美容医療は、形態の改善を図る事を目的としています。現在正常か、異常か?。原因があるのか否か?。目標は理想か標準か?。どうあれ、我々医療者と、患者が想う現在より良好な形態を見出し、その形態を作り出そうとするのです。もちろんゴールは,医療者と患者の合意とするべきです。
ところで立ち戻り考えてみると、作り出そうとするのは医療者の傲慢ではないかとも考えられますよね?。そう言う意見があっても反駁できないかと思われるでしょう?。そうですか?。(急に上から目線!でヤバい!)その答えは、「医療は神の領域だと考えられるからです。」あくまでも私は大多数の日本人の同じく無宗教者ですが、多くの日本人がそうな様に、神という概念は心に持っています。神は人を創造した。自然も生物も無生物もみな、神の意思のもとに存在し
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美容医療の神髄―「器用なんですね!」って、美容医療の基本というか..。
美容形成外科医の私は、患者さんによく言われます「先生器用だから上手なのですよね!。」私はそれに対していつも言います「違います。外科医の能力は,第一にてっぺん=頭、知識と経験が結果を作ります。そして、所見を基に、患者さんとコミュニケーションをはかる、つまり口と耳も道具です。第二に頭の前=視機能です。個々の身体は解剖学的知識に裏付けられた典型的な形態に限らず、変異、変形、疾病が有る。だから医療が必要なのです。手術をしていく際に目で見て把握していき、それに応じて対処していき、形態をどのように治すが外科医の能力です。第三に手です。手は脳が動かすのですが、神経、筋、知覚は手に有ります。これらは必ず加齢と共に衰えますが、培ってきた頭の能力があればレベルは保てます。つまり器用な行為は頭、目、手の連携で成り
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美容医療の神髄本編―美容医療の基本―その4 何故美容外科診療には形成外科診療の経験が必要なのか?。診療の前提となる知識:解剖、生理
前回前置きまでとしたのは、原則論を始めに提示したかったのです。今回は具体的に!
形成外科の診療では、特に顔面の、また体表のほとんどすべての部位の再建を主とします。つまり、見た目の(形態的な)治療も機能の治療も目的とするわけです。対象疾患は、形成外科学会が宣言した項目に従っています。やけど、体表の外傷、顔面の外傷(骨折も含む)、体表の先天性異常、瘢痕、手足の外傷および先天性異常、皮膚皮下組織の良性および悪性腫瘍、皮膚皮下組織潰瘍、瘢痕およびケロイド、その他です。これらの形成外科対象疾患のうちの多くが、美容外科の対象疾患と重なります。これまで何度か述べてきましたが、形成外科と美容外科では、対象患者さんが疾病者と正常者、費用が保険と自費という様に違いますが、目的は形態の改善ということで同じで
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美容医療の神髄本編―美容医療の基本―その3美容外科診療において前提となる知識:解剖、生理とは?。
前回、美容医療における、形成外科の優位性として、形成外科独自の縫合法の説明をしました。
もうひとつ形成外科の優位性として、疾患を治療するため、美容医療に必要な解剖的な知識を学んできたことがあります。さらに言えば、それを実際に目で見たことがあるという点は、ほかにないものです。
近年、卒後に形成外科を大学病院等で研修したのちに、美容外科も始める医師が多くなってきました。今から15年前頃までは形成外科医は美容外科診療をしないという不文律があったのですが、1998年の美容外科学会で両科を同時診療することが勧められたのです。いいことではありますが、かといって形成外科診療において、美容医療の観点から研鑽しているかというと、意識が薄弱な人も多いようです。逆に、いきなり美容外科に入ってしまい、大
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美容医療の神髄本編―美容医療の基本―その2治療:形成外科的縫合とは
美容医療の中で、皮膚科的分野は置いといて、今回は形成外科、美容外科の分野での、侵襲を伴う治療について、その機序、生理、解剖について述べたいと思います。
まず、今回は切開手術に於ける、形成外科的縫合の意味、特徴、違いについて述べると共に、形成外科の優位性についても触れます。
縫合:これまで、26年間形成外科医として、診療してきて、もっとも啓蒙が不足で、そのためもっとも残念な点。何のために、形成外科を受診するのか?。なぜ形成外科医が顔面を手術するべきなのか?。何が言いたいのかというと、私達形成外科医認定医が手術したら、傷跡が消えるに等しいからです。本当?。また偉そうなこと言ってエ~。という声が聞こえそうですし、「だって顔出し,怖いし、傷跡が残るんでしょう?。」といわれると、「じゃあ!
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