼下垂症手術の一部と考えます。Ⅰ
これまで、何度か記載してきましたが、本邦には一重まぶた、眼瞼下垂、蒙古襞を呈する遺伝子が蔓延しています。モンゴル系遺伝子です。細かいことは次回詳述します。
早速症例を提示します。一重瞼、眼瞼下垂、蒙古襞の併存するので、同時に治療した症例です。
下図の症例は、27歳女性。一重瞼(奥二重)で、他院で埋没をしたが左は浅くなり、右も内側が浅い。開瞼も、左右とも、内側が弱い。内眼角間距離/眼裂横径/角膜中心間距離=26/35/63と目の位置が若干離れていて、蒙古襞は一重まぶたなら普通。目の横幅はやや小さめ。蒙古襞の拘縮が典型的に内側の開瞼を阻害している。写真で見られるように黒目の上にかかる瞼縁が斜めになっているのはその証拠です。いわゆる寄り目で吊り目に見えるタイプです。黒目整形は内側を上げ
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2015年もまぶたの診療に邁進致します。Ⅵ
眼瞼の診療の続きですが、さて、軽度の先天性眼瞼下垂に後天性眼瞼下垂が併発:この場合が難しいのです。
そこでもう一度開瞼という動作を機序=メカニズムから、説明しながら詳述したいと思います。下の図は、上眼瞼の断面図です。説明によく使われます。
開瞼の仕組みを順に説明すると、まず意識下では、起きて行動するためには目を開けていたいので、脳が信号を出して、動眼神経を電気信号が伝わり、上眼瞼挙筋;上図のLevator muscleを収縮させようとします。筋は後ろは骨に付いていますから、収縮すると前が引き込まれます。前方は挙筋腱膜;Levator aponeurosisとミューラー筋;Muller`s muscleの2枚に分れます。腱膜は瞼板=まぶたの縁の前に、ミューラー筋は上に付き、
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2015年もまぶたの診療に邁進致します。Ⅴ
これまで、疾病としての機序(=解剖的仕組み)と診断法について記述してきました。現在私達を訪れる患者さんの分類として、3種類に分けて考えて治療法を提示していきます。前回後天性眼瞼下垂の説明を始めたら、長くなってしまったので、一度手を止めました。今回は残りの2種類の説明です。
先天性眼瞼下垂:上眼瞼挙筋の筋力が弱い状態です。前回の後天性腱膜性眼瞼下垂では、解剖学的構造の変化が主体でしたから、構造の修復だけで治すことができ結果が得られる症例ばかりでした。対して先天性眼瞼下垂では、筋力の低下という生理学的異常が本体ですから、構造の変化という手術療法で得られる結果は、確実性に欠けます。外科療法の限界ではあります。しかし先天性眼瞼下垂症に対する内科的治療法は、リハビリ治療も含め存在していません。外
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