2017 . 12 . 2

上口唇(白唇部)短縮術と口角挙上術の組み合わせで可愛さ倍増!

口周りの手術の専門家の様になってきました。縫合法とデザインの優位性を患者さんが認知してきたからでしょう。私は北里大学医局で形成外科診療を16年、同時に銀座美容外科でも診療してきて、その後も14年間形成外科と美容外科の診療をしてきましたから、真皮縫合には精通しています。私は医師となってすぐから父の銀座美容外科医院や他の美容外科クリニックで美容外科の修練もしましたから、美容学にも造詣が深く、デザインの選択に自信があります。

こうして毎日の様に細かいデザインを検討して、説明して、手術に臨み、切っては、血を止めて、形を合わせてから、3層も縫合する時間と手間を惜しみません。3層とは深部から、口輪筋と皮下脂肪層、真皮層、皮膚表面のことです。言うまでもなく真皮縫合の時点で隙間無く合わさっているのを確認します。こうして手術を終えると、素晴らしい結果に感嘆する毎日です。

それは診断が正しいからです。症例を紹介します。24歳、女性。鼻の下が長いのをコンプレックスと感じていた。鼻唇角が鋭角で口唇長が18㎜歯槽が突でモコっとした白唇部を呈している。口角も水平。口唇幅は42㎜と、内眼角間および鼻翼幅に比べて小振りです。

当初から手術を受けたいと仰って来院しました。デザインは口唇(白唇部)短縮術5㎜を外反させ、45度方向で口角挙上術6㎜です。いつもの手術です。今回術後3か月で完成としました。なので画像で経過を見ていきましょう。

下列は術前の画像です。長いものは長いし白唇部が内反している。再右の画像はデザイン後です。

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下は手術直後の画像。予定の形となっている。創からは若干の出血が見られます。

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下は手術翌日です。出血は止まりましたが、腫脹は亢進しています。創の縫合は、連続でらせん状に縫っていますから、ギザギザ感が見られます。

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下は術後1週間の抜糸直後です。創に糸が無くなると、ギザギザ線は消えますが、赤い線です。まだ腫脹が見られます。

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下列は術後2週間。創跡の赤い線は一度うすくなります。口角も可愛いです。腫脹が引いてきて、口唇の形態が可愛く、微笑みに見えます。

DSC00728DSC00731DSC00732DSC00734下列は術後1か月。傷跡の赤みは術後3~6週間頃にぶり返します。但しこの時期には、形態は良好で運動機能には異常を認めません。斜位と側面像でキュンッと赤唇がわずかに外反して魅力的です。術前と比べれば一目瞭然です。

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下列は術後2か月です。まだ傷跡の線は赤いのですが、日常はメイクと口紅で隠せます。口唇の軽度外反と口唇結節の突は可愛らしさの道具です。

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可愛い口元となりました。美人です。1週間で腫脹が軽減してきて、外反が見られます。キュンっとした赤唇が魅力的です。もちろんキューピットの弓も強調されました。ところで患者さんは、術前の画像を見ながら「なが〜!」と叫びながら自分で笑っていました。患者さんは内面的にもキャラクターが可愛い人です。内外面の調和が取れました。これこそ美容外科医冥利に尽きます。

本症例は口唇のうち白唇部が突で赤唇にかけて前突しています。それは上顎歯槽骨が前突な為です。最近白唇部短縮術を多例していますが、実は歯槽部や歯牙や口唇の厚さや反り返り具合はバリエーションが多く、組み合わせるといろいろな症例があります。しかしどの症例でも、白唇部が長いのを標準的な15㎜以下にまで短縮すると、何かしらの効果が見られます。

更に外反度は調整します。口角の挙上方向も調整します。このところ白唇の中心=人中部の引き寄せや、赤唇部結節部の強調も症例によっては選ばれます。その結果として、どの症例でも素材を生かして明らかな改善が見られます。元の形によりデザインは様々です。術前に良く検討しているから、結果が得られるのです。チェーン店ではそのような時間を取れません。

改善が目論めるから手術適応なのです。また改善をしたいから来院されるし、手術を希望される。あくまでも診察所見に基づく診断が下されればの話しですが、逆に本手術の非適応の人は少ないのでは無いでしょうか?。何故なら、日本人(アジア人)は顔面の縦横の比が黄金比率の5;8にはなっていない寸詰まりなのに、三等分した下顔面の比率が長く頤が長くないなら白唇部が長いことになります。そして、エステティックラインもマイナスからプラスまでバリエーションに富んでいて、少なくともプラスで白唇が突の人は、手術が功を奏します。マイナスの人でも白唇部がモコっと出ている人は手術の適応です。本症例が典型です。

もちろん口角の下垂程度はバリエーションがありますが、白唇部切除の適応症例では口角が挙がっている人は少なく、現在90%以上の症例に口角挙上術を併施しています。これがまた可愛い雰囲気を魅せます。この点でも本症例は典型的です。最近は口角挙上術を単独で先行する患者さんもチラホラいらっしゃいますが、それはダウンタイムの関係からです。

可愛さ10倍な症例です。今後の形態的&機能的な変遷は余り無さそうですが、鼻唇角や鼻尖など他の治療も計画していますから、創跡が見えなくなるまで経過画像を提示していきます。