2015 . 7 . 23

スレッドリフトも捨てたもんじゃないよ!3か月後の経過

3ヶ月前に、スレッドリフト,Thread Lift をした患者さんの経過写真を撮らせてもらいました。

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左図が術前、右図が術後3ヶ月です。なんかいい感じじゃあない?。スレッドリフト訳すと糸挙げ術も、材料がどんどんよくなっていて、保持力が持続する様になりました。

従来のフェイスリフトは、切開して余剰皮膚を切除し、皮膚の位置を引き上げれば、永久的効果が得られると説明してきました。それはそうで、確かに手術の「効果」は永久的ですが、手術は加齢を止めるのではない訳で、皮膚や軟部組織は何もしない場合と同じスピードで緩んでいきます。つまりフェイスリフトで10歳分引き上げたら(その程度が限界です。)いつまでも10歳若い効果は保てますが、例えば40歳の人が30歳に見えるのと、60歳の人が50歳に見えるのとでは、意味が違うでしょ。だからまた、リフト手術を受けたくなるのです。

かといって、手術時間が効果に直結するので、料金にも直結するし、ダウンタイムにも直結します。またまた、話しがヤバいほうに行きますが、チェーン店整形屋では、安く売って、全然挙げない手術をする医師がいます。よく言う「安かろう悪かろう。」です。

そんなフェイスリフトもどき手術を受けるくらいなら、ならば回数は増えるけれど、スレッドリフトで簡単に挙げてもいいのでしょう。手術時間は短いから料金も安いし、ダウンタイムは格段に短いし、傷跡も無いに等しい。簡単なのにフェイスリフトもどき手術なんかよりはずーっと効果的です。もちろん効果は少なくても、持続はします。

スレッドリフトの糸の種類は、過去20年来工夫されて来ました。それより前にはただの糸で引き上げただけでした。重瞼術の埋没法と同じです。顔の重い組織を糸だけで挙げても、中でずれていって効果は消失します。知り合いの美容外科医がしたのを見たことがありますが、数ヶ月後にはなんにも効いていませんでした。

その後、刺がついた糸ができました。結構効きますが、挙げるからには、どこかに挙げたいのに、支えがないので、張りは出るが挙がらない方法でした。

次には、こめかみの髪の中に小さく切開して、筋膜に引っ掛ける方法ができました。切るので、不評でした。糸にはコーンが付いていて、刺よりよく引っかかりました。

同様に、刺の糸をこめかみに引っ掛ける方法もありましたが、本数が必要なので、現在はあまり行われていません。

金の糸を入れる方法は、頬に格子状に入れることで張りを出すだけです。挙がりません。要するに金は錆びないので、永久に入れておけて、金属なので強いと言うだけです。反応してコラーゲンが増えると言う説がありましたが、単なる異物反応です。

これまでは非吸収性の糸でした。しかし、永久に入っているから永遠に効果があると考えるのは、浅はかです。糸が掛かっている組織は皮膚軟部組織ですから、糸がずっこけてくるのです。布切れを縫ったら糸が切れるのでなくて、布がほつれてくるのと同じです。

吸収性の糸のほうが安心です。有害事象が起きても消えるからです。そして非吸収性のものは、異物反応はあれど生体組織反応はないのに対して、吸収性の糸は生体組織に何らかの有機的反応を起こすため、周囲のコラーゲンが引き締まるのです。最近はその点が解明されて来て、吸収性の糸によるスレッドリフトの有用性が認識されました。

今回のスレッドリフトは、2種類の糸を使います。コーンの付いた糸を耳の前に止め、頬の皮下組織を挙げます。その上で皮膚の裏に刺の付いた糸を掛けて、2層を挙げます。術後の回でJowl Liftと説明しました。昨年のJSAPS:形成系日本美容外科学会で顕微鏡像で、コラーゲンの増加が提示され証明されました。本年のJSAS:非形成系本美容外科学会で当院の岡田医師が発表し、臨床的効果を提示しました。

コラーゲンの置き換わり、緩みは年単位で生じますから、当初の効果は永久性はないですが、簡単に受けられる方法であり、1回目の糸が吸収されていれば干渉しないから、経年的追加は容易です。実際に年に1回ずつ追加している患者さんもいらっしゃいます。