2017 . 9 . 30

口唇(白唇部)短縮単独症例は適応次第です。この症例はこれでも美しい!

当院では、最近口周りの手術が流行っています。それはこのブログが評判だからの様です。しかも、経時的に中長期的経過を追って画像提示しているから、患者さんにも取り組みやすいと云われました。最終結果はどれもこれも、文句無しの出来です。創跡の綺麗度は最良を目指しています。それだけ真面目に、真剣に手術していますから!。

症例は21歳、女性。これまでにいくつかの美容医療を受けている美人。口元だけは手を付けていない。こうなるとやはり、先ず私としてはバランスを取って行きたいから計測から提示します。

先ず横の比率、内眼角間30㎜、鼻翼幅30㎜と小顔の上に部品も幅が無い。口唇幅も45㎜で、目の間=鼻幅×1.5倍と最高のバランス。縦の比率は、生え際〜眉下=上顔面:60㎜、眉下〜鼻下=中顔面:60㎜とバランス最高なのに、鼻下〜頤先端=下顔面:65㎜と長い。その原因は鼻柱基部〜Cupid’s bow の最下部=白唇長:19㎜にある。

どう見ても美人顔。輪郭が理想的で縦横のバランスも黄金比。各部品も美しく、唯一顔の下の方がもたついているのを治したいという患者さんの観点は正しく、外面的にも内面的にも、進化人で知性に溢れる顔貌です。こうして美容的視点が高い人を美人と捉えます。であれば結果が良好なのは、術前から見えています。

こうなれば比率的に白唇部(口唇)短縮術の適応であると言えます。下顔面が5㎜長いので5㎜切除を提案してシミュレーションするとキリッと美しさを感じます。画像でご覧頂ける様に口唇の厚さと外反は有るから、作り出す必要は無い。これも画像で見られる様に口角はキュンッと挙がっている。それでも白唇を短縮すると相対的に口角が下がる懸念はあるが、二次的に施行も可能ですし、必要無いかも?。五分五分の予想の下、先ず白唇部短縮術を施行する事になりました。私も同意します。

それでは画像を見ましょう。

正面像は術前、術直後、術後1週間、術後4週間の画像を提示します。

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術直後には、腫脹で赤唇まで厚く、口を尖らせた様に見えましたが、術後1週間で治ってきました。口角の下がりは見られません。もう正面の静止画像ではきれいです。鼻翼基部の位置も挙がってきました。毎回言うとおりに、挙筋群が回復してきたからです。

下面像は術前、術直後、術後1週間、術後2週間、術後4週間を提示します。

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1週間の抜糸直後にはまだ傷跡が目立ちましたが、その後1週間で気にならなくなりました。メイクはもちろん可能です。術後4週間の画像ではまだ赤い線が見えます。

左斜位像は術前、術直後、術後1週間、術後4週間です。

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術後1週間ではまだ鼻翼の傷跡は見られますが見て判る様に折れ返りにあるので見えなくなります。経験が物語ります。実は糸が露出していたのをほじくってしまい、傷跡が赤くなりました。

右側面像は術前、術直後、術後1週間、術後2週間、術後4週間の画像です。

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術後1週間で抜糸直後には見られた鼻翼の傷跡は、その後1週間で目立たなくなりました。術後4週間では、今や傷跡が見えなくなりつつあります。

術直後は局麻の容量と腫脹で、上口唇の人中部付近が挙がるために相対的に口角の下垂は見られました。トーヌスに影響して、術後早期の動的静的形態を損ねます。でも術後1週間には、腫脹等の影響が解消して口角と水平になっています。術前の画像では口角が上口唇中央の交連部よりも上にある珍しい綺麗なカーブです。術後2週間では創跡がより目立たなくなっています。動的形態も改善が進んでいます。術後4週間で形態と機能は完成に近いのですが、傷跡はまだまだ変わります。3か月目が完成です。

白唇短縮術の手術野には挙筋群の停止部がたくさんあり、術直後はいくつかの原因でトーヌスが落ちます。結果として鼻柱基部~鼻翼基部が落ちてます。つまり鼻の孔が見えています。術後1週間の画像では鼻柱下制筋は回復して鼻柱の位置は戻りましたが、鼻翼挙上筋はまだ回復途上で下がっています。術後2週間ではさらに戻りつつあります。術後4週間でほぼ水平になりました。まだまだ鼻翼挙筋は強くなります。

ところでもう一つ、だから鼻翼~鼻柱~鼻翼の切開は鼻の孔の中に逃がさない方がいいのです。挙筋群のトーヌスが戻るまではもちろん鼻の孔が見えますが、中を切ると堤がなくなり、鼻の中が永遠に見えます。ですから私は、鼻孔底を切らないで鼻孔底の堤を温存しています。さらに現時点では右鼻翼〜鼻柱〜左鼻翼の創跡は幅ゼロです。赤い線は有りますが白くなります。

とにかく本症例の患者さんは可愛い口元と、輪郭を呈しています。術後経過を3か月まで診ていきます。