2017 . 10 . 17

鼻翼縮小術の内側切開法が評判です。

鼻翼縮小術の手術法には何種類かありますが、外側切開法は適応は限られます。鼻翼の付け根よりも張り出しが大きい症例だけに使うべきです。そして付け根を寄せるには、第一に糸が使われます。この10年来頻用して来ました。寄せた量の約半分が戻ります。年齢と共に戻る量が増えていました。逆に加齢で鼻翼幅は広がりますから、アンチエイジングの手術をしてのニーズは高まってきたのにです。そこで15〜10年前には良く使った方法、内側切除+糸での縫縮法を復活させてみました。内側を切開しても創は見えません。三か月来で約5例施行した中の一例です。

元来美人系の人や、他の部位の改善を図り美形が得られていても、中顔面から口唇付近の改良が欲しいと気付く人は多く居ます。むしろその人は、美的観点が旺盛な証拠です。鼻と口は位置関係が重要で違いが見えます。何故なら口元の美容は知性と品性を表現します。

症例は41歳、女性。若返りを求めて来院されました。早速美容的な評価をします。上下眼瞼、口元等は手を付けてきた。修正や追加を出来る部分を診断しました。外鼻の鼻陵は高くしているが、鼻尖の下がりが残り、鼻翼は外側切除を受けたが、幅は38㎜と変わらなかった。外側切除の適応診断をしないクリニックが多発しています。その点を説明すると患者さんは、先ずそこから治したい。と乗り気です。更に、ブログ見ましたけれど、糸だけでは戻るんですよね。内側を切開するのも見ました。とよくぞご存知です。っと私は感動しました。先ずはこれからちゃんと治しましょうという事になりました。

今回術後経過を魅せたいので、各方向の、左から術前と術直後と術翌日と術後1週間と術後2週間の画像を並べます。先ずは正面像から。

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サイズは上記の通り、術前は最大幅38㎜でした。しかも鼻翼の下方が広いあぐら鼻です。予定では30㎜まで縮めようかと考えました。実際は手術中に32㎜まで締めて行った時点で鏡で見せて止めました。術直後は32㎜です。翌日も変わりません。術後1週間で計ると、35㎜まで後戻りしていました。術後2週間では35㎜と後戻りが止まりました。でも患者さんは、形が綺麗で下の方が小さくなって嬉しい!、と喜んでいます。確かに綺麗です。

更にもう一つ。後で気付いたのですが口唇も締まってこれまた色っぽいんです。後段で説明します

DSC00316DSC00323DSC00328DSC00362DSC00445下面像は当たり前に結果を見せます。サイズは上記の通りですが、その結果鼻翼の付け根の折れ返りと、最大幅の差が変化しています。術前は外側を無意味に切除されているので、鼻翼の張り出しがなく、ベタッとしています。付け根を締めると適度に張り出しが出来て鼻翼らしい丸みが出来ます。これが自然な鼻翼の形態です。外側切除は手術適応が狭いのです。美容医療でも診察が適切でないと結果が得られないということが判りやすい部位です。

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側面像では、よく見なければわかりませんが口唇の傾斜が変化しています。僅かに上口唇の(唇は鼻の下です。皮膚の白い部分が白唇部、赤い部分が赤唇部です。)外反が生じています。赤唇縁のすぐ上が後退していたのがわずかに裏返りました。この程度が適切です。

本症例の患者さんはエステティックラインがマイナスなので口唇が前に出ても下品にならないのです。Talent性として、エステティックラインがマイナスだと女性として奥ゆかしく色っぽいのですが、ゼロの方がセクシー感が増して本症例の患者さんには調和します。

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斜位像でも側面像と同様の変化が得られています。口唇の外反が効いています。実は口唇の手術を予定しています。口唇がエステティックラインの後ろにあると品があるのですが、長いからのっぺりとしてもたついている。野暮ったいのです。

ご覧の様に前医での手術痕は創跡も目立つ。私はこうなれば傷跡の修正も兼ねて切除追加をしてあげたいと思いました。約一年前から、追加切除して傷跡も目立たなくする手術を行いました。ブログ提示症例もあります。形成外科医は縫い方が違いますぜ!。今後一つ一つの経過を見ながらバランスを取って順次改善を図って行きましょう。

それにしても、術後2週間の口元はきれいです。患者さんが「キューピットの弓:Cupid’s bow がはっきりとしてキレイですね。」と自分の顔に満足しています。私は一緒になって喜んで、「それはそうです。でもそれは貴女のエステティックラインが、素材が綺麗だからです。とにかく素敵ですね!」と言って惚れました。あくまでも手術結果を誉めたのでありますが、患者さんは美しさを誇る価値のある女性です。

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術前と術後2週間を比較すると、撮影角度と表情が違いますが、本当に口唇の傾斜と外反が増し、キューピットの弓の形が明瞭化しました。見る人の心を射止めます。弓とはその意味でしょうか?。上右図術後2週間では、薄紅を引いて強調して弓の形を魅せています。でも外反は正面からは解りませんから、やはり長い白唇部が気になってしまいます。

術式ですが、現在模索中です。後戻りがゼロにはできませんでした。内側切除法は糸だけよりは後戻りが少ないが、粘膜で寄せても結局は徐々に伸びて来る。そこで糸プラス、内側切除に内側の粘膜の裏側を縫合すればより良い。更に両側の鼻翼の間の粘膜を骨膜上で剥離して、寄せた位置で癒着させればその位置に留まる筈です。上手く剥離して糸で寄せておけば、その位置に癒着するのですが、ここからは侵襲と手術時間と費用の問題です。その意味でも、本症例はいい結果を見せていますから、中長期的に魅せます。

今後の経過を随時提示していきますから、お楽しみに!