2016 . 10 . 13

片側の切開法眼瞼下垂手術=黒目整形を希望された。蒙古襞の拘縮が目立つからいつものやつ。当然両側したくなります。

何故この手術の組み合わせばかり多いのか?、理由は二点あります。まず結果がいいから。そしてその中期的経過をブログで提示してきて、皆さんがご覧になり、経過も理解して来院されるから。もう一つこの組み合わせでは、保険診療での眼瞼下垂手術に、自費の目頭切開の組み合わせなのです。料金的にサービス出来ます。ブログ提示の承諾をいただくとさらにプライスダウン出来るからです。ここだけの話ですが、保険3割で約5万円+自費で28万円+消費税が21万円+消費税くらいにまで下げます。

敢えて言うなら組み合わせ手術をすると、私も患者さんも楽です。約1時間半+45分の手術が2時間位でできますから、時間短縮効果があるためサービスできるのです。さらに道具や材料や薬の用意も一回で済むから料金をサービスできるのです。その結果提示症例も多いのです。

切開法の眼瞼下垂手術に限らず重瞼術でも、目頭切開と組み合わせて繋げるデザインを薦める美容外科医は少なからずいますが、わざとらしい結果を作ってしまう美容外科医が多い様です。当院にもよくいらっしゃいます。比して、Z−形成法による目頭の蒙古襞の拘縮の解除術では、不自然な形を呈さないどころか、むしろ自然な形態と機能には欠かせないと見られるのは、これまでのブログを見れば証明されていますよね。

症例は42歳、女性。先天的には一重まぶた。20年前に埋没法で重瞼術を受けている。その後の経年変化で、眼瞼下垂症状を呈してきて、くぼみ目、重瞼線の多様化を来たした。合併症とLF11.5mmで先天性が否定的であることから、後天性腱膜性下垂と考えられる。

ただし眼裂横径23mm/内眼角間34mm/角膜中心間58mmと、眼球が離れていなくて顔幅も小さいのに、(計り忘れました。画像も提示できないのが残念です。)横径が小さく、蒙古襞の被さりが大きい。画像を見ても判る様に拘縮も強く、眼裂内側方面の瞼縁も皮膚も挙がらない原因になっている。

初診時に眼瞼下垂と重瞼術に対しては切開法での定着を希望されました。では、蒙古襞の拘縮はどうしましょうか?、通常は眼頭切開の同時施行の検討を提案するはずなのですが、何故か今回は告げなかったようです。したがって左からの片側ずつの、眼瞼下垂症手術を予定しました。

そこで手術当日に、術式の確認をしようとしてラインを当ててみて、「こんな感じで!」というと、患者さんは「内側までラインが欲しいわ、平行型でなくてもいいけど?」とリクエスト。それではと、ブジー(二重棒)を当ててみても蒙古襞の拘縮が強くできない。もちろん判っていました。そこでもう一度、左手指で蒙古襞を引き上げながら、右手でブジーを当ててみた瞬間に(これはいつもの診察手順)、患者さんは「これがいい~!」と欲しそうな表情。私は「だって蒙古襞が被さっているほうですよ!、だから組み合わせの手術が自然です。言ったでしょう?」と開き直ると、「聴いてないです。」ですって。”ガーン”、と私の不備を恥じ、素直に「言ってなかったあ?、ごめんなさい」と謝ると、「じゃあお願いします。」と直ちに依頼されました。費用の説明とモニターのお奨めをして、「時間あるかなあ?、ちょっと押してもいいよね?」とスタッフと相談して決行しました。

画像を提示します。今回の予定は左片側の手術です。目頭も片側で決行します。

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上画像が術前と左側手術直後です。ライトの反射を見て下さい。ちゃんとできました。

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上に術直後の近接画像を提示します。同様にライトの反射を確認すると、左側撮影時には下方視となりましたが、それでもよく開いています。ただし、左下方視でもあるからか外上がりです。上の両眼の画像ではよく開いて、外上がりは目立ちませんよね(無くは無い?)。右側は内側が挙がっていません。目頭切開による形態的機能的改善はこの違いです。

眼瞼下垂手術は瞼縁を挙げる目的ですが、視線の方向、筋力の変動で㎜以下の変化します。でもそれが見えます。通常時には挙筋の収縮は眼瞼内のセンサーと脳のコントロールを受けていますがさらに気分でも自律神経系の変動で大小します。私達が基準とするのはリラックスした気分で正面視での瞼裂縦径を比較することが定式です。筋を締めて仰臥位でプラスされていればまず効果が得られています。何本か糸で締めたら座位になって確認します。時には、弱い所を追加したり、強すぎる所を除去して掛け直したりします。こうして時間が押してしまうことおあります。今回は時間的に追加出来ないので、緊張しました。

目頭切開と言う言葉は旧いと思います。洋語ではMedial Canthoplasty とかEpicanthoplastyとか呼びます。直訳すると内眼角形成術です。つまり切開や切除が目的では無く、形態を改善することで機能的改善を目的としているのです。従来の目頭切開は、蒙古襞を切除して横径のサイズを拡大することが第一目的でした。押し売り的美容整形では、末広型の二重を希望する患者さんに目頭切開をしなければ出来ないと薦めることも増えていました。でもどちらにしても、ただ切り取る手術法デザインが横行してきました。美容整形の旧いやり方で、今でもほとんどのチェーン店では進歩していません。一番酷いのはSチェーンでの三日月型切除です。だからあ〜違うんです。蒙古襞は皮膚・眼輪筋が拘縮している、つまり下眼瞼から繫がった蒙古襞が突っ張って持ち上がらない為に、上眼瞼の内側が挙がり難い原因になっているのを治す必要の手術なのです。つまり眼瞼下垂症手術の補助として必要な症例が多く存在するのです。その為には縦の拘縮を解除する手術デザイン=Z−形成やW−形成が有効です。形成外科医に取っては常識ですが、非形成外科医のチェーン点系の美容整形屋はビジネスに邁進していて勉強しませんから、知る由もなく理解も出来ません。そもそも彼等の中に眼瞼下垂手術を適切に施行出来る医師も少ないに、手を出してしまうのが現状です。

眼瞼下垂症には先天性と後天性があります。多くの先天性筋性眼瞼下垂症は、生下時に形成外科医に治されています。先天性皮膚性眼瞼下垂症つまり一重瞼は放置され、成長後美容外科医に罹りますが、眼瞼下垂症状の改善が不足なケースが多いのです。後天性眼瞼下垂症の多くは物理的刺激に因る腱膜性です。この十数年来は、形成外科医での治療が常道となり良好な結果を呈して来ました。このうち皮膚性眼瞼下垂である一重瞼を伴っている症例では蒙古襞の拘縮が標準的に存在するのです。一重瞼の遺伝子と蒙古襞の遺伝子は併存しているからです。ですから、重瞼術を施行するに当たっては蒙古襞の解除をするべきか診断しなければなりません。通常シミュレーションするとすぐに、形態的に判断出来ます。本症例でも術直前に診断されました。

つまり多くの症例で、一重瞼を二重瞼に改良する重瞼術を施行する際に、蒙古襞の解除=内眼角形成術(Z−形成法がもっとも有用)を併施した方が、自然な形態と機能を作り出せます。本症例でははっきり見えますよね。術後画像で、他院で埋没だけ施行されている右眼瞼の形態は不自然です。眼瞼下垂症手術+切開法重瞼術に、Z−形成法による内眼角形成術を併施した左眼瞼の方が、自然な形態です。しかもよく開いてい手、機能的改善にも寄与しています。もちろん術直後は腫脹を伴っているから、手術した感はあります。

上の述べた様な意味で、本症例では良好な結果を得られましたね。今後右眼瞼の手術と共に、左眼瞼の中期的経過を提示して、皆さんにご理解を深めていただくよう期待しております。