近年流行り始めた口周りの手術です。私は5年前に始めました。その患者さんはお悦びでした。たまに来院しています。次が銀座美容外科医院時代から20年来診て来た患者さんで、たまに来院されます。約4年前から患者さんが増えました。それは美容外科医療界でSNSが多用され始めた頃からです。ある患者さんが大喜びで載せたら、SNS上で繫がった患者さんが殺到しました。
最近他院でも、増え始めたところがある様です。美容外科医療では、広告に釣られて診療に到る患者さんが多く、何とかミクスの御陰で、見よう見まねのクリニックが雨後の筍の様に増えているからでしょう。でもその内容はまずい事になっています。一つは術前の診察技術が稚拙で、患者さんに合っていないデザインでの手術結果が見られます。もう一つ、手術の技術は医師により差が見られます。形成外科の技術が無ければ口周りの手術は綺麗に出来ません。創跡が顔の前にある数少ない美容外科手術だから、特に重要な点です。特にチェーン店では技術的修練の暇がないので、創跡の目立つ、後戻りの多い酷い結果を呈します。後で私に「治して下さい。」と泣きついて来ます。
なんと言っても口周りの手術は、適応とデザインを決める美容外科学の知識と、形成外科で修練した縫合技術が必須です。だからまだまだ、私の症例数は変わりません。ただし私は、手術時間を充分に取って丁寧に真皮縫合するから後戻りが起きないのです。だから一日一例しか手術しません。そこはビジネス的チェーン店とは違う事を知っていて下さい。だから好結果を得られるのです。
症例は44歳女性。口周りの手術を希望して来院。丸顔で、口角にボトックスしていたが切れている。人中部の白唇の長さが20㎜。E-ラインは鼻尖と口唇と顎が直線上にある口が出ても引っ込んでもいない症例。ただし白唇の外反、C-カールがない。Cupidの弓ははっきりしている。人中も深くて狭い。結節は前突が少ないが締まりがある唇。顔面の縦の比率は上顔面(生え際〜眉下)56㎜:中顔面(眉下〜鼻下)60㎜:下顔面(鼻下〜顎尖)64㎜とやや下が長い中で、上口唇(白唇+赤唇)28㎜:下口唇(赤唇〜顎尖)36㎜で黄金分割比率の5:8で計算すると上が4㎜長い。5ミリ切除可能で、外反させる。人中部の細工は必要ない。
顔面横部品の比率は内眼角間34㎜:鼻翼幅34㎜:口唇幅46㎜でこれも黄金比率の5:8で計算すると54㎜まで拡大できるが、日本人はおしとやかに口が大きすぎない様に51㎜を目標にした方が良い。三角関数で計算して、口角は40度方向に5㎜引き上げるデザインとした。笑顔が欲しいそうでキュッと上げない様に鼻翼下まで挙げる。
画像は各方向の術前、デザイン、術直後、術翌日から並べて載せます。
長い上白唇をデザインの如く切除して短縮します。
正面像で間違いなくすっきりしました。術後経過は48時間までは何もかも亢進します。手術直後よりも翌日の方が腫脹が増えて口輪筋が働かないために、口唇は富士山型に挙がっています。
デザイン上、口角にマーキングして、そこから40度斜め外側に口角を移動します。三角形の皮膚皮下脂肪を切除しますが、鼻翼の直下に挙げ始めの点を決めて、赤唇縁をなだらかに挙げます。
近接画像で診ると、術前のデザインの通りに白唇が短縮され、口角が挙上されています。
斜位像と側面像の列にはデザイン画がありません。やはり翌日の方が腫脹が強いです。でも術直後の画像を視ると、白唇が内反気味だったのがちゃんと外反しているのが解ります。
翌日に来院してもらいました。当日夜間は疼痛が有って目が覚めたそう。無意識に口を開いたのか?。鎮痛剤が切れたのか?。もう消失している。鎮痛剤は2日間で足りるとの事。創経過は順調で内出血も認めない。腫脹は48時間が最大ですが後はゆっくり軽快して術後1週間に抜糸のために来院された頃にはピーク時の50%いかに解消しているはずです。開口1横指で摂食は食事を潰す必要があったし、力を入れないと口は閉じられない。疼痛があるので力を入れて閉じなで良いと思います。力を入れて下口唇を挙げて閉じても顎の梅干しができない顎です。逆に口角のためには口を大きく開けない方が傷に良いと申し上げました。
経過として通常です。E-ラインが直線的な、頤がある人は、口の動く距離が少ないから経過が早い方です。歯槽と歯牙が邪魔しないからです。
他には精神的な安定感が寄与します。怖がらず、悩まず、落ち着いている人は自律神経の一方である交感神経が過剰反応しないで済むから、血圧が安定していて出血が少なく、血管が収縮しないから傷あの治りも早く、傷の周囲の表情筋も早く回復します。
本症例は通常の治りが良い人でしょう。ただし、傷跡の拡がりとその結果の後戻りは起きるとしても数週間後に顕在化します。私の症例では、この1年間の約150例の中で後戻りゼロが大部分です。3例だけ0.5㎜の後戻りを起こしました。丁寧に時間を掛けて密に(最低18針)真皮縫合した賜物です。その様なためにブログは3ヶ月まで診ていきましょう。皆さんも納得されるでしょう。
最近ブログに術後経過の画像と説明を加える際に、更新日を入れますから、検索順位にが上ります。術後3ヶ月までを探しやすくなります。次回は術後1週間の抜糸直後です。お楽しみに!
術後1週間で抜糸しました。
いつもの様に、抜糸時に引っ掻いてしまうので、創の線が所々赤くなります。
表情を作って写って下さいました。笑えます。笑えますってワラじゃなくて、もう表情筋がよく動かせます。機能的回復の経過は早い方です。口も閉じます。笑顔が優しくて印象が明るい。ただし口角は治りが早いのですが、人中部(白唇中央部)の腫脹に因るオーバーな挙がりは、まだ軽快中です。つまり富士山型に見えます。上の術直後の画像を見れば判りますが、このくらいの挙がりになります。創跡の凹凸は次回まで見ましょう。
斜位像や側面像では富士山型は見えません。口角挙上術を併施していると表情に出るので可愛いのです。
次回は人中部の変遷が診られるでしょう。
術後2週間で診ます。
今回も二葉。実は口角の上にヒアルロン酸。上左図で右口角の上に真皮縫合糸の掛かっている線、左口角に点が凹んでいます。上右図は注射後です。画像は立体視が出来ないので判りにくいでしょうが、ほぼ平らになり、「良かった!」と仰って下さいました。赤いのは針痕で数日内に消えます。メイクで隠せます。
近接画像では右は明らかな改善。左は線が消えました。
今回もう一つ、富士山型の上赤唇縁は解消中です。斜位像や側面像では富士山型に見えません。
斜位像で口角の上の凹みをヒアルロン酸で埋めた後です。こうして診ると平坦化しています。
最近口角挙上の真皮縫合糸に依る凹みに対してヒアルロン酸を注射した症例を載せました。真皮縫合は口角を吊り上げる為に重要で、口角挙上術の後戻りを防ぐ作用があります。約3か月で糸は溶解して吸収されますが、その間凹んで見えます。真皮縫合はそのなの通り真皮に掛けますが、重力で下に引かれると凹みが見えます。今までは、皆さんに待って頂いていましたが、凹みまで口角に見えてしまい、特に術後早期はやり過ぎ感が感じられます。ある程度年齢がいくとやり過ぎ感は目立つのだと訴えられます。
目立つならヒアルロン酸を注射して埋められます。概ね抜糸後1週間から可能でしょう。また3か月経ても凹みが残ったら瘢痕化してしまった可能性がありますから、小さく切開して剥がせます。一例しました。
患者さんに因ってはこの糸の為に挙がり過ぎに見えるのを悦んで頂けます。この間も「どうします?」と訊いたら「これが嬉しいです!。」と云われました。いろいろですね!患者さんは個体差がありますが、そこは社会的にも内面的にもですね。いつも私が言っている事です。
次回お楽しみに!
術後4週間で画像を診ます。
口は閉じますが、頤筋が梅干しを作ります。術前からありました。患者さんの申し出により、BTXを注射しました。この手術では梅干しになる事があります。
口角の点はまだあります。左は見えません。右は線が点だけ見えます。ヒアルロン酸を追加しました。量は僅かですから、費用も千円単位です。3ヶ月で糸が吸収されるまで待ちましょう。その点では、モニターで定期的に来院を約束されているから、私も気になって対応していきます。次回は術後3ヶ月ですが、気になったら来院してくださるそうです。
形態には満足されています。可愛くてお淑やかで、優しい表情です。
術後3ヶ月で終了にできますかね?。
正面像でも近接像でもとにかく表情が優しく好印象を与えます。口角の傷跡は見えませんが、触ると左がまだ若干硬いです。いつかは触れても判らなくなくなるでしょう。鼻の下の鼻柱基部の傷跡は時折痒いそうですが、これも気にならなくなります。メイクで見えませんし、創跡の幅が拡がっていないから計測すると後戻りはゼロです。ただし左鼻翼の横にわずかに膨らみがあります。遠方から来院されているから、もう診察は終了にしたいので、焼いて消す事にしました。下にその直後の画像を。
何か素敵な画像を戴きましたので4方向を載せます。
そこで近接画像でもう一度診ましょう。上左がCO2LASERで焼灼する前。左鼻翼の横に粒が二つ。上段に載せた手術直後からどんどん縮小しました。待てば消えるかも知れませんが、CO2LASERで焼けば平らに出来ます。逆に術後3か月を経て創跡が安定し、今後創跡が広がる事は無いから焼いても問題が無いのです。上右図は焼いた直後。メイクで隠していたのを落としましたから、焼いた跡が赤く目立ちます。焼いた跡は軟膏を1週間程塗ってもらいますからメイクで隠せませんが、平らになって赤みも消えればメイクで隠す必要もなくなるので終診に際して処置しました。小さいので千円でします。それにしても焼灼後の画像では表情も嬉しそうです。患者さんも「綺麗にして下さって有り難うございました。』と仰ってどこか遠くへ帰りました。
その際余りにも嬉しそうなのでもう一度4方向を撮りました。左鼻翼横の赤い跡はマスクで隠して下さいね。頤の梅干しは前回ボトックスを打ったので、口を楽に閉じるときは出来ません。口をギュッと締めれば出来ますが、元々そうだったのです。「今後近医で適時打ってもらって下さい。一応量を教えておきます。2.5IUです。』「逆にこれが判るところなら安心です。」
何とも優しい患者さんでした。性格ですかね。外形を変えたらこんなに印象が変わる人は元々内面的に優しいからです。調和がとれた診療にお互い満足して帰りました。目出たしめでたし!
当院は、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。