2018 . 9 . 27

口周りの手術3点セットが流行り始めました。ターイヘン!でも結果良好か?。

口周りの手術に邁進しています。先ず人中部の白唇長を測り、15㎜以上は手術適応とします。その上で顔面縦長と上中下の比率を測ると、面長の人でも丸顔の人でも下顔面が中顔面より長い人がほとんどです。C−カールの程度も相談します。

人中やCupid’s bow,赤唇縁の弓形も好き嫌いに応じます。その後口角の評価をする際には顔面部品の横幅を計測するのですが、鼻翼が大きい特に内眼角間距離と違い過ぎる場合には指摘しています。鼻翼縮小術をお奨めするのですが、白唇短縮術後に鼻翼縮小術をすると人中部が膨隆してしまうので、白唇部短縮術の際に鼻翼縮小術を併施して、ずらして縫合した方がよいのです。

こうして口周りは相関しますが、最近では鼻翼縮小術は皮弁法を頻用して後戻りもありません。すごい事です。三つの手術を同時にする事になるので患者さんも私もターイヘンです。でも結果を見ればその良さが判ります。それではご覧下さい。

症例は28歳女性。韓国で鼻翼は手術。鼻翼外側を切除した?。人中部白唇長21mm。E,Aesthetic-ライン,lineより口唇が1mm後方にある口が出ていない骨格。上顔面(生え際〜眉下)70㎜:中顔面(眉下〜鼻下)63㎜:下顔面(鼻下〜頤尖)66㎜と縦長で下顔面が長い。上口唇(白唇+赤唇)26㎜:下口唇(赤唇〜頤尖)40㎜と5:8だが上下とも長い。長い上白唇部を5mm切除可能。側面から見た白唇は直線的でC−カールが無いため、口輪筋を折り畳んで少々外反させたい。人中と弓はもっと明瞭にしたいので0.5mmずつ寄せたい。顔面部品横比は、内眼角間31㎜:鼻翼幅38㎜:口唇幅53㎜と鼻翼幅は小さくなっていない。口角は相対的に下がるので挙上術を併施したい。黄金比の5:8(アジア人では1:1.5)を得る為には横に拡げない様に、目尻方向に5㎜の挙上を予定した。口唇短縮時に鼻翼縮小術内側皮弁法を併施すれば口唇が膨隆しないから、両側鼻翼基部から鼻孔底に幅3mmの皮弁を予定。

画像を見ながら説明します。正面像は左から術前、術直後、翌日の順。

IMG_0523IMG_0540IMG_0576 下顔面が長い術前像。術直後は口唇切除術と鼻翼縮小術の相加効果で腫脹が強く白唇が膨隆します。人中もCupidの弓も拡がってしまします。48時間までは腫脹が亢進し得るため、翌日はさらにすごいのを載せようと思ったのですが、赤唇は腫脹亢進しましたが、白唇はむしろ引き始めて人中の溝が深くなりました。実はC−カールも診られます。側面像斜位像を見て下さい。 IMG_0524IMG_0533 近接画像でデザインを。Nostril sill(土手)がはっきりしないので作ります。切開縫合線は谷になるのでその上に土手が出来ます。白唇短縮は鼻翼基部〜鼻柱〜鼻柱基部を5㎜ですが、両サイドは急激に減らします。何故かと言えば鼻翼〜鼻翼は両側3㎜ずつ切除するので創縁の長さも短縮しますから、口唇側の創縁は余るからです。 口角は目尻方向に5㎜赤唇縁に沿って8㎜の三角形の皮膚皮下脂肪を切除して口角部の粘膜と口輪筋を三角形の頂点に縫合します。

今回は鼻孔底に矢状方向に切除幅をデザインしています。Nostril sillの部位は切除し、その上方に3㎜幅の真皮弁を作ります。

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先ず白唇部を皮下脂肪下=口輪筋上で切除します。次に土手部を幅3㎜切除し、鼻孔底に幅3㎜の真皮弁を作ります。鼻中隔の下にトンネルを作ります。ベースは口蓋骨骨膜です。この解剖は口蓋裂手術の際に見た通りです。両側の真皮弁をトンネル内で繋ぎ合わせます鼻翼幅34㎜まで寄せます。この時点で鼻翼を横に引っ張っても拡がりません。

鼻側の創縁は4㎜短くなっていますから、白唇部を巧くつじつまを合わせて、先ず口輪筋を折り畳んで(私が開発した特殊法)縫合します。真皮縫合の際に鼻柱基部より人中側を0.5㎜内側にずらして縫合します。人中が深くなります。真皮縫合後には隙間がありません。丁寧な形成外科医の技です。表皮縫合は連続縫合で創縁の厚みを合わせるだけです。

口角の赤唇内の真皮縫合は硬結となるので最小限とし三角形の頂点と口輪筋を合わせて三針だけにしています。周りが腫れているのにたいしてその3点は凹んでいます。腫れが取れたら平らになります。 もちろん術後は腫れます。術直後は創縁に血が滲んでいます。翌日には血は付着していなくても腫脹は亢進します。でも48時間がピークです。

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上の下面像は術前と術直後です。方向が若干違うため白唇の厚さは評価不能ですが、どう見ても腫れています。赤唇も前突しています。 鼻翼のサイズはデザイン通りに縮小しました。口唇と比べれば明白です。 口角の凹凸は上に挙げた理由です。

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側面像と斜位像は左から術前、術直後、翌日です。翌日には白唇のC−カールが見えています。赤唇の腫脹が引かないと程度は不明です。意外と早く引きますから次回術後1週間をお楽しみに!

手術翌日も鼻翼38mmを34mmにしたら引っ張っても拡がらない。皮弁法の勝利でしょう。

そこで通常術後1週間(=同じ曜日)に抜糸するのですが、都合で術後6日に抜糸しました。ところが・・やはり早かったのです。

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しかも、鼻翼縮小術を併施すると鼻翼溝の傷跡に緊張が掛かります。言い訳は無しにして早速再縫合しました。その後の経過が見ものです。今回はここまでにして次週ご期待を!

そしてその1週間後に抜糸しました。創は癒合しています。

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問題はその後です。傷跡が目立たない様に治るといいのですが・・。その後初回手術から1か月で診せてくれました。

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やはり、通常よりも傷跡の線の赤さが強く線状陥凹(谷線)が深く、幅も拡がってしまいました。まだ再縫合後の抜糸後2週間ですから、もっと目立たなくなってくると思いますが、術後3か月経ても目立つなら、最終的には修正も出来ます。

本ブログでは口周りの手術の症例提示が頻回です。原則的に所謂モニターの契約をした症例は全例載せています。見ていくとお判りでしょうが、術後の経過はすごいです。だから細かい合併症は目に着かないかもしれません。そしてほとんどの症例で最終的結果は本当に目立たなくなります。だから、みなさんが「第一人者でしょう?」と言って来院されて来るのだと思います。

今回ちょっとした油断で術後トラブルを起こしています。出来れば綺麗に治ってほしいと思いますが、修正術も頭に入れておきます。小さな手術でしょうから、ダウンタイムも少ないでしょう。ただし術後早期は難しいです。傷跡は硬い皮膚なので上手に切れません。術後1週間~術後3か月は触らないの皮膚表層の取り扱いの原則です。実はこんなことも形成外科医しか知らないことです。次回来月に見せて下さるそうです。お待ちしています!

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時追加修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも随時表現や補足の説明を付け加えていきます。

施術のリスク・副作用について ・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。鼻翼縮小術皮弁法は28万円+消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。