2016 . 8 . 5

何とか眼瞼を若返らせてきた症例。

眼瞼のアンチエージングは難しいのです。いろいろやってやっと若年時に近づいて来た症例です。症例は66歳の女性で、これまで、下顔面と中顔面のスレッドリフトを紹介して来た症例です。上顔面とは、瞼から上部分をいいますから、瞼を若返らせるのが優先順位です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAまず眉下切開で、皮膚性下垂を除去しました。OLYMPUS DIGITAL CAMERA次に切らない眼瞼下垂手術=黒目整形=NILT法を外側だけ行いました。上の画像の如く、外側が下がっていて三角目になっていたからです。術直後は逆三角目になりましたが、これまでも述べて来た様に、いくつかの原因で術直後はオーバーだから、戻って丁度いいでしょうと言いました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAところが1週間経ても、左は良好なカーブが出来たのに対して、右はやはり外上がりが残りました。更に、左の目尻の上に皮膚が被さっているのが気になるとの事。開瞼は向上しても皮膚余剰は取り切れていないと言う事です。目脂が目尻の皮膚にこびりつくとの事でした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAと言う事で、右の内側にNILT法と左の最外側にMT法を追加する事にしました。今回の結果ですが、直後は右の開瞼がオーバーです。左の外側の皮膚は突っかかった様に挙がり過ぎています。またまた、術直後なので経過を見ましょうと申し上げました。もっとも患者さんは「なんか若い時に戻ったみたい!、若い時はこんな感じに目が大きかったのよ!」ですって。私は心の中で「じゃあ私よりでかいかも?」と思いながら、「でも数日で変遷しますから、経過を診て下さい。」と言いました。

次週来院されます。もしかしたら、右内側も追加したくなりそうです。とにかく、最上部の術前と比べたら格段の改善で、若々しい。それは確かです。60歳以降の患者さんの若返り手術は、どれだけ時間を戻すかが重視される観点です。まぶたは皮膚が薄いので、伸展弛緩が早い部位ですから、取れば取るだけ、そして筋力を上げれば挙げるだけ改善が図れます。要は程度の問題です。だから逆に、若い時に戻ったと云われるとこちらは、「やり過ぎかも?」と悩んでしましまいますが、実は本症例は他の面でも手を加えて来ているので、バランスが取れていると思います。

ただし、やはり手術の侵襲と結果の大小は、作用反作用の関係があります。本症例では眼瞼では切開出来ない状況です。そのため、眉下で伸展した皮膚を除去し、開瞼は切らないで挙筋を強化し、二重を止めて皮膚を挙げてみました。ところが今度は、これらの組み合わせのバランスが難しいのです。こっちを治すと、そっちが気になり、更にそこを治すと、あっちも気になる事になります。それもこれも、根治的な切開手術では無く、ダウンタイムが少ない、侵襲が少ない手術の組み合わせで対処しているからです。これはこれでありです。事実患者さんは現役で社会人として仕事しています。今回のシリーズでも特に長期の休業は取らないでできたそうです。

次週の経過をお楽しみに!