2024 . 1 . 8

定番の上口唇短縮術と口角挙上術。詳しい診察と時間を掛けての丁寧な手術が評判です。

私としましては、10年来口周りの手術は定番でした。患者の皆さんが「日本一の結果!」と褒めて下さいました。両側鼻翼間を切除して富士山型くちびるを予防し、鼻孔底隆起(土手)の下を切開して鼻の孔の中が見えることを防ぐ、上(白)口唇短縮術が定番です。付随して、上下の赤唇縁を切開して白唇を切除した空隙に、横V字型の口角部(赤唇)そのものを持ち上げる、口角挙上術を組み合わせて患者さんは自分を見て、”うっとり?!”として喜ばれて来ました。

「定番でした。」と言うからには、若干減ったのです。2年前までは、多い時で年に50症例以上、つまり毎週手術していました。一昨年(コロナ中)から減りました。昨年は年に20症例でした。三つの要因があります。一つはもちろんコロナ禍です。逆にその間リモート化の結果、TVCMやSNSが有用な美容医療がむしろ隆盛して、一般の医療から美容医療に参入したライバル医師が増えたのも影響しています。二つ目は、チェーン店の非形成外科が率いるビジネス的クリニックに形成外科医が雇われて、その上やっぱりコマーシャリズムを駆使して患者さんを誘引して、口唇を手術する様になったからです。いつも私が言う様に診察法が稚拙で手抜きで、美容的要素を加味していないテキトーな下手な手術が横行したからです。三つ目はこれが私にとっては重要なことですが、この5年間私がリフト手術、それもほとんどオリジナルと言える広範囲皮下剥離リフトを、ブログに提示して、評判となったからです。リフト手術は時間を要しますから、口周りの手術の診療(診察と治療=手術)の枠が減ったからでもあります。

そうは言っても、このブログを見て下さる患者さんは後を絶ちません。私は未だに、ブログを最大の武器としています。細かい説明と、この様なコラムを書けるのはブログに限られますから。またブログは、更新しながら中期的経過を載せられて、いわゆる使用前使用後だけでなく、術後早期の経過も観ることが出来ますから、患者さんにとっては有用です。他院のインスタなどでは、プチ整形なら術前術直後だけで、中期的な後戻りは載せないか、侵襲が大きい治療なら、ダウンタイムが済んだ長期的結果だけを載せていたりして、誘引効果だけを求めています。

美容医療の患者さんは、最近では簡単な診療に於いては親しい人には伝えますが、本当の口コミはまだ多くありません。したがって多くの患者さんはコマーシャリズムに流されがちです。その点私のブログは真面目に”広報”(広告ではない)活動と捉えられています。さて来院されたら大事なことは、真摯な診察と丁寧な治療です。ブログを視てから来院された患者さんは、ある程度知識(情報だけではない私が記載した美容医学的な知識)を頭に入れてから来られますから、診察が進め易く、お互いスムースに理解が為されます。その結果手術プランが立て易く、私の頭にも結果のイメージが浮かび上がり刷り込まれます。結果が見えるのです。そしていざ手術となれば、目と頭を駆使して、手先に神経を集中させて、丁寧に進めますから、より良い結果が得られるのでしょう。

症例は53歳女性。先月来院されました。2年前口腔外科で両顎骨切り術を受けたら、ご多分に漏れず上白唇がストンっとして長さが目立つ様になったとのことです。鼻と顎にはヒアルロン酸が入っていて、E-ラインは直線上になっている。その結果寂しくなった赤唇のCupidの弓の頂点にも、ヒアルロン酸を入れた。その訴えを下に計測すると、上顔面(生え際〜眉下)62㎜:中顔面(眉下〜鼻下)58㎜:下顔面(鼻下〜頤尖端)63㎜で、上中下を足すと183㎜と縦は長くないのですが、比率的に下顔面が長い。更に顔面横幅は、両側下顎角間が120㎜で、頬骨最大幅が140㎜とあり、いわゆる丸顔ですから、下顔面が余計に長く見えます。白唇は鼻柱基部から人中の底までで19㎜と、丸顔なのにバランス的に長い。上口唇の白+赤の縦長25㎜:下赤唇から下の縦長33㎜で、黄金分割比率の5:8よりも上が5㎜長い。さらにヒアルロン酸入れても口唇結節の膨らみがない(前医のセンス)。顔面部品の横長は、内眼角間35㎜:鼻翼幅37㎜:口唇横頚49㎜で黄金比率に合わせると、口角は45度方向に6㎜引き上げて口唇横径を拡大した方がバランスが取れる。歯科治療中ですが3ヶ月休み、予定を立てて手術を受けたい希望を述べられました。

手術当日の確認です。上(白)唇を両側鼻翼基部間を全て5㎜切除します。両側鼻柱基部の縫合時に口唇側を1.5㎜ずつ寄せて人中と弓と赤唇を明瞭にします。口角挙上は45度方向に6㎜挙げます。笑顔になります。

画像は各方向を経時的に視ましょう。まずは正面像。

上左図は術前、上右図はデザイン後です。デザインは上記カルテの通りに描いています。

上左図は手術直後です。笑っていませんが笑顔に見えます。下顔面の冗長感が解消しました。

上右図は術後1週間で、両側鼻翼間を抜糸しました。口角挙上術も全抜糸しました。内出血が派手に露呈しました。腫脹は48時間目から引いてきました。形態的に大満足されています。

術後2週間で全抜糸します。鼻翼の横はドッグイヤーを生じるため創の癒合も遷延するからです。でも実は魅せてもらいたいから来院してもらうためでもあります。術後2週間では、ご覧の様にダウンタイムを過ぎて、形態が見えてくる時です。メイクも許可しています。リップを引いて傷跡を隠して、女性的魅力が引き立っています。本症例の患者さんは明るくて優しい女性ですから、笑顔が似合います。鼻周りの傷跡はまだ赤い線ですが、幅は出ていません。また内出血は吸収され、腫脹は軽減してピーク時の30%以下となっています。でも口周りの運動時は若干の違和感がある様です。概ね1ヶ月でなんとも無くなります。

上右図は術後1ヶ月です。もう違和感はなくなっていますが、ドッグイヤーはあります。縮小していくはずですが、残ったら術後3ヶ月以降に焼きましょう。

笑顔が最高です。

次の段は近接画像で手術時の説明も加えます。

近接して口周りを観ると、上白唇の冗長感と赤唇の貧弱感が余計に目立ちます。

デザインは術前のプランに従っています。両側鼻翼基部の間を全て5㎜切除するデザインです。両側の口角から、45度斜め上に6㎜の位置に広角を移動する為に、三角形の白唇切除部を描いて、上下赤唇縁には上白唇短縮術では挙げられない鼻翼基部の直下よりも外側を挙げる様な切開デザインを描いています。口角挙上術は赤唇を移動させます。

上左図は切開後。デザインが消えないうちに口角、白唇とも切開します。次に上右図の様に、両側鼻翼間を、皮膚(表皮と真皮)と皮下脂肪全層を切除しました。赤く見えるのは口輪筋です。この後縫合に入ります。

縫合は、筋層を縫い寄せてから、真皮縫合を密にします。上左図で傷の長さはルーラー(定規)で約45㎜と示されていますが、この長さに実に18針も真皮縫合しています。2.5㎜間隔です。実に細かいでしょう。スキンフック(先が鋭く径2㎜と小さいフック)を使わなければ不可能です。技術的にそんじょそこらの非形成外科医には出来ません。ちなみに真皮縫合を終えた時点で隙間がありません。そうでなければ術後中期(約2週間)で傷跡の線に幅が出てきてしまいます。

上右図は皮膚全層も縫合しました。口角もです。糸の部分に血液が着いていますから目立ちます。

上左図は術後1週間です。抜糸時に引っ掻いてしまうので赤くなっています。それどころか術後2日から内出血が露見してきました。腫脹も亢進しました。

そして、上右図は術後2週間で全抜糸した際です。近接画像で見ても優しい口元です。セクシーとも言え、魅せられます。

上左図は術後1ヶ月で、傷跡はまだ赤いのですが、幅はゼロで後戻りもゼロです。

上右図は術後3ヶ月。毎回リップメイクして写っていますから、口角の傷跡は行方不明です。

術後3ヶ月では両側斜位像で傷跡を拡大してみましたが、目立ちません。

下からは4方向で見比べましょう。

術前像ではどこから見ても上白唇が冗長です。いわゆる鼻の下が長いイメージです。

術直後は腫脹してボテっとしますが、笑顔です。

術後1週間では内出血と赤唇の腫脹が目立ちます。

術後2週間経ると形態的変化がよく観えます。下顔面のバランスが取れていて気持ちの良い口元です。E-ラインが直線なのも影響しています。骨切り+口元の手術は見事な結果をもたらします。ただし私の手術が丁寧だから、皮膚の外側を切れるのですよ!。

術後1ヶ月の4方向ではスッキリ感が判ります。

術後3ヶ月の4方向では可愛い口元です。私「素敵なのでまた見たいです。」と申しましたら、看護師さんに「〇〇さんを気に入っているからですよね?。」と言われ、私「可愛いキャラクターですから、魅入られます。」と患者さんに伝えました。3ヶ月以内にもう一度見られそうです。勿論画像も戴けるでしょう。

当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の提示です。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円+税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。