2021 . 3 . 17

遂に最終兵器を使います。口周りの手術ですが、今回は上白唇短縮術に鼻翼縮小術皮弁法の併施。でも今後もメンテナンスに勤しむ患者さんです。

毎回ブログ掲載をお願いして来て、顔面のバランスを取って、美容医療手術に励んで来た患者さんです。ブログをじっくり視て下さり、夫々の手術法の意味と目的を理解して来られます。私は出来るだけ詳しく手術法を説明していますから、ご覧になっていて手術法まで理解して、デザインもある程度検討して来て下さいます。私が書いて来たブログを最大限利用して下さるので、私は丁寧に記載していく糧となります。生涯一美容形成外科医冥利に尽きます。いやそう思わせて下さる素晴らしい患者さんに巡り会えた事が幸福です。お互いに!。

私は上白唇短縮術の専門家ではありませんが、確かに症例は多く、そのうち50%以上はブログ記載しています。白唇短縮術は経過が長く、ダウンタイム間の様相も強烈です。ですから逆に中長期経過を記載するブログは、経過中に更新して少なくとも術後3か月まで載せますから、真面目に手術した結果が判るのです。

切って縫う手術は、切開層を確実にして、丁寧な縫合を施す事が絶対条件なのに、他の医師は手を抜きます。だってよく、他院の術後のお直しを頼まれますから知っています。真皮縫合を時間を掛けてしない、いやさせてもらえないのは他院の医師に聴きました。だからもちろん、後戻りが起きるのです。

本症例の患者さんはブログもよくご覧になられていて、多岐に渉る手術法を理解されています。当初から口周りの手術を希望されましたが、他の部位も視て順を追って臨んで来ました。今回遂に上白唇短縮術の機会を得て、もう一つの懸案である鼻翼縮小術を同時に施行した方が経過が良い事も理解されていて希望されました。嬉しい患者さんです。

症例は49歳女性。2年前に初診。予診票の来院目的には”口角挙上術と鼻の下切る”と記載されています。私は”人中部の白唇は16㎜と余り長くない”と記載していますが、顔面縦比を測って、上62㎜:中57㎜:下62㎜と計測値を記載しています。顔面横部品比も内眼角間30㎜:鼻翼幅36㎜:口唇幅50㎜と計測しています。

理由は記載されていませんが、口角挙上術を先行しました。垂直から30度斜め方向に5㎜挙上しました。その後外鼻形成術を先行しました。鼻尖軟骨移植は鼻柱を切開するので上白唇短縮術に先行して3か月以上後に施行する事としました。その頃には口角は完成していて「めっちゃいい!。」と仰っていました。鼻プロテーシスは”滑、傾、斜”のうち曲がりが起き、鈎鼻が治らなかったため、プロテーシスの修正と鼻唇角プロテーシス挿入術を施行しました。何とか治せました。いや実は患者さんが用手的に治しました。出来る人です。

昨年始めには眼瞼の手術に到り、切開法で皮膚余剰を切除し、目尻を越えて切れ長整形まで連続しました。切れ長整形はご存知の様に修正を要する事がありました。今後も必要と思われます。昨年10月には眉下切開手術時に追加修正しています。因みに眉下切開手術の傷跡が余りに目立たないので、今回の上白唇短縮術に対しても安心して臨んだそうです。いつも私が「美容医療手術の中でも顔の前を切る手術は眉下と白唇が主なものですから、真皮縫合を丁寧にするべきです。」と述べたり書いたりしているのを理解されているのです。

遂に昨年末機会を造れる事になりました。白唇長は現在16㎜。上口唇23㎜:下口唇39㎜。赤唇縁が緩い。4㎜切除で両側鼻柱基部で1.25㎜ずつ寄せるプランを立てました。鼻翼幅は同時に皮弁法を施行する方が結果が良いのはご存知です。今年始めに予定を立てます。手術直前にもう一度診察しました。鼻唇角プロテーシスで下げた結果現在白唇は15㎜です。やはり4㎜切除します。赤唇縁を強調したいので1.5㎜ずつ寄せましょう。鼻翼は両側鼻孔底に幅2㎜の真皮弁を造り4㎜縮小するデザインとしました。

画像は術前から。

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サイズは計測値の如くです。赤唇縁の弓型が緩やかで、人中が浅く幅広です。上口唇結節(赤唇中央の膨らみ=私がいつもキスしたくなる唇(いやセクハラになるのでキスシーンと読み替えます。)と称してきたチュっとした尖りが無いです。

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E-ラインより口が後にあります。口元に品性があるのですが、下顔面が長いし、赤唇が薄い。下面像では鼻尖が格好良くしてます。ただし鼻尖幅に比べて鼻翼幅が2倍以上です。

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デザインはプランの如くです。鼻翼の内側=鼻孔底隆起部の縦の2本線分、鼻翼を寄せます。

下列の術直後画像は腫れています。

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従って白唇も前突し、赤唇もぼてっとします。でも赤唇縁のカーブが急峻になったのは判ります。

DSC01773DSC01776腫れてC−カールが消失します。

下列は翌日診ると、創の経過は標準より遥かに早く、外出血も内出血も診られません。腫脹は鼻翼縮小の影響と鼻柱基部での引き寄せの影響で増強して見えます。鼻翼幅は白唇短縮術の口輪筋へのダメージが拡げています。今後白唇の傷跡が線上に狗縮していく課程で縮まる事が予想されます。

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下の画像群。術後1週間で鼻翼横以外は抜糸します。白唇は腫脹がかなり軽減して綺麗でスッキリしています。赤唇縁のカーブがアクセントになり若々しい。患者さんもやはり「メッチャ綺麗!。」とお悦びでした。

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下の画像群。術後2週間で全抜糸します。
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一言めに「良かった!。」次に「赤唇縁にアクセントとニュアンスが出来て唇らしい。」「創がきれいやわあ〜!。」と感嘆。私は「時間をかけて丁寧に縫合するしかないのです。」そしたら患者さん「眉下視ても証明出来るし、誰も気付かないんです。」とこちらが言うことを先取り。

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本症例の患者さんは明るく楽しい女性で、いろいろコメントして下さり、時には苦言を呈して下さります。その際は私も、適時修正に応じています。今回は上白唇に関してこんなに感動して下さり嬉しい限りですが、創跡の経過を含め中長期的経過はまだこれからです。次回術後1か月のコメントが楽しみです。

そして術後1か月です。

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鼻翼の最大幅は34㎜と術直後より縮小しています。口輪筋の回復と創跡の線状狗縮が起きているのです。更に縮まるでしょう。白唇反収術の傷跡は発赤が消失してきました。比較的早いのではないのでしょうか?。本症例の患者さんは身体能力が高いのです。

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今回は余り会話する余地がありませんでした。実は次の予定を立てたからです。その点は又としてその際も画像を頂けると思います。お楽しみに!。

術後約3か月です。

DSC03673白唇の傷跡は目立たなくなりました。

DSC03675DSC03678頤との位置関係で口元が落ち着いています。鼻との位置関係で口元が奥ゆかしいのです。

ただし鼻翼幅は34㎜で留まりました。

当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。