2016 . 2 . 19

リフト手術は下顎のラインを取り戻します。見て見て!

リフトとは、引き上げる事! 下顎縁の口角の下にマリオネットラインが出てきますが、この溝はその外に組織が落ちてきたからです。皮膚と皮下脂肪が共にです。この部が一番目立つ加齢顔貌の原因です。従来は、フェイスリフトで一生懸命引き上げてきましたが、後戻りは避けられません。本邦では唯一、私の先輩の宇津木龍一先生が計測しています。予めほくろを計測しておき、例えば2.5㎝引き上げて位置が移動したのを経時的に画像解析して行くと、1年で0.5㎝でなく、3年分の1.5㎝戻っていたそうです。学会で画像提示していました。つまりフェイスリフトでも、5年分の引き上げをしても1年後には3年分戻っていたと考察していました。

そんなら、糸ではどうでしょう。もちろん永久性はありません。約2年以内には戻ります。数字的解析は未開の分野ですが、実は現在のテクノロジーでは容易です。今後手をつけるべき分野だと思います。

糸なら、何度も出来ます。1年に一度している患者さんもいます。痛いのは一瞬です。両側15分間で終わります。レーザー等の表面からの治療だって痛いですし、毎月の様に繰り返してメンテナンスしなければ元通りです。同じ様に、糸で毎年繰り返してもいいのではないでしょうか。

症例は48歳女性:ところで、6年前に私が右頬のできものを取った跡が見えますか?。確か1.5㎝長でした。見えませんよね。これが形成外科医の技です。

下左図が術前正面像             下右図が左斜位像です。

DSC00571DSC00574

下左図が術直後の正面像           下右図が斜位像です。

DSC00576DSC00579

 

正面像では、顔面の下半の輪郭の変化が見られます。また、マリオネットラインの深さが影の色の濃さの変化としてみられます。斜位像でも、マリオネット線の深さが影による色の濃さとして変化しているのが判ります。

この程度の変化がいいのです。だって翌日から社会復帰出来ますよ!。本症例の患者さんももそうしました。よく見ると、耳前の針孔かに赤い血液が付いています。30分後には止まりました。他に腫脹や内出血は皆無でした。もしダウンタイムが必要無い手術だとすれば、だから受けられやすい手術だとすれば、変化も根本的ではない方が受けやすい手術だと考えられます。でもなんか若々しい。可愛い感じ。そんな手術です。

繰り返しますが、ダウンタイムがない簡便な美容治療は少ない効果でもいいのです。さらに言えばメンテナンスとして年余で繰り返してもいいのです。

では来週の経過を見て短期的な後戻りの程度を評価しましょうね?