2020 . 2 . 26

鼻の形は千差万別。希望も個人差。本症例の患者さんはよく理解しています。=実は前回もブログ提示したかったのですが、改善の余地があったので今回から=

題名が長ったらしいのは、巧くいかなかった症例の説明だからです。まあ!、言ってみれば言い訳です。初回の手術時から、ブログ掲載のモニター契約だったのですが、口角挙上術を載せ始めて1か月後から鼻の手術になりました。ところが!!、鼻の手術の経過が思わしくなく、私はブログ提示しなくなりました。そうこうしているうちに口角の画像も消してしまいました。

当然に修正手術を予定します。もちろん料金不要とします。ただし追加の面白い手術も検討しました。そこは費用の負担して頂いて、私も患者さんも、より素晴らしい結果を造り上げたくなりました。こうして今回画像提示致します。画像が沢山有りますから、当初から載せていきます。

症例は48歳女性。私の評判を聴いて約1年前に来院しました。ご多分に漏れず、先ずは口周りの相談から入っていきました。白唇は16㎜と長くないが、口角の下垂が目立つため先ず口角挙上術を施行しました。

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ご覧の様にいつもの口角挙上術の経過です。上左図が術前▶︎下がっています。上中図がデザイン▶︎斜め30度方向に5㎜挙げました。上右図が術後1か月▶︎よく挙がっています。

その際鼻の相談も受けました。やはり白唇短縮術も受けたい希望も述べられたのですが、順位的に鼻を優先して、最低3か月診てから検討することとなりました。

診察所見です。鼻尖が低い。アップノーズが欲しい。本当のアップノーズを知っている世代です。TDPから3㎜。耳甲介から10×7㎜を3枚重ねで良い。もちろんオープンライノプラスティー。口角挙上術の抜糸時にも診察。Upnoseとは?鼻陵の延長線上より鼻尖が前にある形を言います。鼻稜が加齢で太くなりました。高くなく細くしたい。鼻尖は3枚重ねで。更に一週間後に診察所見。口角はメッチャいいと言いつつ、鼻陵より鼻尖を高く希望。Humpはプロテーシスで隠せます。

口角挙上術から1か月で鼻の手術に到る。Hump 隠す。鼻稜太い。鼻尖高く。I型プロテーシス挿入術+鼻尖の鼻翼軟骨縫合後、耳介軟骨移植3枚重ね。プロテーシスは鼻尖を縫合固定しました。直ちにシリコン膜で鼻稜の両側を帯状に圧迫しテープ固定しました。翌日には腫脹亢進して形が判らないが術中には判っていました。抜糸時には形態良好と見えて来ました。

術後2週間で経過診療。腫脹が軽減するに従って屈曲が診られて来ました。鼻根が左、鼻骨の尖端が右。鼻尖も不足と診られました。シリコン膜+テープ固定を体種的に圧迫。3週間目、4週間目に診察。少しずつ戻っていました。更に1週間後はまだ動かせました。術後6週間では鼻骨尖端部は左▶︎右は治りつつありました。鼻根部の右▶︎左もまだ動かせるので用手的にお願いしました。

術後3ヶ月以上経て症状固定とし、保存的な改善は効を奏しないと判断し、再手術を決断しました。カプセル切開が必要と考えました。年末まで待つ事となります。ここまでの画像を載せます。

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上左から術前、術直後、術後3ヶ月の正面像。太い鼻陵は改善されました。鼻柱の位置は鼻翼より上にあったのが、水平になりました。明らかに!、鼻陵は曲がっています。

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上左から術前、術直後、術後3ヶ月の左側面像。上段に記した如くの変遷が診られます。鈎鼻の改善は撮影角度が違う為と、曲がったプロテーシスが左から飛び出て見える為に鈎鼻に見えます。鼻唇角も撮影角度の違いから改善度が判りません。下の今回の術前画像で説明します。

一度来院して、もう一度改善法を検討しました。鈎鼻はプロテーシスの裏側を削って目立たなくすること。カプセル切開で屈曲を治すこと。上方のポケットがつっかえているため剥離追加を要すること。その後再診。鼻骨先端を削ったらどうかと訊かれました。私は骨切りでは難しいと考えました。上のカプセル拡大、左のカプセル切開、プロテーシス改良で治す事にしました。鼻唇角プロテーシス挿入術を併用する事で鈎鼻の改善を更に目論みました。鼻柱の中の鼻翼軟骨内側脚に挟んで鼻尖を押し上げる事で鈎鼻の改善に効果が得られると考えました。最近ブログにも載せた長い鼻唇角プロテーシスです。

画像は術前から。

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手術直後と比べてみましょう。

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手術は前回の創痕を使います。プロテーシスを取り出し、可及的に(孔があかない限界、約1㎜)鼻骨先端部にあたる裏側を剪刀で削り取りました。前回のカプセルは余り厚くなく、剪刀を開いて伸ばしながら、切開剥離を加えます。一回入れてみてユルユルなポケットなので位置は術後の固定次第で治せると判断し、鼻根部に糸で引き出し固定しました。右鼻孔縁切開を鼻柱基部の後方へ向かって切開延長し、鼻唇角の皮下にポケット作製。上方は鼻中隔軟骨を露出し、鼻柱の鼻翼軟骨内側脚の間にも筒状のポケットを造ります。鼻柱下制筋は剥離切離します。鼻柱の軟骨間までのプロテーシスを作製し、挿入し、鼻尖が前に押し出されて鼻陵の延長線より高くなる事を確認。創を縫合後シリコン膜とテープで”ど真ん中”に固定。

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翌日診ると対称的で、側面像で鈎鼻が診られません。鼻根を高く、上に移動させたため眉骨に繫がり、鼻根の喰い込みが視られません。鼻尖が鼻陵よりわずかに前にあります。アップノーズを造り出せました。鼻唇角が鈍角化して優しい印象です。

続いて術後1週間での抜糸直後。

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この画像撮影時はテープを一度取って抜糸した後です。創が長く縫合の本数が合わせて18針で鼻孔内は取り難いため、意外と時間が掛かりました。本の数分ですが、その間に動いた気がします。私ビクビクしていました。とにかく圧迫固定が重要です。最近いい事思いつきました。シリコン膜で両側を決めて、その上をテープで抑えればプロテーシスがそれを越えて倒れる事はあり得ません。昔父はガーゼでロールを造り同様に固定していましたが、大きくて邪魔でした。シリコン膜は見た目に邪魔でなくてもしっかり固定できます。

プロテーシスは皮下ポケット内に挿入します。鼻の場合層の順に皮膚、皮下脂肪、薄い弱い筋の下で軟骨または骨の上です。プロテーシスの容積より大きいポケット内に挿入し、周囲が癒着して、適度なポケットになるのに最低3週間掛かります。そしてプロテーシスはあくまでも異物ですから、身体は異物反応で排除(包んで体内でない振りをする)しようとして、コラーゲンの膜を造り包みます。これをカプセルと言います。カプセルは幾つかの要因で厚みにばらつきができます。厚いと動きにくいのですが、プロテーシスのコントウールが見えてしまいます。薄いと軟らかいので一緒に動かせます。しかし長年ではコラーゲンは収縮し得ます。もちろんプロテーシス(材料はシリコン=土の成分)を潰す力ありませんが、(植物が土や硬いものを掘るのはコラーゲンより硬いセルロースだから)周囲の組織が弱い方向にずれていくことがあります。通常二つの方向で、1、下方の鼻尖の皮膚は加齢と共に薄くなり弱くなります。カプセルも薄くなり皮膚を押します。稀に穴が開きますが、私は父の入れてから20年以上の症例を何人も治しています。綺麗に治せます。2、鼻尖のカプセルが拘縮し皮膚が丈夫なら、逆に上方に押し上げられます。プロテーシスの鼻根部の長さと層に因ります。骨膜下に入れれば動きにくいのですが、形成外科の技術を持たないチェーン店の医師は骨膜上に入れるので上方移動が頻発します。

あれこれ書きましたが、現時点ではうまく治せました。前回術後変化が起きたので丁寧に診療していきます。ですので定期的に来院をお願いしています。今後共よろしくお願いします。次回をお楽しみに!

下には術後2週間。

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画像上傾きが見えなくなりました。でもこの画像はテープを外した直後です。実は触りながら数分経た後にはわずかに傾いています。鼻骨尖が左になりますから、左→右へ寄せました。傾きとは上が左なら下は右になるので、鼻尖もU字に貼ってテープごと右→左に引いて寄せました。でも傾きは少なくなっています。このままなら、適正な位置で固まっていく可能性が高いと考えられます。患者さんには面倒をかけて申し訳ないですが、うまくいく様相です。

下に術後1か月の画像。

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テープを貼ったままでは間借りが見えなかったです。剥がすと・・、傾きでなく曲がりがある?。右鼻骨が突で乗らないからです。その上に載せて貼り直しました。相対的に鼻尖が右に有るからΩ型にテープを貼ってそのテープを寄せました。

翌週診ると、剥がしても曲がって来ませんでしたが、鼻骨の先端は右に突です。鼻尖は曲がっていません。移植軟骨は前回に入れたので動きません。鼻唇角プロテーシスで押し上げただけです。もう鼻尖にテープ固定は不要としました。いきなり「周囲の友人にすごく綺麗と云われました。」と嬉しそう。私「でもテープ貼り続けて下さったのでしょう。見えますか?。」と怪訝に感じていると「いや知っている人は判るのよ。」ですって。「その人達もベテランなんですね。」と返すと、「皆に誉められて羨ましがられるのです。」と自慢げそして「結構面倒な症例で大変でしたね。もう少し頑張ってみます。」とこちらが恐縮する様な前向きな患者さんです。そう言えば思い出しました。昔、銀座美容外科時代にもこの様な難渋する症例が時にありました。その様な場面をクリアーして来たので今があります。

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当院は、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログに加筆しています。もちろん画像操作はありません。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。今回の手術は鼻尖軟骨移植3枚で35万円+消費税です。 I型シリコンプロテーシス挿入による隆鼻術は18万円+消費税です。鼻唇角プロテーシスは15万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。ブログ提示の契約を頂いたら出演料として20%オフとなります。