2017 . 4 . 27

可愛い女子には黒目整形=切らない眼瞼下垂手術(NILT法)の応用ですが・・。

今回はNILT法=切らない眼瞼下垂手術=黒目整形の症例を掲示します。

症例は22歳、女性。とにかく広い二重を求めて来院。皮膚の余剰は年齢的に少ない。となれば切らないで重瞼を作りましょうということになります。でも、開瞼が強くないから、広い二重瞼にすると、相対的に眼瞼下垂になり眠そうになる。前葉を持ち上げる量が増えるので重さで開きにくくなり得る。これを医原性眼瞼下垂症といいます。他院で受けられてとく起こします。であるから、埋没法で重瞼を作る際に切らない眼瞼下垂手術を併施するべきです。

でも初療医は、そのような説明なしに診察中に身体局所の所見も取らずに私に手術を回してきました。私は一目見て判断できますが、若造はそんなに経験ないのに、とにかく手術を入れてくれました。私はありがたいのですが医療人の同僚として恥ずかしく思いました。

とはいえ、私は手術をさせていただきました。下に術前と術直後、そして1週間後の画像を提示します。

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術直後はちょっとオーバーに開きましたが、これはいつものこと、術直後ですから、局所麻酔が眼輪筋に効いているため、閉瞼力が低下しているために、開きすぎるのです。1週間後には解消しつつあります。目分量ですが、術前と術直後の差の半分が戻ります。

その目で下の近接画像をご覧ください。

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視線の持って行き方が変なのは、術直後の疲労のためです。同時に角膜と外眼筋に点眼麻酔が効いているためでもあります。通常1.5時間くらいで治まります。術直後には眼瞼縁の下に白目が見えますが、術後1週間では視線も定まって眼瞼縁の下に黒目が見られます。さすがに白目が見え続けるとみっともないと思います。

ただし、切らない手術では術後の腫脹は軽いと言っても、術後亢進します。いつも言う様に48時間がヤマです。術直後には対して腫れていないのに、術後必ず一度は腫れます。出歩けない程では無かったとの事ですが、術後1週間でもまだ術直後よりは目立ちます。開瞼のオーバー;over correction は直ぐ治りますが、腫脹の軽減には個体差が有ります。

まあまあ、術後2日をピークに何もかも軽快しますから、ダウンタイムは2〜7日とばらつきがあります。通常切らない手術では、そもそも自費診療ですから、診療費も自費です。したがって術後経過観察を義務化していません。こうして、ブログ掲載の承諾を得た患者さんには治療費用を一部バック代わりに撮影(診療もする。)日時を指定して契約します。ですから、こうして術後経過を提示出来ます。

敢えて言えば、どいつもこいつも美容外科医は「埋没法は切らないからダウンタイムがありませんよ!」とかいって誘引しますが、そうはいかない場合もあります。昔ある美容整形屋へ見学に行った際なんか、痛がってぶちバレて、しまいには押さえ付けながら手術していました。残酷な医師でした。有名な捕まって金塊を持って逃げた医師の子分です。でも実は、当院でも通常の患者さんは術後経過を診ていません。稀にバリエーションの中で酷い方の患者さんは術後連絡して来ます。数%以下です。

このくらいのダウンタイムが平均です。1週間では腫脹がまだ残りますが、メイクは2日後から可能ですから、社会生活は可能です。社会生活とは仕事や人と会うこと。家族が居るのに内緒なら、バレない程度を念頭に入れましょう。切らない眼瞼下垂手術の社会生活に対するダウンタイムはこのように最低0日〜14日とばらつきがあります。いや、社会性によりダウンタイムは変化します。2日目からでもメイクすればほとんどの人が仕事出来ます。2日間下向いていたら家族にもバレなかった人も居ます。切開法の場合には確実に1週間はかかりますし創や糸もありますが、切らない手術では格段に軽く、社会性に左右されます。そもそもバレてもいいなら、または少しでも変わるのが判っていいなら、ダウンタイムは困りませんし出歩けます。

アッいけねえ!診療内容を説明していませんでした。もう一度画像を出します。OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

術前に重瞼線は浅くあります。アイプチのラインです。これを定着させたい希望で、ご覧の通り開瞼が強い方ではないので、広い重瞼線にすると余計に眠そうな力のない目元になってしまいます。切らない眼瞼下垂手術は、眼瞼結膜側から眼瞼結膜とミューラー筋と眼瞼挙筋腱膜を短縮します。Plication と言います。スカートのプリーツの様に折り畳むことです。コツとして瞼板に繋げて固定力を高めるのですが、これには技術と経験を要します。そんじょそこらの真似っこなんちゃってクリニック(チェーン店に多い。)ではできません。もちろんしっかり締めると画像の様に当初オーバーになりますが織り込み済みです。

今回は、先ず裏を締めてから重瞼ラインを確認しました。裏を締めると予め予定したラインより狭くなります。締めた後に座位になりブジーを当ててみて患者さんにも鏡を見せてラインを確認します。結局アイプチのラインを選択しました。画像で見られる様に狭くなる幅は僅かです。仰臥位になり計ってみると8.5㎜でした。これまでにも述べて来た様に、アジア人では7.5㎜が自然にある最高位です。引き込む力源より上にラインを作っても余るので若干ハム状態になります。本症例では目立つ程では無いので8.5㎜を選択しました。

腫脹がある間はラインの評価が難しいのですが、広いラインの割に眠そうにはなっていません。考えられる最高の重瞼幅に出来ました。今後の経過をご覧いただければ、これは有りだと思われると思いますから、お楽しみに!