2017 . 9 . 21

今度は鼻翼縮小術の内側切開法が続いています。

鼻翼縮小術の手術法には何週類か有ります。40年来行なわれて来たのが外側切開法。ただし適応は限られます。鼻翼の付け根よりも張り出しが大きい症例だけに使うべきです。そして付け根を寄せるには、第一に糸が使われます。この10年来頻用して来ました。統計を執ってきましたが、寄せた量の約半分が戻ります。ところが症例を分析して行くと、年齢と共に戻る量が増えていました。加齢で糸のかかる皮膚が弱くなるからでしょう。ましてや加齢で鼻翼幅は広がりますから、アンチエイジングの手術をしてのニーズは高まってきたのにです。そこで15〜10年前には良く使った方法、内側切除+糸での縫縮法を復活させてみました。何故封印していたのかと言うと切るのを好まない患者さんが多かったからです。でも内側を切開しても創は見えません。更に最近、20年来仲の良い美容外科医とディスカッションして、内側切除法に皮弁法を加えると創が表に出ないで済むと考えました。先日来多様しています。この三か月で約5例施行した中の一例です。

アラフォーの患者さんで、元々大きい鼻翼が加齢と共に更に拡張した際に、治したくなる人が増えています。元来美人系の人や、他の部位の改善を図り美形が得られていても、中顔面から口唇付近の改良が欲しいと気付く人は多く居ます。むしろその人は、知的な美的観点が豊富な証拠です。口元の美容は知性と品性を表現します。

そこで先日来、鼻翼縮小術として内側切除法+糸での縫縮の併用を再開しました。患者さんに求められたのです。判っている患者さんに要望されると、すぐ乗るのが私のいいところです。

症例は41歳、女性。若返りを求めて来院されました。早速美容的な評価をします。上下眼瞼、口元等は手を付けてきた。修正や追加を出来る部分は診断しました。外鼻の鼻陵は高くしているが、鼻尖の下がりが残り、鼻翼は外側切除を受けたが、幅は38㎜と変わらなかった。

キター!またか。外側切除の適応の診断をミスするクリニックが多発しています。最上部に書いた様に外側切除の適応は少なく、シミュレーションしながら慎重に診察し決定しなければ、な〜んにも満足が得られません。その点を身振り手振りを加えて説明すると、患者さんは「先ずそこから治したいの〜!」と乗り出してきます。更に「ブログ見ましたけれど、糸だけでは戻るんですよねえ!。内側を切開するのも見ました。」とよ〜く判っています。

そのように迫られては直ぐ飛びつくしかない私です。先ずはこれからちゃんと治しましょうという事になりました。逆に言えば、この手術の経過はやってみなければ判らないから先行したいのです。やっぱり後戻りがあるからです。

今回術後経過を魅せたいので、各方向の、左から術前と術直後と術翌日と術後1週間の画像を並べます。もちろん計測値も併記します。先ずは正面像から。

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サイズは上記の通り、術前は最大幅38㎜でした。しかも鼻翼に下方が広いあぐら鼻です。予定では30㎜まで縮めようかと考えました。実際は手術中に32㎜まで締めて行った時点で鏡で見せました。「アアッ、これ以上したら変かも?。これでいいです。」そこで止めました。術直後は32㎜です。翌日も変わりません。術後1週間で計ると、35㎜まで後戻りしていました。でも患者さんは「形が綺麗。下が小さくなって嬉しい!」とうっとりしていました。患者さんは所作が色っぽいので、私も美しさにキュンっと心の昂まりを覚えます。そこで術前画像を見て「前はあぐら鼻だったんですよ!。顔は下が細いんだから鼻も下が細い方がフィットします。」と言い添えました。正直でゴメンナサイ。

更にもう一つ。後で気付いたのですが口唇も締まってこれまた色っぽいんです。後段で示します。

DSC00316DSC00323DSC00328DSC00362下面像は当たり前に結果を見せます。サイズは上記の通りですが、その結果鼻翼の付け根の折れ返りと、最大幅の差が変化しています。術前は外側を無意味に切除されているので、鼻翼の張り出しがなく、ベタッとしています。付け根を締めると適度に張り出しが出来て鼻翼らしい丸みが出来ます。これが自然な鼻翼の形態です。

そうです。昔父は新しい手術法を覚えると、患者さんみんなに奨めていました。外側切除の結果ぺちゃんとした鼻を、父は自分が作ったくせに「ウサギみたいだねえ!」とかいって笑っていました。仕方ないので耳輪からの皮膚軟骨の複合組織移植をして治していました。患者さんは満足していましたが、取って付けた様で段差が有りました。外側切除は手術適応が狭いのです。診断は手術法の決定の為にあります。美容医療でも診察が大事なことが判りやすい部位です。

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側面像では、よく見なければわかりませんが口唇の傾斜が変化しています。僅かに上口唇の(何度も言いますが、唇は鼻の下全体をいいます。皮膚の白い部分が白唇部、赤い部分が赤唇部です。)外反が増強しています。本症例の患者さんはエステティックラインがマイナスなので口唇が前に出ても下品にならないのです。むしろキャラクターとしてエステティックラインがマイナスだと女性として奥ゆかしく色っぽいのですが、ゼロの方がセクシー感が出て調和します。下にエステティックラインを画像で示します。

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斜位像でも側面像と同様の変化が得られています。口唇の外反が効いています。実は口唇の手術を予定しています。口唇が下がっていると品性があるのですが、長いからのっぺりとしてもたついている。野暮ったいのです。ご覧の様に創跡も目立つ。いつものやつ:チェーン店系で嵌められましたです。今後一つ一つの経過を見ながらバランスを取ってタレント性(特質、特性、性格等の外面的人格と内面的人格の調和性)に合わせて、順次改善を図って行きましょう。

という訳で敢えて、現時点では契約外ですが、口唇の像を提示させてもらいます。患者さんが「キューピットの弓:Cupid’s bow がはっきりとしてキレイですね。」って自分の顔に満足しています。私は「ほんとだあ〜!。気が付いてくれて有り難う。」って私は目が行っていなかったくせに一緒になって喜んで、しれっとして「それはそうなります。でもそれは貴女のエステティックラインが、つまり下地がハイレベルだからです。だから結果が得られるのです。」とか言って、一緒になってうっとりとしました。

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本当に口唇の傾斜と外反が向上し、弓の形が綺麗になりました。最右図の術後1週間では、口紅で強調して下さいました。有り難う御座います。でもその結果、長くてだらんと白唇部が気になってしまいます。

DSC00315DSC00365ご覧の様にエステティックラインはマイナスからほぼゼロになりました。口唇の位置は僅かに前突と前傾が増えています。ちょっとした違いですが、所作にそこはかとない色っぽさが増加しました。これは動的な変化ですから動画で魅せられないのが残念です。

 

ところで患者さんは良く知っていますね!?。勉強しているのですね。知識をお持ちですから、私も診察が楽しいのです。診療上で私が好きなタイプです。ただし学術的な勉強ではないので、(医師以外は学べない知識があります。)私達医療者が補足します。勉強とは自分に役立つ為にするもので、時に損得に繫がります。自分に取って良い結果をもたらす為です。知性と教養は自分の為だけでなく、人々の為になりますが、自分の損得には繫がりません。学術的な学問とは両面の間に跨がり、個人に対して知性的向上を齎しながら、全体に対しても民度の底上げを図ることが求められます。もちろん患者さんが知識を得ていた方が結果が良好になりますから、これからも診療が楽しみな患者さんです。

アッいけない。今回の術式について何も記載していない!。ただの内側切開手術ではありません。もう一つ手の込んだ工夫が為されています。リッツのDr.広比(実名出してゴメン)とも議論しました。そう言えばそうだ!。来週に本美容外科学会JSAPSの学術集会があるので、そこでまたお互いの深い経験を持ち寄りディスカッションしよう。その上で更にこの手術の有用性を皆さんに掲示して、提供して参りたいと思います。術式の細部は、その後提示して参ります。